日々の雑感
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ゼミ合宿最終日。普段なら真夏でも冬の香がする襟裳岬に、フェーンのような熱風が吹いていました。この先の荒波を乗り切るためにもう少し充電期間が欲しい気もしますが、とりあえずこれで私の夏休みは終了です。
日高山脈国立公園制定記念式典
十勝平野でのゼミ合宿2日目は中札内村を中心に日高山脈関連の場所を訪問しました。ちょうど村の文化創造センターで日高山脈国立公園制定記念式典が開催されるというので、その講演会の部を聴講するのがメインイベントでした。その前には日高山岳センターにも寄ってしっかり予習もしてきました。どこでも「北大山岳部」関連の展示がその場を席巻していたのが印象的。
講演会では、若手の飯田君がペテガリ山頂から歴舟川河口までを人力で下るという最新の山行を報告していましたが、その内容はなかなかのもの。砂防ダムなどの人工構造物が皆無という、昨今の日本では非常に希有な存在となった自然河川だからこそ可能な企画だと思います。後半の松田さんのお話も「日高山脈登山史〜AACHの栄光と悲劇〜」とでもいえるような内容で、すっかり聞き入ってしまいました。東京育ちのうちのゼミ生たちには今後のゼミ活動にむけておおいに刺激になったようです。
北海道の始祖開拓者
誕生日のお祝いをいただいた皆様どうもありがとうございました。今年もゼミ合宿で北海道に来ています。日高山脈が国立公園になったことを取り上げて、ゼミ生たちに様々な社会学的問題に切り込んでもらいます。まずは十勝開拓の祖「依田勉三翁」とAACHの大先達「坂本直行さん」にご挨拶に参りました。幸いなことに悪天予想が大幅に外れて、夏らしい好天候に恵まれました。
「氷河地質学伝道」のための曼荼羅
この春から学部の役職についたのでゼミ以外の授業は免除されているのですけれど、それが決まる前から依頼されていた大学院の集中講義だけはやらざるを得ず、久しぶりに本業の「氷河地形」と向き合う「濃い5日間」を過ごしました。
シラバスに指定した教科書は岩田先生の「氷河地形学」。東日本大震災の年に出版されて、もうあれから13年もたってしまいました。この書評を頼まれて研究室のワープロに向かっていた最中に、あの揺れがちょうどやってきたのでした。
かつて私が別の洋書を書評した際に筆が滑って「古くさい教科書はいらない」と書いたために、岩田先生はこの教科書の執筆を一時は断念しようとすら思った、という衝撃的なことが前書きに書かれているのです。3.11発生当日の私は、岩田先生がご自身の逡巡を乗り越えて無事にこの大著を出版されたのを目の前にして、かつて生意気なことを書いてしまった言い訳をつらつらと書き出していた最中だったのでした。そんな、はずかしくも世紀の大災害と重なった思い出深い私の書評は、J-Stageのこちらで読むことができます(https://www.jstage.jst.go.jp/…/4/84_377/_article/-char/ja)。
さて、肝心の講義のほうですが、地理学を専攻する大学院生という、普段やっている社会学部の授業に比べたら100倍くらいガチな場を与えられて、この激務の合間に乗り切ることができるかどうか非常に心配でした。でも蓋を開けてみれば、かつて北大でやっていたときの感覚もすんなりもどってきました。自分の本来の研究にたちかえることもできて、心地よい時間を過ごすことができました。さらに、岩田先生のこの大著も、年月の流れにはあらがえずに古くなってしまっているなぁ、と感じるところも多々あり、最新成果を取り入れた改訂の必要性も感じたりしています。こんなことを書いてしまうと、じゃぁお前がやれ、という声が飛んできそうで怖いのですけれど...
そういうわけで、集中講義では、この本以降の最新成果も取り込んで、というところも意識しながら授業を進めました。私の研究室には、この前の南極越冬明けに広報担当としてやってきた「ふじ」の学芸員である山口真一さんが撮影した写真をひきのばして飾っています(こうして、タペストリーにしておくと、南極授業や講演会などの際に背景にしたりもできるので重宝しています)。最初にしらせの上でこの写真を見せてもらったときに、科学写真としても第一級の作品だと直感的に思いました。この写真はSNSで大変好評を博していて一般にも受けがよい傑作なのですけれど、ちゃんとこの写真を解説できている説明は残念ながらまだ見たことがありません。
講義の中では、この写真一枚だけをスクリーンにずっと投影させて、小一時間ぶっつづけでしゃべりたおしました。氷河地質学の専門の目で見れば、それでも語り尽くせないほどの情報量とストーリー性を持っている作品だと評価しています。小一時間しゃべった内容をまとめたら、短い論文一本分ぐらいにはなるかもしれません。
かつて立山信仰の伝道師たちは、山に登ることができない信者たちのために、立山周辺を天国と地獄にみたてた曼荼羅図を携えて布教に回ったといいます。このタペストリーはいわば「氷河地質学伝道」のための現代の曼荼羅なのだという気持ちでいます。自分の実家の稼業をどうするかはまだ未解決ですけれど、伝道師としての血筋は争えないのかもしれません。
なんちゃってマントルピース
春学期末の怒濤の二週間がようやく終わりました。3連日の八王子市いちょう講座にはじまって、文学部地理学科の大学院のための集中講義に丸5日を費やし、その合間に学部移転関係の多摩キャンパス問題の調整業務やら役職会議やらで市ヶ谷と多摩を行ったり来たりの日々でした。
そんな日々のストレス解消と学部内コミュニケーション促進のためにはじめた学部長室開放計画の一環で「なんちゃってマントルピース」の作成にDIYでトライしていたのですけれど、このたびそれが、なかなかいい感じで完成しました。まるで夏休みの工作の宿題を終えたような気持ちでいます。
実はこれ、書類キャビネットを土台にして、百均やそのへんにあった材料を適当に貼り付けただけなので、元手は千円もかかっていないのです。いまどき珍しくなった丸型の金魚鉢を置いて清涼感を演出。中には先月に立ち寄った小樽で仕入れてきたガラス細工の金魚を浮かせています。
明日からは、地方で開催される大学後援父母懇談会のために出張です。いつになったら休めるのやら...
YAMAP流域地図
このYAMAP流域地図をさっそくのぞいてみました。知っていた気になっていた水系が実際には意外な形だったりして、どんどん時間が溶けます。
Polarmanshipとは
毎度のことながら、三浦さんは〝熱い!
まだ後半に続くようなので「Polarmanshipとは何かの、三浦さんなりの正解に期待したいところです。
【新着記事】南極経験者同士の会話の中で時折聞こえる “Polarmanship” という言葉について。
ㅤ
一言では説明できないその単語の意味や由来を、「測る」ことに情熱を注いだ先人たちの背中から紐解くエッセイです。
ㅤ
▼エッセイ「測る」(極地研元広報室長 三浦英樹)#ウェブ極
https://kyoku.nipr.ac.jp/article/1060
まだ後半に続くようなので「Polarmanshipとは何かの、三浦さんなりの正解に期待したいところです。
【新着記事】南極経験者同士の会話の中で時折聞こえる “Polarmanship” という言葉について。
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一言では説明できないその単語の意味や由来を、「測る」ことに情熱を注いだ先人たちの背中から紐解くエッセイです。
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▼エッセイ「測る」(極地研元広報室長 三浦英樹)#ウェブ極
https://kyoku.nipr.ac.jp/article/1060
63次越冬隊記念日
本日は63次越冬隊記念日です㊗️。わざわざこの日を選んで入籍した若手隊員もいて隊長としては嬉しい限りです。私も、おめでたい彼が撮影した傑作の写真を引き伸ばして殺風景な学部長室を南極ジャックしました。なかなかいい感じです。ラバちゃんおめでとう🎊🎉
Hokudaiのトトロの話
いいね!Hokudaiのトトロの話(https://www.facebook.com/Like.Hokudai/posts/pfbid0vcaKr1cEvjwKJqSyZ3o7YsNy9cCnarE6DWGxuYRrBDXNDw6msTQki68z64DFs8TEl)に関連して、私が学生時代にお世話になった下宿先は「おばけ屋敷」と呼ばれていた和洋折衷のモダンな邸宅でした。これがまた、めいとサツキの家とそっくりなんです。朝日新聞札幌版の「さっぽろレトロ建物グラフィティー」にも登場したこともあります。
帰り道、三人は歌をうたった。
おそくとも、秋には母さんは退院する、もしかしたらもっと早く家に帰れるかもしれない。先生がそうおっしゃったのだから、たしかなことだと、父さんから病室できいたのだ。
みやこぞやよいのくもむらさきに
はなのかただようゆうげのむしろ
父さんは父さんの歌をうたい、
しろやぎさんからおてがみついた
くろやぎさんたらよまずにたべた
子どもたちは子どもの歌をうたった。
宮崎駿 作・久保つぎこ 文『小説 となりのトトロ』(徳間書店1988, pp87-88)
帰り道、三人は歌をうたった。
おそくとも、秋には母さんは退院する、もしかしたらもっと早く家に帰れるかもしれない。先生がそうおっしゃったのだから、たしかなことだと、父さんから病室できいたのだ。
みやこぞやよいのくもむらさきに
はなのかただようゆうげのむしろ
父さんは父さんの歌をうたい、
しろやぎさんからおてがみついた
くろやぎさんたらよまずにたべた
子どもたちは子どもの歌をうたった。
宮崎駿 作・久保つぎこ 文『小説 となりのトトロ』(徳間書店1988, pp87-88)
南極周辺の海氷の異常な減少
2023年の南極周辺の海氷の異常な減少は私も越冬帰国報告であちこちで紹介してきましたが、BASがこのたび出した論文によると、気候変動の影響がなければ2000年に1回の確率でしか起こりえない事象で、気候変動の影響で4倍も起こりやすくなった、ということです。
2023年の減少がどれくらい異常だったかというのはこちらのグラフを見ると一目瞭然です。
2023年の減少がどれくらい異常だったかというのはこちらのグラフを見ると一目瞭然です。