QUEEN
QUEEN(Quaternary Environments of the Eurasian North)プロジェクトの総合報告がQSR23(11-13)に載っている.6/11にドームCのドリリングの成果が出たことを書いたが,今度は更新世後期の環境に関する研究の話.またまたヨーロッパ軍団の成果.
1996年に始まったこのプロジェクトは,2回の氷期・間氷期サイクルを含む過去25万年にわたる北ユーラシアの環境変動を,氷河作用から永久凍土,海面変動,モデリングなどを含めて総合的に明らかにしようというもので,今回の報告は300ページ近い大作となっている.読むだけでも一仕事.カラーもふんだんに使われていて,今後,北ヨーロッパの環境変動のスタンダードになりそうな雰囲気.
注目しているのは,Mangerud他のIce-dammed lakeに関する論文.現在,Scabland問題やドラムリン問題に関連して,氷床周縁湖に関する洪水現象のレビューに取り組んでいるだけに,無視できない存在なんである.はやく仕上げないと,レビューすべき文献が後から後から出てきて,追いつけやしない... といっても,Mangerud他の指摘するOutburst Floodは,90-80 とか 60-50 kaということなので,どうも私が注目している最終氷期中のものよりも古いらしい. ここでもやっぱりglobal Last Glacial Maximumという語が使われているのが気にくわない.Abstractの一カ所だけなんだけど...誰かに指摘されて後から付け足したっていう感じ.