岡村隆さんの葬儀
大学の紋章が入った慶弔や行事参加用のネクタイを大学役員や学部長は持たせられます。そのうちの黒を本日はじめて着用しました。本学探検部OBの岡村隆さんの葬儀に参列するためです。
岡村さんは、永年取り組んでこられたスリランカ密林遺跡調査の功績により植村直己冒険賞を受賞され、本学の総長対談にも登場されています<https://www.hosei.ac.jp/info/article-20231121100254/…>。また、ノンフィクション系の各種文芸賞の選考委員もつとめられており、日本の探検・文芸界の重鎮ともいえるお方でした。私にとっては、勤め先の大学のOBであるというだけでなく、札幌時代から憧れ続け、東京に出てきてからゼミ生共々お世話になるようになった地平線会議の立て役者のお一人でもあるという大先達だったのでした。
自分の年のせいか、このところ、まだまだご活躍を期待されながらも急逝される方々の告別式に参列する機会が増えましたが、本日の岡村さんの葬儀は格別でした。読経や焼香の時間配分はそこそこにして、四名のかたが次々に述べられた弔事は非常に格調高く、岡村さんの人柄が存分に偲ばれる式だったと思います。
最初に述べられた探検部創立者の弔辞では「まさに韋駄天」だったと賞賛されました。故人の若き日のやんちゃぶりやその後の勢いのことをスリランカの密林に埋もれていた遺跡を仏教遺跡だと見抜いた功績にも重ねてそう表現されたのです、続く高山文彦氏は「熱帯の赤く錆びた風塵に吹かれた(とかなんとか)...」と故人への畏敬と感謝の意を文筆家ならではの言葉で表現されました。そして地平線の江本さんは、用意されていた原稿を脇においてアドリブで話しはじめられて「『モルディブ漂流』を読め、植村よりもホンモノだとわかるから」と言い切られました。数年前に故人が受賞された賞にその名が冠される植村直己氏よりも受賞された方がホンモノだった、という意味でもあります。これだけの弔辞を聞くだけでも、すっかり圧倒されてしまった告別式だったのでした。
かくいう私も、学部長になった一年前に(実感ではもう3-4年たった気分ですけど)ここに投稿した記事を「◎「キャンパス」の再構築という「越冬隊長」の大仕事」というコメント付きでシェアしていただいたことがありました。<https://www.facebook.com/takashi.okamura.944/>
さすが、各種文芸賞の「選評」にも定評があった岡村さんだけに、母校が直面している問題を的確に見抜いていらっしゃたのでした。今読み返してみたところ、当時は自分でも見えていなかった我が身のその後の展開をもすっかり見抜かれていたようで、ゾクゾクする感覚すら覚えます。それなりに期待感を寄せていただいたことにも感謝しつつ、これを岡村さんから授かった遺言と思って、今あたえられている役責を果たしていきたいと思います。
岡村さん、たいへんお疲れ様でした。どうぞ安らかにお休みください。