アムンセン湾

image19日のうちに48次行動中の最後のヘリオペが行われ,日帰りで,リーセル・ラルセン山麓での生物・測地調査が行われた.アムンセン湾に入ってからひどい乱氷帯となり,あまり湾の奥まで進入できず,やや長距離の飛行となった模様.船の揺れが全くないので,非常に楽.船上から,34次越冬の帰路に調査したことのある,なつかしのリーセルラルセン山を眺めながら,調査に出られる隊員たちをうらやましく思う.

カラーで撮った写真のレベルを調整していたら,モノクロに近い色調になってしまったので,思い切って白黒写真にしてみた.このほうが現実に近いし,写真としての見栄えもよい.山と乱氷帯の間にある暗いなだらかな斜面が氷床.その奥が湾になっていて,その先に山がある,という位置関係.
この周辺の岩石はリュツォ・ホルム湾周辺とは異なる岩体で,世界最古の変成岩のひとつであることが分かっている.また,リチャードソン湖と呼ばれる氷床縁湖があり,これに関連した年縞を持つ湖底堆積物と氷河成堆積物とのインターフィンガーがみられ,また氷底変形ティルもある,ということで,氷河地質学的には非常に興味深い地域でもある.ただ,夏期でも非常に風が強く,冬期には想像を絶する強風が吹くようで,数年前に地圏グループが夏期調査用に建設した小屋が,翌年には跡形もなく吹き飛ばされていたという経緯がある.もし一次隊がここに最初に基地を建設していたとしたら,全滅していたかもしれない.

長期滞在して精査したい地域の一つであるけれども,レスキュー対策をしっかりしないと,なかなか実施に踏み切れない場所でもある.

20日午前には,ヘリのブレードが取り外されて,防錆体勢に入った.