集中講義
ここしばらく準備にかかりきりだった,国際南極大学プログラムの「南極学特別講義 I」の私の担当分の本番.朝から夕方までしゃべりっぱなしで喉がいかれた.
スライドショー的な越冬経過報告はまあ良いとして,それらしく専門的な話をさまざまなバックグラウンドを持つ全学の院生を対象にするのはたいへん.難しすぎてもいけないし簡単すぎても大学院らしくないし...
「過去一万年の気候が安定しているように見えるのはなぜか?」という鋭い質問には結構ビビった.深層水循環の気候安定装置としての役割に関する質問だが,深層水循環の発生時期・寿命などは正直言って私もよく知らない.ただ,Broecker先生のこの有名な仮説に対してラディマンの仮説というのも出されている事は承知していたので,とりあえずその紹介で逃げる.突然のことだったので,具体的な文献をあげるのに間に合あわなかったけど,質問した院生がこのBlogを見ているかもしれないことを期待して,ここに一覧をあげておく事にしよう.
農耕文明が温暖化を招いた?…日経サイエンス
上記のオリジナルはこれScientificAmerican, March 2005 上記のPDF たぶんこのオリジナル研究は,Ruddiman, W.F. (2003) The Anthropogenic Greenhouse Era Began Thousands Of Years Ago. Climatic Change 61: 261-293.
Broecker先生の反論というかコメント.Broecker, W. S., and T. F. Stocker (2006) The Holocene CO2 Rise: Anthropogenic or Natural?, Eos Trans. AGU, 87(3), 27.
上記へのRuddiman氏のコメント
Ruddiman, W. F. (2006) On “The Holocene CO2 Rise: Anthropogenic or Natural?”, Eos Trans. AGU, 87(35), 352.
まあ,最近盛り上がっているホットな議論ということらしいのだが,越冬中に展開されていたということもあって把握しきれていないため,私自身も急いで追いつこうとしているところ.『地球史が語る近未来の環境』 日本第四紀学会の中で岩田先生がラディマンの仮説に関するコラムを書いておられるらしいので,そのほうが手っ取り早いかも(実は私はまだこの本を入手できていない).岩田先生の掌握度には感服するばかり.
ほっとして脱力感に見舞われている矢先,昭和基地Wiki論文のコメントが共著者から戻ってきた.休む暇なし.
ついでに増田耕一氏のページも参考になる.