季節の変わり目

日中プラス2度くらいまで気温が上昇.このところ,朝晩に10m/s以上のカタバが吹いて日中にピタッとやむ,というサイクルが続いている.カタバは真東の大陸からそのまま地を這うように吹いてくるのですぐわかる.昼夜の寒暖差が大きく,また,冷えた大陸と温まった海域との気温のコントラストが大きくなっているせいだろう.

熱赤外放射温度をみているNOAAの4ch画像でも,海氷が黒く映っていて,海水なみに温まっているのがよくわかる.今後の海氷上行動にはますます注意が必要.

L/Sバンド衛星受信アンテナがまたぐずりはじめた.たぶん気温差の影響.やっぱりこの季節は,ACUのパラメータをこまめに再設定してしのぐしかないか…


VLBI2回目

昨夜から引き続き今月2回目のVLBI観測.今回は無難に終了.

超伝導重力計の記録に大きな振動がでたらしい.千島の地震をとらえたか?


氷床底湖

今日も快晴.除雪作業が活発.夕食後から今月2回目のVLBI観測に突入.

asahi.comに「南極2千メートルの氷の下、多数の湖が存在」という記事.たぶん出典は,Siegert et al. (2005) A revised inventory of Antarctic subglacial lakes. Antarctic Science, 17 (3), 453-460. だと思う.すでにAGUで発表されていて,昨年の日付で出版されている論文だ.なんで今頃ニュースになるんだろう?ただ注目すべきは下記の記述.

米英ロの研究者による解析で、多数の氷床下湖の存在がわかり、その中にドームふじ基地から約60キロの地点もあった。48次隊はほか数地点とともにレーダーで観測する。

寡聞にして,48次でドームF付近のレーダー探査をやるというのは知らなかった.もう一度SALE Workshop OutputsのOverviewのpptファイルをみたら,ドームF付近に「New Survey Site」って○がしてあった.これのことか?

ドームFのコアの年代がそれほど古くなかったとこといい,氷床底湖のことといい,執筆中の原稿で修正しなきゃいけない箇所が増えた.それも前向きな修正.

私の仮説に追い風が吹いてきたかな?48次隊のレーダー探査,期待してますよ.

【関連ページ】

  • “Subglacial Antarctic Lake Environments (SALE) “
  • Subglacial Antarctic Lake Inventory@ SALE web site.ここに氷床底湖の分布図が載っている.
  • このBlogの「南極域の配管システム」(2006/4/20)
  • 学位論文の第4章およびSawagaki and Hirakawa (2002) Polar Geoscience, 15.


  • 本部総会

    朝から今月2回目のVLBI観測の準備.

    しらせ出航前恒例の本部総会の日.いろんなことが表に発表された.

    100万年前まで遡ると期待されていたドームFのコアが72万年前までのものだったとか,49次の観測隊長が発表されたり,今度の夏に3名の客人が昭和基地にやってくることだったり.

    ここでは書けないことがまだまだいろいろあるけれど,今後の展開をお楽しみに.

    明日はいよいよしらせが出航する.


    Web徘徊

    休日日課だが,朝から重機がフル稼働.夏オペに備えて装輪車が走行できるように,地面を出す除雪作業が本格的に始まっている.

    次のVLBIの準備と並行して論文と昭和基地Nowの原稿書き.そのための調べ物をしながらインターネットを徘徊していたら,知人のBlog経由でいくつかの興味ある情報にたどり着いた.

  • 北極圏犬橇遠征・環境調査プロジェクト AVANGNAQ アバンナット…「やまちゃん」こと,JARE46-FAの山崎さんのwebサイトがオープン.10年ごしの計画で,グリーンランドからアラスカまで,科学観測をしながら犬ぞり旅行を続けるプロジェクト.応援してます.
  • 冥王星に続き、地質年代も“定義”変わる?(読売新聞)…ここでも前に何度か書いたこと.まだやってたの,ってかんじ.
  • みなさんと一緒バージョン」(YouTube)…ついにここにも出てしまったか…
  • 英国科学実験講座.」(サイエンスチャンネル)..ここに「(7)南極・氷の世界からのメッセージ」シリーズ4回分がある.昭和基地発信の「南極教室」でも使えそうなネタ満載.


  • 越冬隊の沽券

    image休日日課.と書くのは久しぶり.日課自体はまだ存在しているけれど,それを意識してゆっくりと基地内で過ごしたのがいつかも忘れるくらい前.天気も良く急ぐ仕事もなくて,名実ともに休日らしい休日.

    午後からソフトボール大会.来次隊との決戦にそなえて,越冬隊の沽券を保つための密かなトレーニングが主な目的.夏と違うのは海氷上でやったということ.最近の高温でグサグサになった雪面に足やボールをとられる.これはこれで面白い.越冬隊のアドバンテージを生かすには,来次隊との試合も氷上でやるのがよいのではないか,という結論に至った.

    夕食は11月の誕生会.


    アイスオペ

    風が強いが快晴.帰国後におみやげやイベントに使う公用氷を採取するオペレーションを実施.手空き総員で一日かけて中ダン・小ダン合わせて300箱ほどを採取.

    L/Sバンド衛星の今日一日の受信状況を確認したところ,なんと,ほぼパーフェクトを記録!!これまでの受信ライン数の倍も取得できているパスもある.

    このところ不調が極みに達していたため,根本的解決を期して,昨夜に徹底的なアンテナ調整を実施していた.どうやら今回いじくった箇所がビンゴだったようで,劇的に改善された.前次隊のときからあまりにも頻繁に不調が発現していたので,今度の夏オペではアンテナの交換が予定されているのだけれど,その必要もないんじゃないかと思うほど絶好調.

    きれいな受信画像が得られるというのは,なんとも気持ちがよい.これから海氷が不安定になっていく季節,我々の海氷行動はもちろん,しらせの進入航路を決める参考資料や,航空オペレーションのための気象情報としても,昭和基地で受信している衛星画像の重要性は増していくことになる.

    このアンテナ君,これまでさんざん世話を焼かされてきた問題児だったけれど,元気になった以上は,リリーフが来るまでとことんがんばってもらうつもり.


    皇帝ペンギンがやってきた

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    朝から風が強く,予定されていたアイスオペは延期.日中,冬開け初のプラスの気温を記録.そのせいかどうか定かではないが,不調のL/Sバンド衛星受信がさらに不調.アンテナコントローラーの再調整を試みる.

    VLBI観測の後始末をしていたところに,すかさず次の観測スケジュールが届く.今月は全部で3回ある.

    夕刻,昭和基地に皇帝ペンギンがやってきた.9/13に足跡を確認したっきり現れる気配がなかったので,もう今次はだめだろうとあきらめかけていたとことろの訪問.全館放送で集まったほぼ全隊員により,19広場まで手厚くご案内.記念撮影大会となる.

    皇帝ペンギンは決まって2羽でやってくるのが不思議.


    掘削終了

    今日はオングル海峡の海底堆積物の掘削.残念ながら私はVLBI観測のため参加できず.600mの深さからなんとか2m弱のコアを採取できた模様.

    今回でプロジェクトの本格的な探査は終了.仕事を終えたそりたちが,昭和基地の前まで戻ってきた.お疲れ様.

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    昨夜から引き続いてVLBI観測を実施.今回は事前準備のゴタゴタに続き,観測中にも設定変更があったりしてたいへん.

    ピアノを弾いて待ち時間のヒマをつぶす.このピアノはJARE45で医療部門が持ち込んだ物で,隊員の精神衛生管理に必要と言うことで買ってもらったのだとか.でもなぜか衛星受信棟にある.徹夜のもうろうとした頭でも右脳は割と元気で,勝手に手が動く.しかし,思いつくのは童謡や唱歌ばかり.トロメライでも軽快に弾いてみたいものだが,素養のない私には難しい.

    image受信が終わってデータを収録したHDDを梱包.今回からバンド幅を倍にしたのでデータ量も倍.一回の観測で100GBのHDDを8つ使う.VLBIデータHDD専用のジュラルミンのケースが用意されている.データはオリジナルのこれしかないので,厳重に保管して日本へ持ち帰ることになる.


    VLBI一回目

    日中に設定チェックとキャリブレーションを済ませて,夕食後からVLBIの本観測に突入.


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