正しさについて

新コースの説明のため東京オフィスへ出張.

密談のために急いで帰札.

機中で『「おろかもの」の正義論』(ちくま書房)を読む.神や宗教の問題,脳死にからむ生死の問題,ときて,これはきっと環境問題にも論が及ぶだろう,と読み進めると,案の定そうなっていた.

「事実を確定するシステム」としてのサイエンス(大学などの研究機関)のあり方に関する考え方には共感するものがあった.特に,大学などの研究機関が事実を確定するシステムとして役割を果たし,その「事実」を合理的にうけ入れることを保証する背景に関する次の一節は非常に重要.

  • 大学の研究者は,専門家として事実を見極める訓練を受けている.
  • 研究成果は,他の専門家によって批判的に検討され,誤っている場合には否定される.
  • このように自律的な研究者集団を維持しておくことは,より確かな事実を手に入れるための合理的戦略である.
  • エライ教授の言うことを鵜呑みにする権威主義的態度は正しくない.長いことピアレビューをまともにうけたこともないような教授のいうことこそが一番警戒すべきものであることは明白であり,それを許すような大学の体制は自律的だとは言えない.

    環境をサイエンスとして学ぼうという院生は,そのところを肝に銘じるべし.