式台の復活

連休は、お彼岸の供養と片付けのために実家に帰っておりました。
 雪に閉ざされていたあいだ手をつけられなかった外回りに、ようやく着手。物で埋まっていた式台も、どうにか人を迎えられる状態まで復旧し、かろうじて“家の顔”らしい表情を取り戻しました。本来なら、ここに住職の姿があって然るべきなのでしょうが……
 式台といえば、寺社における正式な玄関。かつては人の出入りがあり、声があり、用事が行き交っていた場所です。幼い頃、そこに立つと、家の中の時間と外の季節とが交わる気配をふと感じたものでした。
そうした場の格式を整えることが、お彼岸の供養の一つでもあり、ご先祖さまへのささやかな応答になるのではないか──そんな思いで、春が来たらまず手を入れたかった箇所なのです。
 ここは、ただの出入口ではなく、建屋の呼吸が外へとひらく場所でもあります。春のやわらかな光と風が出入りしはじめて、内と外とが少しずつ呼応を取り戻していくのが感じられました。
 一方、屋内ではデコ活にちょっとした新境地。窓から差し込む光が、無造作に置かれたものたちを選び取るように浮かび上がらせている。その配置にふと気づき、ゴミの地層から発掘した“非晶質(地質用語)”のアイテムを、今度は意識して再配置してみました。すると、謎の品々がなぜかそれらしく見えてくるから不思議です。
 家全体から見れば、まだ人にお見せできるのはごく一部にすぎません。それでも、一点突破から全面展開へ。そんな心づもりで、しぶとく続けていこうと思います。
 気がつけば、日差しはすっかり春のもの。片付けというより、埋もれていた時間を少しずつ呼び戻しているような感覚でした。春は、こういうことを進めるのに、ちょうどいい季節のようです。