追い込み

いよいよ明日は修論の締め切り日.

一昔前までは(少なくとも私が院生だった頃は),修論の締めきり日前となると,DもMもみな総出で,あるものは飯を炊き,あるものは地図に色を塗り,なんてやりながら,M2の原稿を仕上げるのを徹夜で手伝ったものだ.パソコンもワープロもまだ普及していない時代の修論を読んでいると,ページによって手が違っていたりするのをみつけたりすることがあるが,それもまた当時の状況が推しはかられて,なかなかほほえましいものである.

最近の院生さんたちは,要領がよいのかバカ正直なのか,なんでも自分だけで抱え込んでしまうようで,当研究室では,あのあわただしくもほほえましい締めきり前夜の光景は見られなくなった.

修士論文を仕上げるのを手伝ってもらうのは,人に論文を書いてもらう,とういうのとは違う.むしろ,後輩のM1には1年後の自らの姿を思い起こさせる効果があるし,上級生のDの連中からは,間違いや改善点などを指摘してもらえるなどの重要な効果があった.まさに,院生どうしの切磋琢磨の姿がそこにあったのである.そうでなきゃ,わざわざ研究室という場で学んでいる意味がないじゃない?

院生時代が長くて,そういう風習が身に染みついている私は,教官サイドになってからも,必死で原稿を書いているM2を尻目に早々に帰宅するのが,なんとなくはばかられて,今夜もこうして研究室に残ってHELPを求めてくるのを待っている.しようがない性分だ.

でも,今夜はこれ以上待ってもM2はやってきそうにないので帰ることにしよう.そして明日は,鬼となってきっちり締めきりを守らせる役を演じなければならない.

メールで原稿がやりとりできる時代になったとはいえ,やっぱり修論は研究室で書かなきゃだめだよ(親の心子知らず…).