銀座

早めに東京に戻ってきたが,札幌便はどれも満席で早い便に変更できず.時間つぶしに銀座をぶらつく.そのせいで例のnanoに触手が伸びる.オフィス街がお昼休みになったとたんに店内には長蛇の列ができていた.

帰路,ふらっと立ち寄った本屋でみつけた「あのころの未来—星新一の預言」最相 葉月 (著)を読む.中学生の頃,星新一に狂って,休み時間の大半をショートショートを読みふける時間に費やし,全作品を読破していたのが自慢だった.あのころは,未来に夢と希望を抱いていたし,星氏の小説が持つアイロニーというかアンチテーゼに自分なりに思いを巡らせていた時期でもあった.

著者の最相氏も自分とほぼ同年代だし,思いは通じるところがあって,星氏へのノスタルジーに浸るには十分な内容であった.こういうエッセーは私にも書けそうだと思うのだけれども,結局は星氏のふんどしで相撲を取ることには変わりなく,この本もその領域を抜け切れてはいない.星氏の新作をもう読むことが出来ないことに気づいて,非常に寂しい思いをした.昭和基地に星氏の作品があれば,ゆっくり読みなおしてみようと思う.