私の「デコ活」
本日発売のBE-PAL3月号は、特集『みんなのソロ活80選』。なんとこれに私の「デコ活」が紛れ込んでおります。
コロナ禍を経て南極越冬から帰国した後、思いがけない役回りが重なって会議室滞在時間が激増してしまいました。「ならば空間を居心地重視で基地化してしまえ」と始めたのがこの活動です。暖炉風ヒーターにマントルピース、南極写真のタペストリー、100均素材による可逆DIY――原状復帰前提の大学空間で、養生テープを駆使して世界観を立ち上げてきました。その結果、クリスマスやお茶会まで開かれるようになり、研究室や役員室はいつの間にか人が自然に集う場所へと変貌を遂げました。居心地の設計というのはなかなか侮れません。
そして今、次のミッションは――立山連峰を真正面に望む実家の古家を「昭和レトロ」へと再生することです。風情といえば聞こえはいいですが、断熱は精神論、建具は気分屋、収納は歴史資料館状態。そこへ高齢の親の介護で通ううちに「片付け」を「空間再生プロジェクト」と言い換えないと気力が保てない段階に入りました。でも、見方を変えれば実家は宝の山です。押し入れからは古道具、天袋からは時代の空気。捨てればガラクタ、活かせばヴィンテージ。まさに発掘調査。専門は極地の地形学ですが、今や昭和層の発掘に取り組んでおります。
現時点で仕上げたのは、サンルームを剱岳を望むヌックに、屋根裏をリモートワーク基地に…というあたり。そして次は、昭和の建具と現代インテリアをどう調和させるかという難題へ。南極・昭和基地ではピュアな自然と向き合ってきましたが、こちらは「ピュアな昭和残存物」。ブリザードの代わりにほこりと寒気と予算と戦っていきます。さて、どこまで“レトロ”を味わいに変えられるか。続報またおいおい少しずつ。