南極大規模融雪

asahi.comに南極大陸で大規模な融雪判明という記事.元ネタはNASAの記事(May 15, 2007)JPLでこちらで高解像度の画像をダウンロードできる.

手法はscatterometerというのを使って,氷床からのレーダ反射によって,融解した雪が再凍結して氷になるときの変化をとらえ,それで融雪が起きたと判断しているらしい.

実際に「大規模融雪」と判断された観測は2005年だけで,その後は2007年現在まで観測されていないとのこと.2005年の大規模融雪を近年の地球温暖化の影響だと決めるには,この一度だけの結果をどこまで信用するか,これが本当に最近のトレンドなのか,あるいはたまたま起こったことなのか,南極氷床の普通の姿なのか,という疑問を解消していく必要があると思われる.この衛星観測は2005年よりも前から行われていたみたいだが,それでもせいぜい10年間くらいの観測期間である.

いづれにしても,継続的観測は必要だろう.NASAは税金で実施されている観測・研究を社会に還元するのがうまい.おまけに予算要求にもつながっているし…

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NASAの記事画像から
昭和基地付近を切り出したもの

ちょっと気になったのが,昭和基地周辺の宗谷海岸露岩域のすぐ氷床側にも融雪を示す黄色い領域があること.この領域は,夏に気温がプラスになることはたまにあるし,融雪もある地域だから,2005年だけのことではないようにも思う.

ただ,これがこの年の特異な現象だったとすれば,もしかしたら越冬中に行ってみた氷洞と関係あるかもしれない?と思ってみたりする…出現時期も一致するし…

【5/29追記】氷河・雪氷圏環境研究舎の情報の広場にワシントン大の松岡氏がコメントを寄せている.

この結果は査読論文としてではなく、解説本で報告されているのみです。
http://www.amazon.com/Earth-Machine-Science-Dynamic-Planet/dp/0231125798/ref=cm_taf_title_featured?ie=UTF8&tag=tellafriend-20

とのこと.