日々の雑感 一覧

帰国

パタゴニア調査から帰国.

はじめてのパタゴニアはなかなかの体験.

チリ国内の空港や主要な観光地に掲示されているパノラマ地図はすばらしい.しかし,パイネを除いて,一般には販売しておらず残念.

おいおい報告をかねて体験記を掲載する予定.


出発

いよいよパタゴニアデビュー.これから地球の裏側まで丸二日の飛行機の旅.南極に行くのに比べればチョロイもんだが.

ということで本ページの更新は年末までお休み.ちなみに,このサイトには350あまりのhtmlという拡張子がついたファイルがある.本ーページを見ることを日課としておられる愛読者の皆様にはそれら全てに目を通してもらう,ということでご勘弁ねがいたい.


出発前

長期で不在になる間際だというのにちょっとしたサーバーのトラブルがあったり,装備のパッキングや院生の相談などでバタバタと過ごす.この際,留守中のサーバーの運転に完璧を期そうと思ってチェックを行ったところ,意外なところでボロボロと設定ミスが発覚.結構微妙なバランスで動作していることを実感.

「がんばれ!南極観測」の掲示板に多くの知り合いの名前を見つけて,ちょっと懐かしく,うれしくなった.でも,関係者の内輪だけで盛り上がってもしようがないので,いろんな人の参画を期待したいところ.


つながり

パタゴニアに出かける前の残務整理.あちこちに留守を知らせるメールを書いたり,年賀状を作ったり.

久しぶりにエドモントンのShaw教授からメールが来た.日本の南極観測がヤバそうだ,という返事を書いたら,ずいぶん気にしてくれた.カナダでの調査のお誘いもあり,教授の友情に心から感謝.

人のつながりについて,いろいろと考えた一日.


アクセス

午後から宿舎の窓を入れ替える工事があるので,それに立ち会うためにずっと在宅.工事でばたばたしているけど,見ているだけの私は暇なので,一ヶ月分のアクセス解析をやってみた.

話題のしらせが昨日出航しただけあって,ここ数日は「しらせ」の検索でやってくる数が異様に多い.優に200件は超える.なんと来てるよ,あの省からも.私の意見を聞き届けてくれるといいけど.

「ドラムリン」という検索語が一件だけあったのは,ちょっとうれしい.

全アクセスの九割方がサーチエンジン経由で,それなりに私のサイトが上位にランキングされている,ってのも面白い.

いやー,暖房の効きが全然違うわ.この冬は快適に過ごせそう.


科学とエンターテーメント

学問や基礎科学の重要性は自明なことだが,それを納得させるのは難しい.お金がからむ場合は特に.納得させる方法として「プレゼン」は重要.そこに「話題性」があればもっといい.話題性と効果的なプレゼンが一緒になると,それはエンターテーメントという世界に入っていくことになる.

うちへのアクセスを解析していて知ったスラッシュ・ドット・ジャパンの記事にそんな意見が書き込まれていた.

エンターテーメントの世界となれば,まず思いつくのがマスコミ.しかし,科学者は概してマスコミ嫌いが多いように見える.「アリ」の例をみてもわかるように,マスコミは「話題性」を追求するあまり,行き過ぎ・誤り・不正確を誘発してしまう傾向がある.そういう事態をおそれて,科学者は,自らがエンターテーナーとなりマスコミ化してしまうようなことを避けたがるんだろう.

「南極教室」に関連して,みんな冷めているのはなんで?,と日々考えているのだが,今のところ思いつくのは,こんなところ.

確かに,学問の領域に留まって冷静に考え,世の中の熱狂ぶりに対抗していく立場も必要である.私もそんなことを書いたことがある.けれども,大衆の熱冷ましや,逆に冷めた大衆を喚起する効果も,実際に何らかの形で発揮されなければ意味がない.

大学院に関していえば,今の時代,大学院を出たからといって皆が研究者になるわけではない.でも院生は何かを学びたいと思って入ってくるから,彼らが修了して社会に出て行くときに何らかの満足度がないと,学問に対する失望感と無関心を生むことになり,研究者がストイックぶって外向きに消極的になっていることはかえって逆効果だ.

では,学者や研究者としての本分とエンターテーナーとしての役割とを使い分ける分岐点をどこに置くか.この基準に迷って,なかなか一歩が踏み出せない研究者もいるのではないか.私は,その基準は,スラッシュ・ドット・ジャパンの意見にあった「一次資料」と「二次資料」という言葉で表現されるものにあるのではないかと思う.原典(生データ)と解説資料と言い換えてもよい.

研究者とは,一次資料を読みこなすことができて,自分自身もその生産に関わることができるもの,そしてエンターテーナーとは,その一次資料を租借し二次資料として活用できるようにするもの,その先に聴衆としての一般人がいる.そういう考え方.

この考え方にたてば,報道としてのマスコミや解説員は,まさに二次資料を提供するエンターテーナーそのものだ.近年の大学院教育は,一次資料を生産するところまで行かなくても,それを理解し租借できるエンターテーナー的人材を輩出することにあると言えるのではないだろうか.しかも,行き過ぎ・誤り・不正確を誘発することがないような思慮深さと自制の効いた人材を.

かみ砕いてあげる対象が子供たちであれば,それは環境教育などの分野で活躍できるわけだし,一般人・官公庁・企業であればNPO法人の指導者としての立場が期待されることになる.

そういう人材を教育しなきゃいけなんだから,教える側もエンターテーナーになって手本を示さなきゃならない.

それから,前にも書いたハイテクカンニングに対して,教官として自衛策をとるとすれば,一次資料に当たって物事を考えさせるような課題を学生に出せば,かなりの不正は防げるのではないかと思う.ハイテクカンニングがまかり通っている背景には,課題を出す側の安易さもあるのではないか.その点で,原典にあたって根本を探らせる訓練を学生に積ませる,という視点は,なかなかイケルんじゃないかと思ってみたりする.

Q&A掲示板で回答する際も,その点に気を遣っていればなんとかうまくやっていけるんじゃないかと思う.


「はみ出し者」と「フェロモン野郎」

先日北大で開催された日本動物行動学会で行われた「アリ」に関する研究発表がマスコミで取り上げられていた.

えさ場に仲間を誘導するフェロモンの感知能力が完全であるアリだけの集団よりも,その能力が低いアリを含んでいる集団のほうがえさの獲得量が多かった,という結果.

報道のタイトルには「はみ出し者」とか「優等生集団より稼ぎ多い」などとあるが,この言い方はどうかと思う.「フェロモンの感知能力が完全=優秀」というのはあくまでも「フェロモンの感知能力」について「優秀」なのであって,「フェロモンの感知能力」がアリの優劣そのものを決める要因の全てはない.実際,アリは「フェロモンの感知能力」の低い個体を「はみ出しもの」にしていたとでもいうのか?

報道にもそのことについては(研究者のコメントとして)一応ちゃんと書いてある.ーー能力の低いアリは無作為に動き回るため、新たなえさを見つける機会が増えたと想定されるというーーと.つまり,集団の成果を向上させるためには,決められた道を忠実に歩く能力の他にも,無作為にいろんな可能性を試す能力も必要だ,ということだ.

とはいえ,あいかわらずフェロモン能力だけに注目して「能力の低いアリ」と書いていることろが気に食わない.マスコミはきっと「能力の低いアリ」の意外な効果を強調したかったのであろう.せっせとえさを運ぶアリの姿が,今の日本人像にぴったりくるからなのかもしれないが,「決められた道を忠実に歩けなければ低能力」と決めてかかっているその固定観念(あるいは一般受けしそうなフレーズ)が,今の日本の世の中を悪くしている根源であると思う.そりゃ,最初にえさを見つけたやつが一番偉いに決まっているじゃん.だから,門外漢の私がこういっちゃ悪いんだけど,日本のマスコミ受けした今回の研究も,論文のタイトルの付け方もこんな感じだったら,フロンティアスピリットたっぷりの外国のレフェリーがみたら「そんな解釈が通用するのは日本だけ」と一蹴されるかもしれないよ.

当のアリの研究者は,そんなつもりは全くないハズ.私としては,「えさを見つける能力」の高いアリに注目した研究結果もみてみたい.さらに,できるなら,アリさんたちから,どのアリを一番尊敬しているかも聞きだしてもらいたい.私は,人間が「優等生」と勝手に決めつけた「フェロモン野郎」は,アリ達自身の間では評価は低いと予想する.逆に「フェロモン能力」の低い個体がやっぱり「はみ出し者」扱いされていれば,それはそれで面白いけど.

それにしても,日高敏隆教授が初代会長だっただけあって,動物行動学会って結構面白そう.今後もぜひ,学者らしく客観的に「能力」の評価基準を,未知を開拓することの意義を忘れた日本人に示して行ってほしい.

パイオニアがいない社会は,結局負けるのである.しらせの問題しかり,大学評価の問題しかり…アリに教わらなければ学べない日本人っていったい…


太陽の活動

低緯度でオーロラが観測された前回を上回る規模のフレアが発生したらしい.

NOAAの地球観測衛星が搭載するセンサーの計測能力を超えたというからすごい.

しばらく様子をみるために,トップページの左コラムに10分ごとに更新されるインジケータをリンクしておくことにする.


無題

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風邪?

札幌と富山の気候差に対応できず,体調不良.


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