プロジェクトM 一覧

おやつ

快晴.日差しは強いがよく冷える.今日の作業はコアラー投入用の孔開け.ほぼ午前中に作業を終える.基地に戻った頃に,とっつき岬とS17からも旅行隊が帰還.

夏オペ中は中間食というのがあるけれど,野暮な海底探査三浦組の3人には,もともとそいいうのを用意するというセンスはない.3人だけでは困難な仕事も多いので,毎回他の隊員にサポートに来てもらっているのだが,中には,おやつで作業の疲れを癒そう,という心遣いをしてくれる人もいる.そいう人の発想につられて,このところ,お昼のお弁当に加えて甘い物も持って行くことが多くなった.それも,ただの箱菓子なんかじゃなくて,ちょっと手の込んだもの.

imageという訳で,今日のおやつはたい焼き.昨日なんかは写真のケーキが登場していた.だれの誕生日というわけでもないので,いつも我々の探査を見守ってくれているアザラシ先生を称えて,ケーキの上にチョコレートで文字が書いてある.しばらく冷凍庫で保存していたせいもあるが,マイナス20度の海氷上では,中のフルーツが凍ってシャリシャリする.

誕生会で出るケーキには,ご馳走をたらふく食べたあとということもあって,どちらかといえば触手が伸びないのだけれど,仕事の合間に食べるケーキは格別の味がする.

サポートしてもらう隊員に接待しなきゃいけないのはこちらのほうなのに,逆に心遣いを教えられる「おやつ」である.


再履修

快晴で,マイナス28度くらいまで冷える.日中もずっと20度台.本日の探査は,昨日不調だったサイドスキャンソナーの再履修.

ワイヤーを切ったり,つなぎ目がはずれたり,機器を海中に投入した後にまた不調になって,300mもある信号ケーブルを取り替えたりで,半日強ですむはずの仕事が丸一日かかってしまった.

ソナーの反応には,これまでの平坦な海底には見られなかった起伏が出た.掘削にはやっかいだが,地形屋としてはちゃんと解析してみたい結果である.


雪焼け

今日も探査.サイドスキャンソナーの調子が悪いので,サブボトムプロファイラーで地層を探る.

天候は曇りでときどき小雪もちらついたが,雪焼けで顔がひりひりする.


先客

ブリで延期になっていた福島隊員慰霊祭の日.探査で早朝に出かけてしまって式典に欠席するので,出発前に一人で福島ケルンに手を合わせる.

今日の作業は海氷孔開けとワイヤー通し.孔開けはもう達人の域に達した3人.合図以外の言葉はほとんど無く,阿吽の呼吸で午前中に作業を終える.

午後,サポートに来てもらった二人を加えてワイヤー通しのためのロボット潜航を始める.このとき珍事が起きた.

水中ロボットを操作して,200m向こうに開けた孔に到達したところ,本来あるはずの空間に異物があった.ちょっと引いてみると,なんとそこにいたのはアザラシ.息継ぎのために掘削したばかりの孔に出てきていたところだった.

我々の孔をアザラシが使うことはこれまでもよくあったが,いつもは海氷上から見下ろしていた.今日は,孔の先客として海氷上に顔を出しているアザラシの水中部分を,ROVのカメラを通して下から見ることができたのである.

こんな時に限って,操作画面収録用のビデオデッキを持ってきていなかったんだよねぇ...朝出るときに,ちらっとは気になっていたんだけれど,非常に悔やまれる.かわりに,デジカメの動画撮影機能でモニタ画面を撮ったものをご紹介.私はROVの操作で手がふさがっていたので,サポートに来てくれていた副社長と呼ばれる隊員が撮ってくれたものと併せてご紹介する.モニターの映り込みがあったりして見づらいかもしれないがご容赦願いたい.なお,容量の関係で音声は削除してある.録音されている内容は以下のような感じ.

ROVを引き上げてもらうために200m先の孔で待機していた隊員との無線会話.

こちら)孔を視認したので(目印の)フラッシャーを回収してください.
むこう)アザラシが来ているので現在孔はふさがってま〜す.
こちら)今,おしりが見えてます.まだいますね.
むこう)そうとう息苦しそうなので,しばらくかかると思います.
こちら)今日に限って潜航作業をビデオ収録してません.
むこう)!※&%※!(激怒)

息継ぎで孔に浮上するアザラシは水中ではずいぶんもがいているものかと思っていたけど,意外に直立不動で動かないものだということが分かった.息継ぎを終えて海氷の下を泳ぎ去っていく姿はまるで人魚のように優雅であった.その光景はまぶたにやきついて離れない.

帰着後にちょっと雪上車がトラブって,またまた遅い夕食となる.


探査再開

ブリが去って,久しぶりに探査を再開.場所は長距離通勤の途中,OK21付近の海氷上.前にそりをデポしてきたままだったので,ちゃんと残っているか気がかりだったが,無事だった.

今回のブリはふかふかの雪を大量に運んできたようで,これまで裸氷だったところにもことごとく深雪がついていた.雪上車のキャタが空回りしてなかなか進まない.

現場についてから,埋まったそりを引き出し,何カ所かに小さな穴を開けて測深し,探査に適当な場所を決める.GPSと電子魚探の威力はなかなか.前の越冬時にもこれだけの機材があれば,どれだけ仕事がはかどったことか.

帰路に西の浦の検潮所に寄って,海氷GPSのデータを回収.気がかりだった仕事が動き始めて,気分的には上向き.

今日は福島隊員が遭難した日で,今次隊では「昭和基地安全の日」と定めている.それを記念してかどうかは定かではないが,夕刻,基地の前でFA指導によるクレバス転落者の救出訓練が実施された.

まったく別の話になるが,AppleのWebサイトに最近公開されたテレビ広告ムービーの「Better Results」を見て大爆笑.まるで昭和基地に出現する※&%そのものじゃん?


コア処理

諸事情により,基地内で作業.北方海域で引き上げた時に凍り付いてはずせなかったため,そのまま基地に持ち帰っていたコアを処理する.

室内に入れて温めて,あれこれ手を尽くしてみたものの,接合部ははずせないし,なかなかインナーチューブは出てこないし,こりゃ,現場でやるのは不可能に近い.

なんとか,チューブ内の堆積物を取り出すことには成功したが,ゆるゆるすぎて,すぐに検分できるようなしろものではなさそう.


長距離通勤終了

今日も晴天.マイナス27度まで冷える.が,日差しがあり風もないので,体感的には暖かい.

image北方海域での最後のコアラー投入.まあいろいろあったものの,2.5mくらいの堆積物の採取に成功.コアラーのカップリングやインナーチューブが凍り付いて外せないので,中身は未確認.先っちょからみえた感じだと,粗粒物質も入っているようで期待が持てる.「小成功」といったところか.

一つ前に開けた孔から,アザラシが作業の様子を見物にきた.彼が見上げている滑車のようなものがどうしてこうなっているのかは秘密.

これで約半月間続いた「長距離通勤」は終了した.この現場に来ることはもうないか,と思うと,ちょっと寂しい気もする.しかし,海底探査はまだまだ続く.機材を次の場所へ移動させて,すっかり夕食がすんだ基地に帰投.

極地研究所の改組があって,所長ほか新役員の所信表明会見がテレビ会議システムで配信されてきた.おそい夕食を済ませた後,その録画を見る.どこも生き残りをかけて必死だ.


3度目

今日も晴天.マイナス25度まで冷える.

3度目のコアラー投入のための孔開け.


再投入

久しぶりの晴天.気温も下がる.昨日開けた孔に,コアラーを再投入.慎重に深さと落とす高さを見計らって切り離す.上がってきたコアをみたところ,もっと採れそうな感じ.明瞭な層の境界を求めて再々チャレンジすることにして,今日の作業を引き上げる.まだ長距離通勤は続く.

夕食は9月の誕生会.


再設定

定例の全体会議を欠席させてもらって,今日も長距離を通って,グラビティコアラーを再度投入するための孔開け.コアラーが投下前に着底してしまわないように知恵を絞る.今度はうまくいくか...

基地に帰ったら,あたらしいmakefileが届いていた.これを使って,数日前にうまくいかなかったVLBI観測用ソフトのインストールを実施.今度はうまくいった.


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