BASIC

昭和基地の内臓は新旧折り重なって稼働している.担当の衛星・電波星受信設備もその例に漏れない.最新のワークステーションがあるかと思えば,PC9801VXなんて年代物がいまだに使われていたりする.おかげで,もう捨ててもいいと思うような機材が予備として大事に保管されていたりもする.

明日からのVLBI観測のテスト中にプログラムの一つがうまく動かなくなった.前任者が帰ってしまった直後で非常にあせる.ケーブルや信号をチェックしたり,パソコンをいじくってみたり...あまり変な変更を加えると元にもどらなくなる可能性もあるので,うかつに手を出せないのが昭和基地.

幸いというかなんといか,PC98のOSは学生時代に慣れ親しんだMS-DosとN-88-Basicとの組み合わせ.昔を思い出してBASICのソースを解読して,プログラムにトラップを仕掛けて落ちる箇所を特定する.

原因は,設定ファイルの転送を,面倒なフロッピー(しかも1.2MBフォーマット!)経由からネットを使ったFTP経由に変えたことにあった.FDなんていまや使わない代物なんだけど,昭和基地の内臓部ではまだ現役なんだよねぇ...おかげでそのストックもたんまりある.捨てちゃいけない.

というわけで,思わぬところで年の功が幸いした一日.結局は最新の方法で楽をしようとしたのが原因だったんだけど,分かってしまえばあとは簡単なこと.

それにしても,MS-DOSなんて聞いたことのない世代が担当になったらどうなるんだろう?色気を出さずに忠実に手順書に従うしかないか...こんなマニュアル人間が重宝がられるような状態では,いつまでたっても昭和基地は進歩しない.極地の醍醐味は,創意工夫で新たな展開を生むところにあるというのに...