G-COE
環境起学専攻が応募していた「統合フィールド環境科学の教育研究拠点形成」という課題がH20年度のグローバルCOEに採択されたらしい.
起学専攻は21世紀COEを契機に新設された専攻で,宿命的にこういう教育研究拠点形成資金を渡り歩いていかなければならない性格を帯びている.21-COEが終わってから1年間の浪人期があったけれど,これで存続意義は保たれたというところ.
まあ,私にあまり関係なさそうなんだけれど...
というのも,採択された課題について,構成員とか,教育のターゲットがMなのかDなのかとか,予算配分とか,あまり詳しい内容を知らされていないからである.それゆえ,外野的な言い様しかできなくなっている.
環境科学院は,地・生・物質の基盤専攻と,それらとインテグレートしながら新しい学問領域を開拓していこうとする起学専攻で構成されている.採択課題の主体は起学専攻ではあるものの,環境科学院全体として,基盤専攻とも密接に連携して大学院教育を実施しているので,当然,このG-COEでもその体制は変わらない.むしろ,それを売りにしてこの課題の採択にこぎ着けているハズである.
この連携体制において,基盤専攻を担当する教員にどれだけG-COEに関わって欲しいのかという点が,少なくとも私の手元にある資料では見えてこないのである.
昨今は,定常的な教育予算は削減傾向にあって,先進的な教育をやっていこうとすると,どうしても競争資金を獲得しなければならなくなってきている.その意味では,21-COEやG-COEなどに積極的に応募して,その予算で教育を展開していこうという方針は時流を見据えたやり方として評価できるのかもしれない.
しかし,COEは年限が区切られた体制でもあり,たまたまその終盤期に入学した院生にとっては全くといってよいほどメリットがないのも事実で,21-COE終了後に1年間の不採択期があったというようなことも考えると,予算獲得に失敗したときの予備策も必要だ.そして何よりも,目先の流行や手っ取り早い成果にとらわれずに,じっくりとインキュベーションする場や,基礎部分を固めるところも確保しておく必要があるのではないかと思う.
そもそもCOEは拠点形成資金であるから,採択期間に形成された拠点を引き継ぎ発展させていくビジョンも必要である.採択期だけの打ち上げ花火や自転車操業の手段で終わってしまっては意味がない.でも,何度もCOEを繰り返すと言うことは,その度にあらたな拠点が形成されるということでもあり,拠点インフレを引き起こす危険性もある.その受け皿が基盤専攻ということなのだろうか?
今回の全国的な採択状況をみても分かるように,実績を積んできた大学が評価されている面は大きい.それだけに,大型資金で実績を挙げたところがますます焼け太りするのではないかという危惧も生まれてくる.不採択になった大学の無念さを思えば,採択された側の責任は重大であり,一過性の予算獲得だけではすまされないだろう.
一方,学院の生き残り戦略という面では,大型予算を獲得できたときはその特典を全体に波及させて学院そのもを活性化させ,逆に浪人期には基盤専攻がCOEの成果を引き継いでしっかりと下支えする,そういう連携体制が確立できればよりよいものになっていくのではないかと思う.そのためには,構成員の意識もそういうふうにならなければいけないのであるが,少なくとも詳細を知らされていない私からみれば,起学専攻側のネゴシエーションが不足しているように見える (こういうトップ引き上げ型とボトムアップ型の融合みたいな方策は,国家的高等教育向上にとっては,全国規模で成立する必要があると思うんだけど).
まあ,申請にかかわる仕事で手一杯だったことは容易に想像できるし,実際に採択にこぎ着けたことはよかったし,申請に関わってこられた方々の労を多としたい.あとは,浪人期も経験しつつ21-COE・G-COEと渡り歩くことにとりあえず成功した部局として,どういうCOE戦略を展開できるか,今後の進め方に期待したい,といったところが外野的な感想だろうか.