幼児の自然な適応行動

image3才の息子は,実にうまくiPhoneを使う.ダイニングテーブルでパソコンに向かって仕事をしている私に「遊んでくれ」とカラんでくるときなど,彼にiPhoneを手渡しておけば,うやうやしく受け取っておとなしく退散してくれるので,ついついそれがごまかしの常套手段になってしまった.

今や彼は,50個ほど登録されているソフトのアイコンの中からお気に入りのゲームを探し出しすことができるし,YouTubeから子供番組を探し出して楽しむようにもなっている.あやしい動画に遭遇しないように聞き耳を立てながら仕事しているのだけれど,ついこちらのほうが見たくなるような面白そうな音楽が流れ出したりすることもよくあって,幼児とは思えないほどの彼の適応能力にはほとほと感心してしまうのである.

私が使おうと,夢中になっている息子からiPhoneを取り上げてしまうと,あからさまに不機嫌になってかえって状況を悪化させてしまう.そういう時には,代わりにPCでYouTubeを見せておとなしくさせるのだけれど,そうすると,お気に入りのYouTube番組を探し出すことができなくて,一つの動画が終わる度に代わりに操作して別の動画に切り替えてやらなければならない.iPhoneならば大人顔向けに使いこなせる彼でも,マウスやトラックパッドでポインターを繰ることを前提としたPCはまだ難しすぎるようだ.

こうして,3才児の自然なiPhoneへの適応行動を見るにつけ,iPhone風の操作スタイルこそが本来のデジタルIT家電のあるべき姿なんだろうなぁ,と思ってしまうのである.

というわけで,米国でiPadが発表された.息子に奪われてしまいそうなiPhoneを保護するため,というわけではないけれど,近未来のライフスタイルを感じるために買ってしまいそうな予感.iPhone慣れした息子なら,iWorkでプレゼンも始めてしまうかもしれない...と思ってみたり.


検討のほどよろしく

4月からの新入生が来札.卒論の出来具合に感心.別の会社からまた原稿依頼(というか共同執筆のお誘い).こちらは締め切りまで日がないので(しかも英語)受けないことにするつもり.

#なめてるつもりはないんですけどねぇ...ということで専門家の方々,データは揃えましたので,ご検討のほどよろしく.


原稿依頼

ある出版計画から原稿依頼.書けそうなことはすぐに思い浮かぶけれど,周辺項目との調整や裏取り作業が面倒だったり...でも引き受けることにする.


地形の年代

ナショジオのサイトにガンブルツェフ山脈の記事がのった.ここでも6/7に取り上げている.そのせいか,今日のアクセスはいつになく多い.

今回ナショジオのページに載っている図は初めて見るものだけれど,思っていたよりも詳細に山脈の地形が分かっているようだ.ただ,形成年代に関する議論はまだまだこれからという気がする.地形の形成年代というのは,最後にその形が形成された年代をいうのか,それとも,起伏のベースとなる高まりが形成された年代をいうのかで,大きく異なるからだ.氷の下であるとは言え,氷床による侵食は現在でも継続しているはずで,その意味では,形成年代は限りなく「今」に近い.でもそう言っては元も子もないので,大抵は,水系やリッジのパターンが認識できる程度のオーダーの地形を対象にして,それが形成された年代が議論される.でも,これがなかなか難しい.

image実は,我々も南極で地形の形成年代を探ろうと日夜模索を続けているところ.しかも,氷床からから露出していて,実際に見たり触ったり出来る地形だ.それにも関わらず,その形成年代の決定はいまだに解決していない.

地形には堆積地形と浸食地形とがある.堆積地形の場合は,その堆積物に含まれる年代資料を分析すれば,その堆積年代が求まるので,最も表層に近い物質の堆積年代をもってその地形の形成年代とすることができる.一方,浸食地形の場合は,基盤岩そのものの表面がいつ露出したのか,言い換えれば,現在の地表面がどれくらい前から表面に出ているのか,ということを明らかにしなければならない.

基盤岩の年代そのものは測定することが可能であるけれど,その年代はあくまでその岩石が形成された年代であって,表面に露出するようになった年代ではない.とくに深成岩や変成岩など,本来地中深部で形成される岩石の場合は,地殻変動などで地表に出てくるまでに相当の時間を要するから,岩石の形成年代と表面露出年代とは,時として数オーダーも異なる年代になることがある.さらに,地表面に出てきてからも,様々な浸食作用や風化が働いて,おおまかな谷筋・尾根筋が形成されるまでにもそれなりの時間を要する.露出年代そのものを推定する方法もないわけではないけれど,手法的に確立されている訳ではなく,検証や革新が続けられているまっ最中だ.

ガンブルツェフ山脈の形成年代の議論をフォローするには,このような論点を押さえておく必要がある.


長い眠りから目覚めた策士がみた近未来

家族がバタバタと病に伏せる中,看病がてら「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」のUSTREAMを見る.USTREAMははじめて見たけれど,twitterのようなつぶやき系の投稿システムと連携してマッシュアップしているところなんかは,大きな可能性を感じた.

実は同じようなシステムを私も作ったことがある,まだストリーミングが個人レベルでは簡単にはできなかった時代の話だ.といってもほんの6-7年前のことなんだけど.もちろんTwitterもその頃はまだ存在していなかった.

当時は札幌水俣展森と川のフォーラムなんかをやっていた.ガイドコースの指導の一環として,科学と社会をつなぐリーダー層や環境教育の指導者の育成を目指していた中で,こういうシステムにも目がいっていたというわけで,その時にすでに,今回のCoSTEPの試みのようなこともやっていたし,それなりのシステム構築も自前でやっていたんだよね.実際,イベント開催中は生でストリーミングもしたし,その後には録画画像をアーカイブしている.さらには,動画の横にプッシュでオートリロードできる一行掲示板のフレームを貼り付けたりして,質問したり議論したりできるようにもしていた.残念ながら,こうした当時の試みは日の目を見る前に土台そのものが崩壊し,さらには,私の努力も実績も完全否定されるという憂き目にもあってしまった...おかげでそちらの方向に行きかけていた私の視点は一気に南極へと引き戻されていくことになるのである...

あの頃に試行していたことが,今やUSTRESMやTwitterの登場によって,高価な機材もプログラミングのスキルも必要なしに誰でも気軽に展開できるようになった.ネットやPCの進化がめざましい今日,技術的にはどんどん陳腐化していくものが多い一方で,こういう機能を実現したい,とか,こうすれば新しい展開が期待できるとか,そういう発想自体はもう少し長生きできる.当時抱いていた同じ思いをずっと続けてきていられれば,別の生き方もあったかも知れないと思ったりもする.

いづれにせよ,今回のCoSTEPのシンポとその裏で動いていたUSTREAMの企画に感じたことは,数年ぶりに長い眠りから目覚めた策士が感じる近未来の世界だ,という思いである.眠りに就く前に目指していた構想が,技術的にも精神的にもデジタルデバイドの「垣根」や「敷居」が非常に低くい状態であっさりと実現されている近未来である.そして,その中で交わされている生身の情報はといえば,眠りにつく前とはあいもかわらぬ議論がグダグダと熱心に繰り返されている,というオチ.SF小説家なら,この感覚をもっと面白く表現できるんだろうけれど,とりあえず,今の私にはこう表現するのが精一杯.

ずっとパソコンの前に座っているわけにもいかないので,iPhoneで見ようと思ったけれど,今回のシンポはiPhone向けの視聴登録がされてないみたいで残念.それにしても,iPhoneからでもUSTREAMにアップやダウンができるというのは,スゴイ時代になった,の一言につきる.

今夜は,看病疲れもあって,頭の中は爆発状態.


公開

現地調査報告の速報版を公開.

LPS指南の続き.内部評定がうまくいかない原因はスキャンの方法にあった.画像ソフトで回転一発修正.評定はやりなおし.これが一番つらい.


再凍結

再び冷え込む.アイスバーンの上に新雪がのって非常にすべりやすい.

報告書の最終調整.空中写真図化指南.IPCCスキャンダルに関するメールのやりとりなど.


陽気

懸案の論文を読んでもらっていたShaw教授からポジティブな返事.修正はたくさんあるけど,前向きに進めそう.報告書も引き続き書き書き.

春先のような暖気で水たまり多数.信号待ちしていた交差点で,通過した車に派手に水を引っかけられた.


報告書

書き書き.カシミールのマップカッターがGARMIN/Google KMZ形式に対応し,Oregonにそのまま転送できるように改良されていた.これはうれしい.


調査

チーム業務でルスツ村に出動.積雪調査は不得手でほとんど傍観者.新規導入したGPSや簡易気象測器のテストランに終始してしまった感がある.

地質露頭前での記載とふかふかの雪の中の観測は,似て非なるものであることを痛感.冬季観測のスタイルを自分なりに確立しなきゃならんね...

iPhoneが通じるかもしれない場所だったので,「twitterタダ漏れ現場実況中継」(といっても関係者のみの非公開)を試してみようと思って出発.現場は時折バリ3になるけれど圏外になることもあったりして不安定なため,投稿頻度はそれほど高くはできなかった(調査もあるし).降雪の中で寒さに手をかじかませながらつぶやくよりは,音声通話で留守本部に定時連絡して,暖かい本部から書き込んでもらうほうが楽だという結論.


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