日々の雑感 一覧

ゼミ合宿を再開

コロナ~南極のブランク3年を経てゼミ合宿を再開。避暑も期待して北海道にやって来たのだけど、なにこの暑さ!モヤッとした湿度感も異常!逃げようともしない昼間の鹿の群れもなんだか違和感だし。

インバウンド向け雪崩事故対策

なかなか読み応えがあります。
『…近頃のスキー場の安全対策はインバウンド向け(訴えられないように)にFISルールや規則に則った安全対策、規制物の設置などを行うようになってきた。
彼らは文化が違う、事故が起こった時にどのような安全対策、管理を行なっていたのか問われた時に
「感覚でやっていました」では通用しないだろう…』

シーズン3はグリーンランドが焦点

デンマークの国民的政治ドラマ「コペンハーゲン」のシーズン3はグリーンランドが焦点。
 南極に出かける前のコロナ禍中リモート生活でNetflix漬けになっていたときに、シーズン1・2を一気見して、政治とメディアの緊張関係と女性の政界進出先進国であるデンマークの様子にたまらなく羨望を感じた番組でした。それと同時に、観測隊を指揮し始めていた当時、リーダーシップとはどうあるべきかについても大いに勉強させてもらいました。
その番組のシーズン3が始まったと越冬中に聞いて、しかもグリーンランドロケ満載ということで、帰ったら見るべきリストの上位においていた番組だったわけです。いろいろな帰国後処理がようやく落ち着いてきて(というよりも思いの他なかなか片付かなくて、その現実逃避として)ようやく視聴し始めました。
 期待にたがわずグリーンランドでのロケ満載で、小国ながらも民主主義が正常に機能している国の政治とメディアのかけひきも面白く、たいへん満足しています。
 番組終盤に出てくる、極地探検家「クヌート・ラスムッセン」の銅像に刻まれた言葉「山の向こうに何があるか 空気の精だけが知っている それでも私は前へ前へ 犬を走らせる」が巧妙にドラマの核心に使われていて、そういう演出もはまりどころの一つです。

PIHOTEK ピヒュッティ-北極を風と歩く-

今年の日本絵本大賞受賞作『PIHOTEK ピヒュッティ-北極を風と歩く-』を、受賞と知って遅ればせながら「著者のサイン入り」で落手しました。極地冒険家の荻田泰永さんと絵本作家の井上奈奈さんによる傑作です。写真ではこの質感はなかなか伝わりません。ぜひとも実物を手にされることをおすすめします。
「知り合いがさぁ絵本大賞とったんだよね」と、しばらく出版業界にいて国際絵本市で有名なボローニャにも通っていたうちのかみさんに話したら、すごい! とたいそうたまげていました。高校生の息子にも見せたら、極地を歩いているより寝ている話だね、という感想。まぁそうなんだけどね。テントの中で寝袋にくるまっているのが一番幸せな時間なんだよ、と、我が身にも覚えのある実感として解説。
井上奈奈さんのほうは、先月の地平線報告会の会場に荻田さんといっしょにいらしていたのでちょっと紹介してもらいました。まさかこんなに素晴らしいコンビだったとは、なかなかレアな機会だったのでした。

南極探見500日

『南極探見500日 岩手日報特別報道記録集』
昭和基地で共に<500日>を過ごした同行記者がまとめた<探見>本が出版されました。
現場の研究者やエンジニアなどの専門家にもしっかり取材(越冬隊長からの入れ知恵もちょっと)。
秀逸な写真と関連する情報がぎっしりコンパクトに詰め込まれています。
ネット配信動画とも連動していて、マルチメディア的に楽しんで学べる「科学読本」です。

越冬アルバム「開拓者たち」

研究室のほうに郵送してもらっていた越冬アルバムを、GW明けの今日になってようやく開封しました。すごいのができた!と喜んでいます。
 アルバムの横にあるのは、越冬中の6月3日を「63記念日」として祝った際に越冬仲間からサプライズプレゼントされた飾り盾です。この盾の絵は63次隊ロゴを選ぶコンテストに応募した私のデザイン(残念ながら落選でしたが)で、その下に私の座右の銘があしらってあります。
 当時、サプライズ用の下調べとは知らずに「ミッドウィンターの隊長挨拶で使いたいので教えてください」という隊員からの要請に返答して、『開拓者は矢を受け、入植者は土地を手に入れる...されど開拓者たれ』というこのフレーズを返答しており、それが盾に刻まれて戻ってきていたのでした。
 盾をプレゼントされたそのときも涙が出るほど嬉しかったのですが、今回、仕上がってきたアルバムの封を開いて初めて、みんながこの銘を記念アルバムのタイトルにも選んでくれたことが分かって、いま一度泣かされてしまいました。これほど越冬隊長冥利に尽きることはありません。
 内容については、歴代越冬隊のご多分に漏れず結構微妙な画像が多いため、世界に向けてご開帳、というわけにはいかないのが残念ですが、お近くの越冬隊員にお問い合わせただければ、のぞき見ぐらいはさせてもらえるのではないかと思います。

山はありがたきかな

【ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな】
 コロナ禍〜南極越冬と過ごして、ほぼ4年ぶりに郷里へ帰省しました。親の齢が齢だけに無事再会できただけでもありがたいことではありますが、人間も家屋も予想以上に劣化が進んでいることに愕然とし、この間の年月の長さを実感しています。
 帰省時恒例の片付け・整理・補修作業で一日が終わってしまいますが、作業の傍らにはいつも剱岳がそびえていて、この勇姿だけはずっと変わらずに和みと励ましを与えてくれます。今後は頻繁に帰ってくることになりそうなので、実家の特等席に帰省時の仕事場を確保しました。
 その作業中に大きな揺れ。能登で震度6だそうで被害も出ているようですが、とりあえずうちは無事です。

戦慄の爪痕: エベレストとネパール大地震

この時期になると思い出す「2015年ネパール・ゴルカ地震」。それから8年がたった今日、「南極から帰国したら真っ先に見なければ」と思っていた『戦慄の爪痕: エベレストとネパール大地震』(Aftershock Everst and the Nepal Earthquake)
https://www.facebook.com/netflixjp/posts/pfbid0ZB78cNeD4w1TY1mhAQ33ZLn851e4LmjL3WgRGr8Xw4bxFXKBxN2B6DmiGG9mJht3l
というドキュメンタリー番組を、大型連休最初のイベントとして一気見したところです。
 発生当時、私は東京に出てきた直後で、引っ越しの片付けもまだすんでいませんでした。それでも、4月25日夜半に速報を聞いた直後から情報収集に動き出して、なんと4月30日にはもう着任したばかりの大学の講義でこの地震についての解説を90分間しゃべっていたんですね。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=819006934847423
 その後、JpGUの時期には雪氷学会の理事会で話題提供したり緊急調査プランの動きにも参加したりしてましたね。なんで当時はこんなに猛ダッシュできたんだろうなぁ、今はとてもそんな気力はないよなぁ、と、我ながら感心しつつ過去を振りかえりながらこのドキュメンタリー番組を見ました。クンブとランタンの現場で起きていたことが、インタビューと実画像と再現によって詳細に描かれていて、へぇ〜こんなこともあったんだ、と新たに気づくこともたくさんありました。
 その後も、ランタンプランの支援活動のお手伝いをしたりシンポジウムを企画したりして、ずっと感心を持ち続けてきましたが、コロナや南極越冬でフェードアウト気味になってしまっていました。折しも、来月の地平線報告会は、ランタン谷を久しぶりに訪問してきた貞兼さんのご登場、ということで、再びこっち方面に感心を戻すきっかけともなりそうです。

帰国してすぐに買った本

帰国してすぐに買った十数冊の本のうち、真っ先に読み始めたのがこの2冊。なかなかまとまった時間がとれずにいたところ、この週末でようやく読了した。「なんともやるせない」というのが両者に共通した読後感。南極越冬直後に読むのではなくてもっと精神的に安定してからのほうが良かったかも、と、今現在、胸の中のザワつきが心地悪くてちょっと後悔しているところ。
 松本雪崩裁判のほうは、若林先生がいう「江戸時代の雪崩知識」の犠牲になられた方々の思いを、そしてその人間模様をこれでようやく知ることになった。筆者が「20年遅れた近代雪崩学との出会い」と後悔するその思いの反対側に、雪氷学会の調査チームやASSHの活動、そして2017年に高校生らが犠牲になった那須雪崩事故にも関係してきた今の私の「30年越しの無力感」が、彼岸の鏡映のように存在する。それがこちらの本のほうの「やるせなさ」。

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功労表彰いただきました

五七の桐の紋がついた彰状が郵送されてきたので、ひっそりといただきました。

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