日没
正月2日から,スカルブスネス・西オングル・スカーレン・テーレン,と渡り歩いた20日あまりの露岩調査の旅を終え,22日にしらせに帰還,23日に昭和基地入りを果たした.
白夜の夏も終盤となり,20日ごろから真夜中の一時間ほどだけ太陽が沈むようになった.これからドンドン夜の時間が増えていく.南極はもう秋だ.
グリーンフラッシュでも見られるかな,と期待して冷え込むしらせの甲板でレンズを構えていたら,日没後におもしろい光が撮れた.水平線の太陽から伸びる赤い光の柱がそれである.
夜,ともなれば主役は月.夕日に染まったラングホブデの名峰「長頭山」に半月がよりそっていた.
「長頭山」のこの独特の形ができたプロセスには,未解明な部分も多く残されており,氷河地質屋としての私の興味を最もそそる山なんだけど,そんなやぼな話はあとにして,まずは深夜の南極がおりなすの美しい姿をお届けしたい.







あらためて地図で確認したところ,大和雪原はロス海に浮かぶ棚氷上にある.でも棚氷だと分かったのは最近のこと.加納一郎著『極地の探検』によれば,白瀬は,外務大臣に宛てて「南極で日章旗を立ててきたところは日本の領土であるからこれを政府に寄付する」という文書を出し,その後もたびたび大和雪原を日本領土と宣言するよう要望したが,政府は全くとりあわなかった,という.「海上じゃ領土にもできまい」と当時の政府が考えていたはずはないが,まあ日本とは当時から先見性が皆無な国だ.だが白瀬という個人がいたこともまた事実.白瀬は戦後GHQにまで嘆願していたらしい.ロス棚氷の東岸に白瀬海岸の地名がつけられているのは幸い.「やまとゆきはら」のほうはというと
そういえばHoffman教授が,講演の冒頭で,安定地塊のティライトについて早くから注目していた人として