日々の雑感 一覧

南極地域観測隊中日記

本日これが届いて早速読み始めているところです。「中日記」というのは浅学寡聞にしてあまり聞いたことがありませんが、「船中日記」というジャンルがあることからすると「Log」「Journal」の意味を汲んでのことかな?と想像しています。「探検記」や「探検日誌」にしなかったのはどうしてだろう?という気もしますけど、「船中日記」にしてはオングル島に上陸中の記述もあるので「船中」でもないし、また「探検」や「冒険」というを嫌っていたお方でもありますので、それを避けたかったのかもしれません。機会があったら編者の白石さんか浜名さんに聞いてみようと思います。
 まだ一次隊の章を読んだだけのところですが、これまでに出版されているものよりもずっと、永田隊長の人選基準や組織観がよく分かるように思います。自分の実体験からすると、一夏だけでJAREを知ることはできません。一冬でもまだまだです。JARE黎明期は特に、1・2・3次でひとセットとして見るべきだと思っています。この3つを通して率いてこられた永田隊長の「中記」を3次分通しで読むことができるというのは非常にありがたいです。今読んでいる一次隊の頃の考え方が、この先二次三次となるにつれてどう変わっていくか、という点にも注目しながら読み進めたいと思います。

山ちゃんR.I.P.

山崎哲秀さんの、悲しいお知らせです。

月曜日に、久しぶりにSHIRASE5002へ行ってきました。目的は昭和基地の図書室から一括で持ち帰った書籍群の行く末を見届けて今後の活用法について考えるためです。
 JARE63越冬中の大仕事として管理棟内の図書・庶務室を会議スタジオに改装するミッションがありました。基地開設以来六十数年ともなると昭和基地所蔵の図書数は膨大になります。しかし、最近ではネットでも論文や資料をダウンロードできるようになってストックへの依存度が低くなってきたことに加えて、これ以上書籍を追加していくスペースが足りなくなってきていました。そこで今回の改装工事を期に、必要最小限の蔵書だけを残して全てをいったん日本に持ち帰ることになりました。
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棚氷の底面融解

南極氷床融解の危機感はいろんなところで話してきたけど、これを読んでもらうのが手っ取り早い。棚氷の底面融解についてはJAREも海中ロボットを投入したりトッテン氷河の集中観測をしたりして頑張っているんだけど、上には上がいますなぁ。研究競争の激しい最先端に食い込んでいるとみるか、後塵を拝しているとみるべきか...

極地研創立50周年事業募金の返礼品

極地研創立50周年事業に募金していたその返礼品として、JARE63夏に解体した旧電離棟の壁材が送られてきました。ちょうど手元に旧電離棟で使われていた「南極プラグ」があったので、それを土台にしてみたら、これがピッタリはまって返礼品の額縁をみごとに直立させることができました。
 実は、旧電離棟の解体作業は私の隊が到着してすぐに取りかかった仕事の一つでした。夏作業の見回り中に作業場を通りかかって、そのときに廃棄物集積場に打ち捨てられていたプラグを記念にと思って拾ってきていたのでした。返礼品に使われている壁材のほうは廃棄物コンテナに詰めて国内に持ち帰りとなっていましたが、今やフレームの中に収まって募金への特典として有効利用されています。そしてようやく、一緒に使われていたプラグとここで再会したわけです。額縁ごしとは言え相性がピッタリなのも当然なのかもしれません。
 さて、解体された旧電離棟をはじめとした昭和基地の建屋の多くは、南極の厳しい自然の中で少人数の素人でも建屋を頑丈に組み立てられるようにと開発された「元祖プレハブ」でできています。この「南極プラグ」は、短期・少人数で組み立てるための工夫の一つなのでした。壁材パネルの接合部に取り付けられているフックどうしを挟むようにして引っかけるだけで隙間なく板を接合できる優れものなのです。
 昭和基地の初期に建てられた旧電離棟で使われていた南極プラグは文鎮なみの重さの大ぶりなもの(写真右)でしたが、それ以降のものは簡素・軽量化がはかられて(写真左)、より扱いやすいものになっています。

南極における研究・運用機器の損失

「南極における研究・運用機器の損失:科学の進歩と環境への影響のバランス(タイトル和訳)」Journal of Environmental Management 348 (2023) 119200.
という衝撃的な論文がでているのに気づきました。
https://www.sciencedirect.com/…/pii/S0301479723019886
南極で恒久的観測研究拠点の存在が一般的になった1950年代以降、人間の活動が南極の広範囲にひろがってその期間も長期的となってきました。その結果、海洋や陸域に科学活動やその支援活動に使われた機器が故意または不注意に紛失することも起きています。本論文は、そうした紛失機器の量と性質について、英国南極局(BAS)が2005~2019年の15年間に紛失した分(125件・約23トンの紛失)に関して報告しているものです。
本論文はBASの活動に絞った調査結果なのですが、なぜか、北大低温研の杉山さんと私とで2015年にスペイン基地の近くで実施した調査を報告した論文も引用されています(それでこの論文に気づいたわけでもあるのですが)。
先日、「南緯65度での観測」というドキュメンタリー番組がNHKのBSで放送されていたのを見ました。2019年に9人の若い研究者たちがヨットで南極の海岸や海中の調査を行った44日に及ぶミッションの記録です(https://www.nhk.jp/…/ts/88Z7X45XZY/episode/te/Q6VPVGQ5PG/)(11月16日に再放送あり)。この中でも、廃棄物まみれで放棄された古い観測拠点をみつけて、たまらずゴミ回収をする様子が記録されていました。
この論文に引用された観測に関与した身として他人事ではすまされないのは確かなのですが、日本の南極観測にも関わっている身としても、この調査結果とそれに基づく提言には耳を傾けなければいけないと感じています。
以下、本論の最後にある提言を簡単に和訳しておきます。
<南極の環境状況に関する報告を容易にするために、各国の南極プログラムに対しても以下を推奨する>
・フィールド調査を可能なかぎり促進するために、既存の調査ステーションの能力を最大限に有効利用し、新たなインフラ建設やそれに伴う影響の発生を減らすこと。
・各国の南極観測計画が南極条約の要求事項を遵守すること。
・過去の活動場所を積極的に記録し、紛失した機器などの詳細を把握できるようにする努力を促進すること。

日高山脈国立公園化へのパブコメ

環境省:日高山脈及び襟裳岬並びにその周辺地域を構成地域とする国立公園(名称未定)の指定及び公園計画の決定並びに日高山脈襟裳国定公園の指定の解除及び公園計画の廃止に関する意見の募集(パブリックコメント)について 令和5年11月9日(木)から12月8日(金)まで

https://www.env.go.jp/press/173074.html


8月22日は「ジオパークの日

本日8月22日は「ジオパークの日」。2009年の今日、日本で初めて世界ジオパークが誕生したことを記念して制定されたそうです。ゼミ合宿でその本拠地に来てますけど、地元は意外にあっさりしたもんです。とにかく暑くて汗だく。

ゼミ合宿を再開

コロナ~南極のブランク3年を経てゼミ合宿を再開。避暑も期待して北海道にやって来たのだけど、なにこの暑さ!モヤッとした湿度感も異常!逃げようともしない昼間の鹿の群れもなんだか違和感だし。

インバウンド向け雪崩事故対策

なかなか読み応えがあります。
『…近頃のスキー場の安全対策はインバウンド向け(訴えられないように)にFISルールや規則に則った安全対策、規制物の設置などを行うようになってきた。
彼らは文化が違う、事故が起こった時にどのような安全対策、管理を行なっていたのか問われた時に
「感覚でやっていました」では通用しないだろう…』

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