歴史と向き合う時間
土曜日に野外実習から帰札して,週末はずっと頼まれ仕事の作業.今日になってようやく,依頼主に渡せるような試作品を完成させた.
作業で使っている素材の中で,私が一番気に入っている写真がこれ.
AACHの画像アーカイブ事業に収蔵された写真の中の一枚.
大通り東三丁目にあった山仲間での俗称貧民窟で歓談する
左より板倉勝宣、松川五郎、加納一郎
人物は大正10年4月に発足した「山とスキーの会」の提唱者たちであり,場所はその会報である「山とスキー」の編集所でもあったところ.
板倉氏は,山屋ならば誰もが知っている日本アルピニズムの先駆者.加納氏は,言わずと知れた極地探検のエバンジェリスト.松川氏は北海道の山岳の開拓者.若き日のこれら大御所三人ぞろいの写真は,文学で言えば夏目漱石と森鴎外と与謝野鉄幹がそろっているのにも匹敵する博物館モノであると思う.
私も学生時代には,俗称「・・・やしき」とか「・・・舎」という古びた窟で共同生活していたけれど,その時に友人達と撮った写真が,90年・100年後に歴史的写真と重宝がる人が現れることはまずないだろう.
受注した仕事は単調で根気のいる作業が続くけれど,こういう歴史的写真とじっくり向き合える時間でもある.