火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし
〝冬はつとめて。 雪の降りたるは言ふべきにもあらず...火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし〟
枕草子のMy Favoritesの節は千年後に生きる私にも共感できる時代を超えた日本人の原風景だと思っています。郷里富山は明け方から大雪になりました。たっぷり水分を含んだ北陸特有の雪です。そのしっとりとした雪の匂いに包まれると、不思議と心が凪いでいくのがわかります。
住職不在の本堂で、独り、年末年始の準備を始めました。片付けの最中にふと茶香炉を見つけました、これまたゴミの地層から発掘した期限切れのドリップコーヒーを茶葉代わりにのせて火を灯してみます。「冬の朝に炭を炊いて」という清少納言の美意識を地で行くような、令和七年・師走の朝のひとときです。