沢柿 教伸
Takanobu Sawagaki Ph.D.
博士(環境科学)
法政大学 社会学部

南極観測隊越冬隊長として夢や憧れが現実と繋がっていることを伝えたい

今夏は,ワクチン接種もまだで,北海道ゼミ合宿もせず,好きな沢登りにも行かず,ひたすら感染防止につとめて,極地研究所と自宅を淡々と往復する日々を送っています.
 南極研究界では随一の重鎮だった吉田栄夫先生の訃報が飛び込んできました.同じ専門の地理分野の教授として,最初にJARE34で南極に行った30年前からずっとお世話になりっぱなしでした.南極観測草創期から一時代を築かれ,最近まで生き字引としても活躍されてきた大先生なのに,家族葬ですまされたとは,コロナ禍がなんともうらめしいことです.
 そういえばJARE34当時は,第一次観測隊長の永田武教授が亡くなった年に遺骨を携えて晴海埠頭を出航したのでした.永田教授の愛弟子であった佐藤夏雄越冬隊長から袈裟を持ってくるよう指示されて,越冬中に永田ケルンをオングル島に建立して法要をさせていただきました.
 今回は,吉田先生のご供養となる何かをしてこようと思います(合掌).
 おはずかしながら,先日,本学総長と対談させていただいた記事がWebサイトに掲載されました.話したこと全部が記事になっているわけではありませんが,ゼミごとお世話になっている「地平線会議」に触れたことも記事に採用してもらいました.
【教育者として、南極観測隊越冬隊長として夢や憧れが現実と繋がっていることを伝えたい : ボイス : HOSEI ONLINE : 読売新聞オンライン】

里帰りもなかなか難しそう

今夜のTVで「おおかみこどもの雨と雪」をやっていたと思ったら,偶然にも今日のFacebookにこの過去記事がおすすめで出ていました.当時,立山カルデラ博の福井さんたちが発表した論文を巡って日本に現成氷河を認めるかどうかを議論したシンポジウムの際に,コメンテーターの私から出した提案だったのでした.あれからもう9年ですか...おおかみこどもの舞台となったのは我が故郷の上市町,監督は同じ中学で一級下の細田氏.これから南極越冬のため2年近く不在になる前に郷里の年老いた両親にも会っておきたいところなのですが,富山でのワクチン接種はまだ先だということ.コロナ感染は避けなければならず,里帰りもなかなか難しそうです.

システムの外側に飛びだす、と原理原則

「システムの外側に飛びだす、つまり○川流にいえば別の地平にたって世の中を相対化し、ダイナミックに常識を揺り動かす、というのが冒険者の役割だが、政治の中心にいる人たちにこれをやられると社会がものすごく混乱するだけである。」
この一連のtweetは角幡氏にしかできない言い方です.うらやましいと思うと同時に,ちょっと救われた気持ちにもなりました.https://twitter.com/kakuhatayu…/status/1401005790501081090
 数年前の東大総長の入学式の式辞の中に『知のプロフェッショナルになるためには,「原理原則や根本にたちかえって考える素養」が必要』という新入生へのメッセージがありました.私は自分の授業の中でこの言葉を引用して,学生のみなさにんは「原理原則で考えて」と毎日のように言ってきています.科学には,そうした「立ち返るべき原理原則や根本原理」がちゃんとありますし,そもそも,日本国憲法の遵守,倫理の尊重という人間としての大きな原則がありますから,アカデミアではしごく当然のことをしているに過ぎません.
 一方,その目の前で現政権は,原理原則をまったく無視した政治を繰り広げています.「反・知性主義」「記録を残さない隠蔽・改ざん主義」「学術会議問題」「ネポティズム」など,枚挙にいとまはありません.しかもこの状況がもう8年も続いてしまったので,学生の皆さんにとっては学びの期間のほぼ全ての期間となってしまい,これはもうとりかえしがつかないところまできてしまいました.
 そうすると,大学で教えている原理原則が,たんなる建前としか学生はみてくれないのではないか,という心配がおきてしまうのです.本来お手本となるべき政府が,原理原則破りをしてくれているので,学生に教えるときには「あれは例外だからまねしないでね」といちいち断らないといけなくなっています.私たち大人にとっては,原理原則が普通だった時代をあるていど知っていますから,よけいにそれが残念なのです.
 一方で「探検と冒険」を標榜し「地平線報告会」にも参加するゼミを主催していると,角幡氏がいうような「システムの外側に飛びだす(つまり○川流にいえば)別の地平にたって世の中を相対化し、ダイナミックに常識を揺り動かす」という冒険者の役割への理解と実践にも挑戦してほしいな,というメッセージをゼミ生たちに発信しつづけていることにもなります.これはある意味では「原理原則や根本」のしがらみからの解放をアジッていることにもなっているわけです.それで今回の○川氏のこの発言.「これはますます困ったことになったな」と思っていた矢先に,当の角幡氏自身がこうつぶやいてくれたことは,本当に救われた気持ちになりました.
 この角幡氏の一連のtweetは,何重かのねじれ構造になっていますから,ゼミ生にダイレクトに提示すると,ねじれのどこかで迷子になっていまうか,へんにねじれたままあっちの水平にいってしまう危険性があります.それほどまでに,今の学生は飼い慣らされてしまっています.この複雑な状況をゼミ生たちにどう伝えたらよいか,次のゼミまでの宿題ができてしまいました.
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ペンギン饅頭号折りたたみコンテナ


チームオベリベリ

今ごろは北海道に準帰省するのが恒例なのですが,緊急事態宣言下の今年は,立場上感染リスクをおかすわけにもいかず,おとなしくしている予定です.引きこもりのお供は,やすやすと自立してしまう厚さを誇るこれ.リアル・フィクションと謳われている本著で,しっかり晩成社のことを勉強します.


「線の記」のTV番組


リーダーシップを考える参考に

新年あけましておめでとうございます.

今年はいよいよ,JARE63が始動する年です.夏までは大学と観測隊の二足のわらじでの仕事になるので,いろいろあちこちにご迷惑をおかけするかもしれませんがどうぞよろしくお願いいたします.

このコロナ禍のなかでの運営は一つのチャレンジでもあり,年頭の抱負は,組織運営と協調について考えていく覚悟を持つということです.それに際して,今の我が身に重ねて共感しまくっているTVドラマがあります.「Borgen」(本邦風には永田町という感じの意)というデンマークの国民的政治ドラマです(http://www.superdramatv.com/line/borgen/)  

グリーンランドに調査で通っていた頃に,デンマークで初の女性首相が誕生しました(現首相も2人目の女性).グリーンランドがらみの興味から,デンマークの政情への興味が高じて,冬休みに入ってからNetflixで「Borgen」をみはじめたところ,すっかりはまってしまいました.デンマーク語は意味はさっぱりですが,もうすっかり親しみ感のある音になってしまっています.

ネット上の解説によれば,実際に女性首相を生み出したのとは無関係ということですが,描かれているエピソードは実際にあってもおかしくない作りになっているそうです.エピソードの中にもグリーンランドに関するものが出てきますし,引き込まれる内容がもりだくさんです.報道と政治の関係のあり方,小国としてのEUや中東との利害関係,家族のありかた,ジェンダー問題など,ずっと視聴してきて,ちゃんと民主主義が機能している国がうらやましくなってしまいました.  それもさることながら,最初は一介の小さな政党の党首のおばさん風情だった女性が,いつの間にか首相としてリーダーシップを発揮していく様子が,個人的に目の前にかかえてるミッションに際して,なにかとお手本にしたくなる感じがしています.


Zoomで除夜の鐘

コロナづくしの年が暮れます.実家の除夜の鐘も檀家の皆さんについてもらっているところにZoomで参加しました.皆様よいお年をお迎えください.


ザラザラした読後感


取材向けのマイジャケット


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