バリバリGoogleEarth

熱っぽいけど,イヤな仕事は早く片付けたほうがよいということで依頼作業に取りかかる.

疲れ休めにだべっていて教えてもらった最新の論文が,バリバリGoogle Earthの画像でサンプリングサイトを図示していた.こんなのOKなの?って感じでちょっと驚き.

内容は,我々も南極で試みている宇宙線照射年代測定法を,チベットヒマラヤ・シシャパンマ一帯の地域に適用したもの.

読んでいて,この著者達は典型的な年代屋さんだなぁと思った.露頭の記載や地形発達史的な解釈はどちらかといえばおそまつ.論文内の下記の記述がそれを象徴している.

Because the exposure ages violate the stratigraphic sequence, the presented cosmogenic chronology from the boulders on top of the Nyalam moraines cannot be explained by straightforward deposition of moraines by successive glacial advances.

年代値が一人歩きしてしまいそうな論文の典型例という印象.年代屋さんに文句をつけるつもりはないけれど,最近そういう例が目立つんだなぁ.一方,いっぱしの地形屋を気取っているこちらとしては,年代測定技術に頼らなければ自前の解釈の裏付けもとれない訳で,痛し痒しではある.

一枚の主題図を作り上げるには,それなりの経験と労力とサイエンスに根ざした自分なりの主張が必要で,Google Earthで手っ取り早くロカリティマップを作っちゃおう,という精神がそもそも地形屋として一言いいたくなってしまう部分.まあ,地理情報を秘匿している中国に対して,もうこれだけ見えちゃっているんだから今時地図を丸秘扱いするのは時代錯誤じゃねぇの,というアンチテーゼという意味もなきにしもあらずなんだけど...

こういう体裁の論文が,一流と呼ばれる国際誌に掲載されるようになっていくのは止められない時流なんだろう.院生には,素直にはお勧めしたくはない方法であるとはいえ,最新技術の応用という面では活用もしてほしいという気もするし...結局教育面で肝心なのは,ロットリングで図表を書き起こすことから始めるように,基礎からしっかり身につけさせることなんだろうと思う.