専門と背景
自分の研究について,専門的内容のツボをもらさず伝えると同時に,他分野の人にもわかりやすく背景を説明するスキルは,どんな場面でも要求されることだろう.旧地球環境科学研究科の時代から,地圏環境科学専攻という,一見課題が共通していそうに見えた時代でも,専攻レベルでの発表会などでは,この問題はいつもつきまとっていた.
かつての講座では,外向きにもまして内部で多種多様なテーマで院生を指導していたから,「専門性」と「幅広い聞き手」との問題は日常的に意識されていて,かなり気を配っていたように思う.同じ専攻内の他の講座にそのような配慮がみられたかというと,必ずしもそうは思えないし,そういう意識もなかったのではないかと思えるくらいだ.
うちの場合は,他から見れば専門性の希薄な魑魅魍魎とした研究のように思われていたフシもないとはいえず,そういう外見を払拭するためにも,かえって背景や意義を強調する姿勢が強まったのかもしれない.
どうやら,そのへんの問題が,起学専攻でようやく認識されてきたような気配.私にいわせれば,ようやく,という感じ.かつて我々に相当の説明を要求してきた方々が,今や同じ立場に立たされていると見ることもできる.
「ガイドコースの発展的継承」という大義名分もあるわけだし,ここはひとつ,主担当の先生がたには大いに議論を尽くしていただきたいところ.