祖父の面影
NHK-BSで,トレッキングエッセイ紀行「岩稜と氷雪の彼方に〜イタリア・ドロミテ」を見た.
この番組は「エッセイ紀行」というシリーズなだけあって,毎回,作家が語るトレッキングの印象は文学的であり,時に哲学的になる.
そういえば,イタリア・アルプスは「山の大尉」という歌の舞台でもある.あの歌も考えようによっては哲学的であり宗教的だ.
角田光代さんという作家を案内するイタリア人山岳ガイドのルイージ・マリオさんは,仏教を信仰しており,日本にも修行にきていたという.彼のものごしに,亡き祖父の面影をみたような気がした.
エドモントンでShaw教授と日課となっていたお茶をしていたときに,科学哲学的な内容がよく話題になった.教授は私に「日本人はどうか?」とか「Sawagaki自身はどう考えるか?」と尋ねることが多かった.
Shaw教授は私との会話で,西洋と東洋とのものの考え方の違いを探ることを楽しんでいたのかもしれないが,そういう意図がなんとなく分かるだけに,答える方の私は,自然と「自分が人間としてよってたつ所は何か」ということを意識せざるを得なくなった.そして,自分の成長過程を振り返ってみて,じいさんの宗教的,というかそれを超えた人間性に大きく影響されているんだ,と実感したものだ.
じいさんはレジャーとしての山登りはしなかったけど,一緒に山に登って,いろんなことを語りあいたかったなあ,としみじみ思った.
ドロミテにはまだ行ったことがないので,今度イタリアに行くことがあれば是非寄ってみよう.