ラックモデル

3Dプリンタを購入してほぼ2か月が経過しました。時間を見つけては、使い方の習得も兼ねて、自前のサーバーラックを作ってきました。写真は、試行錯誤の末にようやくたどり着いた現在の最終形です。ずいぶん大きく見えるかもしれませんが、実際の幅はわずか5インチ。一般的な19インチラックの、なんと約4分の1サイズです。
 コロナ禍から昭和基地での越冬期にかけて使い始めたRaspberry Piが、あれこれの実用用途や実習素材として、いつの間にか10台近くまで“繁殖”していました。まだ半導体関連機器が高騰する前のことで、比較的手頃に購入できた時期のものです。今になってみれば、あの頃にそろえておいてよかったのかもしれません。
 一方で、機器が増えるにつれて、サーバーやルーター、電源、SSD、ケーブル類が雑然とたまり、いつかきちんと整理したいと思い続けていました。最近では、実家を遠隔管理するためのスマートホームサーバーも構築しており、全体をもう少しシステマチックにまとめたいとも考えていたところなのでした。
 ネットで公開されている既存の3Dプリント用ラックモデルをあれこれ試した結果、10インチ規格の「LabRax」、そのハーフサイズにあたる「Mini Lab Rax」、さらに引き出しのように機器を収納できる「RackMod」の組み合わせが、自分の用途には合いそうだと分かってきました。
 昭和基地では、VLBIや衛星受信観測機器のラックを整理した経験があります。その際に学んだのは、ラックを組むうえでは、電源ユニットの配置、ネットワーク用パッチパネル、機器のマウントサイズ感、レールによる引き出し機能、そしてパネルに収まりきらない部材用のあそびスペースといった、基礎的な要素を先に整えることが大切だということでした。その意味では、サーバーやルーターといった主役級の機器は、ラックという基盤の上に収まる“客室のゲスト”のようなもの。今回の構成では、電源系とネットワーク系を限られたスペースにすっきりまとめるために、PoEハブに電源供給とスイッチングハブの役割を集約したところが、ひとつのポイントになっています。
 研究室、役員室、実家、自宅と、それぞれに置くものを作っていたら、ラックの方もまた、あれよあれよという間に“繁殖”してしまいました。どうやら3Dプリンタは、物を整理するための道具であると同時に、新しい物を増やすための道具でもあるようです。