プロジェクトM 一覧

北方ルート工作

imageプロジェクトの第二弾として,オングル島北方の大陸棚海底探査を行う予定.そのためのルート工作に出かける.

プロジェクトの探査対象海域はいくつかあるが,北方には頼りになる陸地がないので,海氷が安定している今のうちに済ませておく必要がある.海氷上での宿泊は厳禁なので,日帰りで作業ができるぎりぎりの場所で,しかもなるべく大陸から遠い海域をねらうことになる.

ルート工作の途上で,おおきな海氷の割れ目が出てきた.その周辺で皇帝ペンギンの足跡を確認.とっつき岬とオングル島方面へ向かっている模様.皇帝ペンギンの大きなルッカリーは,昭和基地の東北東100km以上離れたところにある.今頃から10月にかけて,ひょっこりと基地までやってくる皇帝ペンギンを見ることができるけれど,それも運次第.今回比較的新しい足跡を確認できたので,少なくともこの付近を徘徊していることは確実.

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洗濯

image午前,海氷GPSのデータ回収.午後,スカルブスネスで使った機材の洗濯.お風呂場の中水で海水を洗い流す.


Only One

今回の海底探査プロジェクトは諸々の事情により単年度で終了する.今越冬中の作業はまだ続くけれども,これまでに蓄積してきたノウハウの量は相当に大きい.そうした経験は,論文やその他の文章でなかなか伝えきれない内容も多い.後継プロジェクトが未確定な状態で,それらの知識・経験をどのように次世代につなぎ発展させていくかが大きな課題であるように思う.

「世界に一つだけ…」というのは一見美しい言葉で,オリジナリティを要求される研究の世界ではだれもが目標にする言葉でもある.私も好きだ.しかし,Only Oneというのは,実は常に絶滅の危機にさらされていると言うことでもある.DNAを引継ぎ,世代を経る毎に発展していくための多様性と適応の可能性を備えるには,十分な個体数を確保していなければならない.

はたして,Project-Mに後継者は存在するか?残念ながら,今次で絶滅してしまう技術と経験になってしまう可能性は非常に大きい.

氷床深層掘削技術は30年,深海底掘削技術も数十年の蓄積を経て今日の成果につながっている.その比でいえば,分厚い海氷下の掘削技術は緒に就いたばかり.長い目で継続・発展性を見守ってくれるようなパトロン,あるいはしぶとく継続してくれるような賛同者を得なければ,新たな展開はないだろう.かくして,海氷下の堆積物は未知のまま残されることになるのである.

スカルブスネスからの帰路の雪上車の上で,こんなことをつらつらと考えていた.


昭和帰着

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朝,10日以上滞在したきざはし浜を後にして,地吹雪ぎみの海氷上を進む.午後,昭和基地に帰着.

一風呂あびてさっぱりした後,たまったメールやら事務処理やらに目を通す.でも処理する気力無し.

夜,黄色い月.これから夏に向けて,今度は月がしばらく昇らなくなるそうだ.


ハイドロリックジャンプ

imageだいたいの計画内容を終え,予定よりも早くスカルブスネスでの調査を切り上げることにする.今日は一日かけて撤収作業.

マイナス30度まで冷え込んだ朝方,大陸方面にハイドロリックジャンプらしき雲が見られた.


堆積物掘削

待ちに待ったグラビティコアラー投入の日.緊張の作業の連続の末,投入はあっさり終了.引き上げたコアラーには2.5m分の堆積物が詰まっていた.JAREの新記録を達成した.しかし,目的の第二層までは貫通せず.計画第一弾全体としてはまあまあの成果.

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掘削準備

imageいよいよ海底堆積物の掘削にとりかかる.ここからは作業内容も未知の世界.とりあえずセッティングを終えて今日の作業を終了.

image夜,部分月食.


ワイヤー撤収

探査を一通り終了して,機材をつるしていたワイヤーを回収.その後,堆積物掘削のための孔を開ける.

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観測場所は周りを氷食壁に囲まれたフィヨルドちっくな所.この黄色い幌そりの中で機器の操作を行っている.信号ケーブルやらワイヤーやら,とにかく長物が多くて巻き取りや引き延ばしがたいへん.


測線延長

掘削の最適ポイントを見つけるために200m分,測線を延ばす.これまでの作業で海底探査のだいたいの要領がつかめたので作業はスムーズ.


支援交代

今回の調査には大勢の隊員の支援を受けている.全日程で参加してもらうと,それぞれの業務に差しつかえるので,3交代で数日づつ来てもらうことにした.今日は最初の支援隊が昭和基地に帰還する日.

これまでの作業は,とにかく初めてのことづくめで,こちらも要領を得ず,支援の隊員もたいへんだったことだろうと思う.その反面,自分たちで困難を克服していく楽しさやドラマがたくさんあったように思う.


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