北大での仕事 一覧

地球環境科学研究科最後の日

春うららの東京から帰札.いきなり雪.一年前も同じことを書いていた.

たまったメールの処理やら,支部の仕事やら,講座の仕事やら,帰札してからいきなり事務作業に忙殺される.


修了式

この季節に大雪.晴れ着の卒業生・修了生には大変な日よりとなった.

出て行く前に,それでも学会発表はすませていきたい,という修了生のために,ギリギリになってポスター印刷.こういうときに限って紙切れ.

夕刻に突然院生に誘われて飲み会.これで四夜連続.

かつては,院生ともなれば,自分の能力は別として,いっぱしの研究者気取りで「研究に対する意識のうえでは教員とも互角だ」ぐらいに思っていたもんだと思うが,最近の院生はどうもそうではないらしい.ほめすぎてもけなしすぎてもいろいろ問題が出る.達成度みたいなものをきちんと正当に評価してあげられればよいのだろうけど...指導とはなんとも難しい.

でも,今夜は修了生達と胸襟を割って話すことができて良かった.自分でもかつては同じように修論やD論でやったことの評価に不安を抱いたり悩んだりしていた時期があったことを思いだすことができた.そのことを思えば,今夜吐露された修了生たちの気持ちは至極まともなんである.

そういう私だって,いまだに自分の仕事を自己評価し,評価されることを強要される状況にある.職業柄,人を評価する立場であると同時に,評価される重圧に耐えながら過ごしていく日常であると言ってもよい.そういう人生を選んだ以上は仕方のないことなんだけど,逆に,そういう世界で過ごしているうちに,評価ということに対して擦れてきていたところがあるのかもしれない.今夜は若い人たちがどういう評価のされかたを欲しているのかを知ることができて,我ながら初心を取り戻すことができた.

修了生たちの研究成果は完全ではないかもしれないし,内輪受けはしたけれども本質的なところではどうなんだ?と問われて言葉につまってしまうこともあるかもしれない.そう言っては修了生達に怒られるかもしれないが,けれども,修論生たちがかいま見せてくれた可能性に心躍らされたところがあることだけは確信を持って言える.

その夢を一緒に確実なものにしていくための研究パートナーとしての関係を築いて行くことができれば良いに越したことはないけれど,社会に出て行くことを選んだ彼らにそれを言っても詮無いこと.悩みつつもなにかをやったという実感を得てここを出て行ってもらうのが,大学院教育を生業としている者の一番の楽しみでもあり喜びでもある,としなければならないわけだ.

残された者としては,その後始末というか,彼ら・彼女たちの思いを形にしていく責務がある.良い夢を見させてもらったら,それだけ別のたいへんさを引き受けていかなければならない,ってことなのかもしれない.

「さん」じゃなくて「先生」とよぶ院生がほぼ100%になってしまったことにふと気付く.私が院生だった頃からの古株も今期ですっかりいなくなってしまったし,院生と共同戦線を張る若手助手の時代ももう終わってしまった.でも,「先生」と呼ぶ彼らに触発されて初心にかえって考え直すことは続けていきたい.それは,ループする人生ではなくてスパイラルする発展系の加齢過程であるんだろうけど...

修了者のみなさんの今後のご発展を祈念しております.


ほんとの追いコン

身分保障のための雑務などで奔走.講演会のことをすっかり忘れていてブッチしてしまった.

夕刻より.地球生態学講座の古株が集まってたこ焼き・広島焼きパーティ.これがほんとの意味での追いコンなんだろうな.

それぞれの明るい未来を祈念.


レンジャー

昨日は都立大で開催された「レンジャー・サブレンジャー養成教育のための公開研究会」の講師として招かれ,講演.それで,今日帰札.

海外出張中の渡邉さんの代理で発表したわけだが,内容上,過去三年間のガイドコースの集大成みたいなことをやらされて,一応総括じみたことをやってみた.もちろん,外部向けの講演なので,内部のドロドロはおおっぴらにはできなかったけど,それなりに自分ではケジメをつけることができた感じ.

米国でがんばっている会田さんの活躍の様子を聞くこともできたし,聴衆の一人としても楽しませてもらった.


最後の追いコン

地球生態学講座としてまとまったものとしては最後の追いコン.

あいにく,教授二人は体調不良で欠席または部分出席.まあ,最後の分裂・消滅らしい追いコンではある.

残された在学生は残務処理対象となったわけであるが,かくいう私も残務処理対象者を経験した口なんである.

旧環境科学研究科から現地球環境科学研究科になったのが12年前.そのときに,環境基礎学講座が現・地球生態学講座に移行したわけであるが,私は基礎学講座の残党として残務処理対象となった.それも昭和基地にいる間の出来事.

当時は,残務処理対象としての悲哀感は全くなく,むしろ,伝統ある環境基礎学講座の流れをくむものとしての自負があった.地球生態学講座には,新しい組織としてどこまでできるのかお手並み拝見,という感じで高見の見物を決め込んでいたくらいである.

どこでどうなったのか,その地球生態学講座の助手に採用されて実際に院生の指導にあたることになってしまったのは運命のいたずらとしかいいようがない.こうして地球生態学講座が消えゆこうとしている時に,再び昭和基地に向かおうとしてるのも不思議な運命の巡り合わせ.

さて,今の残務処理対象者に,消えゆく地球生態学講座所属者としての自負を持ち続けていてもらえるかどうか,と問われると怪しい部分も多いのである.自分としても「自負を持て」といいきれないところが悲しい.

とにかく,無事修了できた院生のみなさん,おめでとう.


最初の弟子のつもり

先日東京で開催された寒冷地形談話会の卒論・修論発表会で,うちのM2も発表した.氷河地質に関する研究のほうに,都立大の先生から過分なお褒めの言葉をいただく.

斬新な手法を導入した教授の指示,そして本人の努力と情熱の賜であることに間違いはないが,私としても自分のことのようにうれしく思った.この喜びは自分の生涯でも格別の感がある.

実は,当の修論生とは,院の受験前に私のところにメールで研究内容を問い合わせてきたのがつきあいの始まりであった.受験願書に,指導資格のない助手の私を指導教官に指定してあったのには驚いた.もちろん教授のほうに修正させたのだけれど,それ以来,自分にとっては初めての責任ある指導院生をとるつもりで対応してきた.だから,私はまだ弟子をとるというにはおこがましい立場ではあるけれども,この院生が自分にとって実質上の最初の弟子であると思っている.

修論が文章になって出てくるまでどうなることかとヒヤヒヤしてきたが,結局はなんとかまとまって一安心していた.私としては,自分でも勉強し直さなければいけないことも多く,その評価を客観的に下す余裕を失っていたほどである.

結局は,教授も太鼓判を押してくれる出来となり,しかも部外の大先生からもお褒めの言葉をいただくことができた.惜しむらくは,本人が就職してしまうこと.この成果を世界の舞台に披露できるところまでまとめることが,残された私の責務ではないかと思っている.

会社がいやになったらいつでも戻っておいで...


修論発表会

修士論文発表会.審査は明日.待たされるほうはつらいな.

強打した腕を病院で診てもらう.骨に異常は無し.さすがの医者も青あざにはうなっていた.

低温研の福井教授がいらっしゃって,ちょっと南極の話.

いろいろと気配りするためのメールの素案を作成.


通常有事

修論の提出は有事にて終了.いつものこと.

最終原稿をプリンタに送出して力果てたパソコンもある.伝説になるなこりゃ.

まだ発表審査が残っているので,それまでのつなぎに代替のパソコンをセットアップ.


Division name

来年度から担当することになる教育組織の英語名称が決まった.

Graduate Scool of Environmental Science/
Division of Earth System Science/
Course in Geoecology and Field Informatics

である.略して,ES/ESS/GFI,かな.

ちなみに他の3専攻は以下のようになる見込み.

  • Division of Environmental Science Creation
  • Division of Biosphere Science
  • Division of Environmental Materials Science

  • 世の中のESSはこちら.そして,日本のESSはこちら

    まだ中身は大して固まっていないんだけど,こうして名前が決まると,なんだか気が引き締まる思いがする.

    起学のほうは,Creationって語を使っているんだけど,どうも私には「Creationist」が起想されてしまって,サイエンスをやってる組織名にはあまりふさわしくないんじゃないかと思えて仕方がない.「Science Creationでノアの洪水を研究してます」なんて自己紹介したら,絶対に誤解されるだろうな.「...でも私は仏教徒です」っていうオチは用意しておくんだけど...実際のところ,Creationってのは英語ネイティブの人にはどう聞こえるんだろうか?


    学会支部の会計の仕事を終えたと思ったら,担当編集の中に思わぬ伏兵が潜んでいて,その対応に負われる.

    もうどうにもならなくなって,締めきり間近の論文の共著者にSOSを送る.なんとか助けてもらえるようで,少し気が楽になった.でもちょっと情けない.


    プレスリリースした以上は

    発表原稿の作成.

    文献を収集しに地物の図書へ行ったものの,製本準備中で入手できず.

    夕刻,北見の榎本さんが来て,うちでやっている写真測量ソフトで氷河の流動を計測する試作モデルをみせる.

    来年度からの「学院・研究院構想」は,学院のほうでは「地球」がとれて昔の環科研にもどったように見えるところがミソなのだろう.昔と違うのは,「環境」という教育項目に対して全学的な院生指導体制をとることができる点であり,文系の協力も視野に入れているんだろう,ということは容易に想像できると思う.

    プレスリリースした以上は,いろんなところから関心が向けられることになることは必定.その点では今やホームページは重要な広報手段になった.それに院生集めも重要な目的としてある.新体制がどうなるかを早めにホームページで明らかにした方が良いと思うんだけど,その気配は全くない.研究科広報の方針はどうなっているんだろうか?

    実際問題として,様変わりすることが決まっている組織の情報を何事もないかのように掲示し続けるのも誠意あるやり方ではないような気がして,管理者としては随分と気にかかるところなのである.

    戦略的なしたたかさからいっても,いち早く手を打つべき項目だと思う.このタイミングでのプレスリリースのねらいがどこにあるのか,今一不明.

    やっぱり,大学の主役は学生である.いまどきの学生心理をくみ取ることや,彼らの利益を優先する配慮がもっとあってしかるべきだと思うぞ.


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