事後処理
朝から風が強い.昼過ぎに外出注意令.ブリになった.
先月から水素メーザの発振出力が低下ぎみ.低温の影響が考えられるので水素メーザー室の室温を上げるように対策してきたのだが,出力はあまり変わらず.今後さらに低下すれば,ちょっとやっかいな処置をしなければならない.
旅行の報告を書いたり,ルート方位表をまとめたりして,なんだかんだで一日がつぶれた.
最近非常に気になっていること.南極にいるので十分な説明もうけられないので,かなり不安.
観測隊に参加して南極で調査したいばっかりに,法人化前にあった国家公務員限定というシバリを回避しようと,これまで国立大学教員という職を望んできて,家族にも無理を強いてきた.ところが,極地研の法人化でそのシバリはなくなったし,逆に国立大学のほうも法人化や助教問題で環境ががらっと変わってしまいそうだし,さらには数年前のゴタゴタで決断したことも裏目にでてしまいそうな気配ですらある.これまでしがみついてきたことが何だったんだろうとむなしくなる.長期的な人生設計を立ててやっていくのが難しい時代だな,とつくづく思う.
ということで,これから南極観測に国立大学法人の教員が積極的に参加できるような環境ができるのかどうか非常に疑わしくなってきた.南極への情熱の持って行き場がなくなることが一番困る.今はそのまっただ中にいるからいいけれど,帰国後のことを考えると,また憂鬱の種が増えた.
その一方で,大学・大学院教育に貢献したい,という気持ちは大きい.南極に来てしまうと不在期間が長くなるので,学生指導の責務を十分に果たせないというジレンマに陥る.結局,私は,教育の責務を果たせなくなる可能性へのうしろめたさもあって「数年前のゴタゴタの決断」をしたわけだが,このような葛藤が,助手あるいは任期付き助教予備軍が強いられなければならないようなことのかどうか,今でも非常に疑問に思う.
任期付き助教=ノンテニュアを学生指導にたずさわる職務に規定するというのは,そもそも大学の理念に反すると思う.助教がテニュア・トラックの中に位置づけられるのであれば将来への希望も持てるのだが,それもなさそうだし.また,テニュア・トラックを介さずに常勤職にありつける抜け道が残されているというのも公平感に欠ける.私が感じているような葛藤は,たまたま現状でテニュアを保証された形になってしまっている職こそ自覚すべき問題なのではないか.
今後の進展次第では,現職逃げ切りという形になるんだろうな.
露岩偵察
昭和基地はブリで,中継点旅行隊もS16で足止めされているが,スカルブスネスはまぁまぁの天気.
基地には帰れそうにないので,露岩の偵察などで一日を過ごす.
行事がいっぱい
早朝,ライブステージのあとに,夏隊の福井教授と面会.
また明日から出かけるルート工作旅行の準備.
S17で使う特殊なソリの上棟式.神式と仏式のチャンポンだが,お菓子や餅を投げたりして本格的に実施.
夕食時に8月の誕生会と中継点旅行隊の壮行会.8月の誕生日でお祝いされる方に私も含まれる.
Best Friend
朝一で小屋を後にして,ラングホブデ名物「ハムナ氷瀑」へ偵察に出かける.ちょっと近づいてみたり,脇の高台に登ったりして記念撮影大会.夕刻,基地に帰着.
もうすぐ中継拠点旅行隊が出発する.越冬開始以来ずっとお昼休みに上映していた「ちゅらさん」も見られなくなると言うので,今夜は残りの1週間分を最終回まで一挙上映.Kiroroが歌う主題歌はJARE47のテーマソングのようなものだったが,ちゅらさんのオープニングでこの曲を聞くのもこれが最後.「越冬もこれで終わりか...」なんて気分になってしまった.
実際のところ,越冬後半戦は,これまでの前半とは趣がガラっと変わるはず.忙しさが増すとともに,野外活動も増え,ラングホブデ・スカルブスネス・スカーレンなどの沿岸旅行が日常となる.基地を離れるのが当たり前の生活になって全員がそろうことも希になるけれど,最後までずっと「Best Friend」でいたいと思う.
ラングルート
朝一でラングホブデに向けて出発.33番までできているルートを延ばして,工作しながら今日中に雪鳥沢小屋まで.
気温が高く,外作業もつらくない.ソリの脇で昼食をとりながら進む.
途中でアザラシをみかけたりしながら,作業は順調に進んで日没前に小屋に到着.私は夏オペでは来ていないので,今次で初めての訪問となる.
写真は,まるでアザラシ狩りのような二人が映っているが,実際にはクラックや氷厚の様子を見に行くところ.アザラシがいると,その近くにはクラックが開いていることが多いのである.
発電機も暖房も順調に稼働し,快適な小屋の中で,愉快な仲間たちと団らんの一夜を過ごす.13年ぶりに訪れた小屋はほとんど変わっていなかった.35次の新聞が残っていて,当時私が帰国後に婚約したことを報じる記事が張り出してあったりして懐かしさを覚える.












