世界一の標高差を実体視

年次総会後のお決まりの始業処理.今回は大幅な改革があったので,何かと処理しなければならない事項が多い.ごちゃごちゃやっていると,あっという間に時間が過ぎる.

ヒマラヤ東部のALOS PRISMデータが届いた.さっそくLPSにかけてみる.追加料金1万円のRPCのおかげで評定もなしで一発で実体視までもっていける.こりゃ楽ちん.世界最高峰のピークとその周囲の谷との標高差5000mを実体視するのは,なかなか快感.


50周年

雪氷学会北海道支部設立50周年記念行事.支部総会にはじまって,新期理事会,学会長ほかを招いた記念式典,宇宙と南極に関する最先端の科学の講演,祝賀会,と,てんこ盛りの一日.

北海道支部が設立された当時,タロ・ジロが生き残っていた朗報を南極観測隊が持ち帰ったばかりで,支部設立総会の会場に,できたてホヤホヤの記録フィルムが朝日新聞の社用車で運ばれてきた,というエピソードを聞く.雪氷研究の本拠地でもある北海道に設立された支部活動への期待が大きかったことが伺われる.

別会場を設定しに中座して,講演会は全部聞けなかったけれど,これもまたおもしろかった.学生・院生にも是非聞いて欲しい内容.でも残念ながら若い聴衆は少なかった.こんな面白い話をただで聞けるというのにもったいない.さんざん宣伝したにもかかわらず,それでも来ないというのだから,いったい彼らの興味はどこにあるのか,ほんとに気が知れない.

50周年ともなると,我々の世代がまだ生まれてもいないころに始まったことになる.自分たちが50年間やってきたわけではないので,ただただ,先人の偉業を偲んで,その系譜の末端にいるありがたさを感じるのみ.

私自身の話として,研究内容じゃなくて,こんなのを仕切ることばかりうまくなってもしょうがないんだけどなぁ,と思うこの頃.


突然のつながり

突然,Erlingsson教授から,昨年11月に書いたエントリーを読んだ,とメールが来た.日本語はさっぱりわからないけど,氷河や第四紀に興味があるみたいだから最近の論文も一緒に送る,と書いてあった.

つまらぬBlogでもいろいろ書いてみるもんですな.早速,お礼をかねて,我々がやっているProject-Mの概要とぼちぼち出はじめている成果について返事しておいた.

そういえば,教授の「Captured Ice Shelf仮説」をちゃんと再検討しなきゃいかんね.


サンプル探し

とある出版社から臨時に原稿を頼まれて,読者層のあたりをつけるための参考にしようと,バックナンバーを探しに本屋へ.

思い立ってから出かけられる範囲に書店がそろっているありがたみを実感.


細かすぎの議論

連休明けですかさず定例の教員会議.ルールにこだわるほど,実は運用には無頓着だったりする.ルールとは理念実現の方針であり,運用とは現実を理念に少しでも近づけようとする行為だというのに...

妙に実施前のルール作りにうるさくなる傾向がある背景には,「一度始めたら変えようがないかも」という危惧意識と「ルールや理念作りとは初動体制を決めること」という勘違いが根底にあるように思う.結局は,運用者を信用できないから「始めが肝心」と思っちゃうんだろうな.


そこへ行くべき者

越冬中に「 ここに来るべきもの」というエントリーを書いたことがある.要は,南極観測の基本はなんといっても研究・観測にあるのだから,より多くの研究者が自らすすんで来たくなるような環境作りを目指すべき,という趣旨.この背景には,「新しらせ」の就航や観測隊発足50周年の節目を迎えて,「開かれた基地・観測隊以外の人も南極へ」という展望が出されていることがある.

いよいよ新しらせが就航する今年,「学校の先生を南極に」というプログラムも開始される.まさに上記のスローガンが実行に移されようとしている瞬間でもあり,これ自体は大変良い企画であろうと思う.

一方で,開かれた基地・国際化・開放によって逆に明かされる観測隊の裏事情,などに対してどれだけの施策がなされようとしているのかは,まだよく見えてこない.もちろん,日々の業績やエフォートに汲々としている研究者への参加アピールもなさそう.

昨日までの南極大学の実習に参加していた院生から,南極観測に関わりたい,という情熱が吐露されるシーンがあった.院生であるという前提から,当然研究者として参画したいのだろう,と受け取ってしまうのだけれど,実際のところ,院生レベルで研究第一に南極を考えていることなどそうあることではなく,「南極に行ってみたい」という純粋な希望が根底にある.そういう気持ちを保ちながら,研究者の裏事情もそれとなく教授しつつ,南極観測参画への道を説く難しさを痛感した次第.

一方,セルロン隊で活躍されている阿部幹雄さんの様子や,気水圏担当隊員として現在昭和基地で越冬されている「日本で一番空を美しく撮る男!武田康男先生」のご活躍の様子(こことかこことか)などをみるにつけ,それなりの人生を積み重ねてきた『達人』が,その能力を伸ばし,活用し,次の展開に向けて新たな題材を仕入れる場所として南極観測隊を利用しきっているんだなぁ,と,つくづく感心してしまうのである.「観測隊そのもののありかた」といったディープでダークな課題など,利用する側のパワーでどうでもよくなってしまうくらいのオーラだ.もしかしたら,門戸開放の効果は,こういう側面から出てくるのではないかと思った.

研究者からそういうオーラが出てきそうな兆候を見いだせないのが残念だけれど,私自身としては,ブツブツ言っているだけでじゃなくて,そういうふうに観測隊を利用し,しゃぶりつくしてみたい,と思うようになったし,そういうことが出来るような自分を作るためにも,日常の生活の中で自分らしさの「何か」を積み重ねていきたい,と感じ始めているところ.また,次世代の育成を担っている立場としても,南極観測隊をとりまく人生模様,みたいなことも,しっかり伝えて行かなきゃいけないんじゃないかと思ったりもした.

こういうことに気づくのに随分遠回りをしてきたような気もする.


実習二日目

image実習二日目.ロープワーク講習が中心.


野外実習

imageパラダイスヒュッテで国際南極大学の実習.天気図の書き方,野外行動技術,雪崩ビーコンの使い方,小屋の生活など,初日からびっしりの内容.

今回初めてお誘いを受けて参加したのだけれど,新M!のいない身としては,フレッシュな院生と交流できるのがなによりも嬉しい.


連休前

明日から連休.休み明けの仕事にそなえてあれこれ.途中から引き込まれて,いつの間にか面倒な役回りをさせられるという.例のパターン.


春ウララ

週末に雪が降ったと思ったら,今日は20度を超える暑い日.桜のつぼみもふくらんできた.久しぶりに研究室の窓を開けて仕事.小鳥のさえずりや草のにおいが心地よい.


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