嘘を見破る

北見からの列車の中で「テレビの嘘を見破る」新潮新書 今野 勉 (著)を読む.

本書には,特にドキュメンタリーのありかたについて,制作者の立場から,その倫理観や制作ポリシーのようなものが書かれている.

サイエンスライターとか自然ガイドとか,これまで私も,二次伝達者としてのあり方を,サイエンスの面でいろいろ考えてきたが,本書の考え方や問題提起には,情報を提供する側の立場として,あるいはそういう人材を教育していこうとしている立場として,頷かされるところが多かった.

参考になった,というよりは,共感してしまった,いったほうがよいかも知れない.そのツボは,「***の嘘を見破る」という***の部分を,ぴったり置き換えることができる対象があったことである.

テレビにとっての視聴者とは,我々にとっての環境問題に興味を持つ一般市民や活動者たちであり,彼らを共感させるのが使命なのか,納得させることが使命なのか,それともありのままの自然の姿を伝えるのが使命なのか,といった疑問に,ある程度の指針を与えてくれたのである.そしてその際に超えてはならない一線が,倫理として厳然と存在していることも.

とにかく,読んでみれば分かると思う.***の部分が分かる人は特に.