あるじの移動
昨日、大寒波・大雪の中、昨年末より長らく入院していた老爺がフィジカルには全快して介護施設へと居を移しました。弟と交互に帰省して世話を続けてきましたが、共通テストやら学校行事やらが続いて年明けから週末が潰れがちだった私に代わって、今回は弟の番でした。その弟から移動中の写真がスマホに送られて来ました。あれだけ威勢が良かった老爺も子供のように聞き分けよくドナドナされていったようです。施設からの一時帰宅の機会はあるものの、あるじがもう家に戻ることがなくなったのか、と、大きく息をついた拍子に、行事に参加している人前にもかかわらず目頭が熱くなってしまいました。傍目には、汗を拭っているだけに見えたかもしれません。老いと痴呆のなかにいる老爺を案じつつ、もうかつての「いえ」は戻らないのだという静かな親父ロスに胸の奥がぽっかりと空いた日でした。