洞爺丸台風から50年
北大構内の状況を視察.興味のある方は写真でも.
写真では伝わらないこと.それは,倒木が放つ香りが立ちこめていること.製材所というか資材置き場というか,あの臭い.
そういえば,先日,農林水産省北海道森林管理局企画課から「洞爺丸台風森林被害復興50周年記念シンポジウム」の案内が回ってきていたことを思い出した.今回の台風は,コースといい烈風台風としての性格といい,この丁度50年前の洞爺丸台風とそっくりなんである.シンポジウムは9月12日開催だけど,奇しくもその開催直前のこの事態である.こんなことになるとは予想もしていなかっただろうから仕方がないが,基調講演者はちょっと的はずれかも.幸い,コーディネーターに元演習林長の松田教授が参画しておられるので,今回の被害をネタにして,即興で面白いシンポにしてもらえるかもしれない.
洞爺丸台風を生き延びた木々も倒れてしまった.あれから半世紀が過ぎて,青函トンネルは開通しているし,札幌の都市化も進んだし,いろいろと大きな変化があった.その変化で,災害への耐性は向上したのであろうか?樹木が老齢化していたこともあるけど,舗装やコンクリート化等で,樹木にとってはつらい環境がより増えたようにも思える.
学生の頃に,年配のOBと山登りをしていて「今いるこの辺は洞爺丸台風のあとに更新してきた森なんだよ」なんてよく聞かされた.当時はあまり実感が湧かなかったが,今回のことで随分身にしみた.そのうち自分も,今後北海道にやって来る若者たちに同じような事を言うようになるんだろうな...きっと今後の若者たちもかつての私のように「ふーん」って感じで聞くんだろう...でも「2004年の台風18号」なんて言い方はイマイチだな...今回の18号はアジア名で「SONGDA(ソングダー)」というらしいが,これもイマイチ.
Centenaryな事件を語り継ぐこと,先の経験から学んで改善すること,そして改善の効果を検証できること...普段は,数百万〜数万年という単位の環境変化を扱っているけど,世紀単位の変化や再来周期のようなものを実感できたのは,よい経験となった...北大にとっての9-11ならぬ9-08.そしてグランド・ゼロ...
お昼頃,台風の通過を待って早速フィールドへ出かけた院生より,日高のピークから携帯電話連絡.いつもの林道が使えず,別ルートで稜線にあがってカールまで行くことにしたらしい.そいうえば,前にこのルートも検討したことがあったなぁ.沢沿いの調査なしでカールを直接目指すんなら,昨年の台風10号でやられた額平川林道が使えない今となっては,これが一番確実で安心できるのである.まあ,よい成果が得られることを祈る.
カールの熊さんによろしく.