南極 一覧

前途多難?

全員打ち合わせ.防寒具や作業服など,南極で必要な個人装備の配布を受ける.

夕刻,極地研究所主催の壮行会.

あいにくの雨で,前庭でのパーティは早々にロビーへ移動.某教授が去り際に一人つぶやいていた.「雨だ雨だ.前途多難だ...」

この言葉を跳ね返すべく,しっかりやろうと誓う.


超伝導重力計

image午前中に京都へ移動.

京大地物の地下にある重力計を使って,霜取りの訓練.




似顔絵

引っ越しの荷物の中から,13年前に昭和基地で迎えた誕生日にもらった色紙が出てきた.一緒に越冬していた六山画伯(隊員)の作画.

お気に入りだったんだけど,どさくさに紛れて長いこと見かけることがなかったもの.

今回もまた,こんな感じで越冬生活を送ることになりそう.


入試二日目

院の入試面接.

極地研より段ボール到着.早速組み立て.前回の経験と現状の多忙さを鑑みて,持って行くものを思いついたときにポイポイ放り込める体制にする.これで出発までに徐々に持参品をそろえていく予定.

前回の越冬中に最もよく見た夢.それは,忘れ物や,基地にあったらいいなぁと思っていたものを一時帰国して買い出ししてくる,という非常に目覚めの良くない夢.実際にはそういうことは不可能なのでむなしさだけが募る夢なのである.ミッドウィンターをすぎたあたりから頻繁に見るようになった.

不思議と,誰かに会いたくて帰国するとか,ホームシックで帰国する,などというシチュエーションではなく,あくまでも昭和基地で越冬生活するために,そこでの生活や研究をもっと良くするために,一時帰国して物を調達してくる,という状況設定なんである.

帰国直後に頻繁に見た夢.それは,昭和基地でやり残した仕事を完遂するために一時的に南極に出かける夢.ホントはそんなに簡単に行ける訳ではないんだけれど,なぜか特別便という飛行機が飛んで,それに頼み込んで乗せてもらって,越冬生活まっただ中の昭和基地に単身で降り立つ,という夢.何度かそういう夢を見ているうちに,ホントに複数回南極に行っていた,という錯覚に陥ってしまった時期もある.

夢のバリエーションとしては,特別便でたどり着いた昭和基地の対岸に,電車も空港もある文明都市が広がっていて,昭和基地の越冬者は誰もそれに気づいていない,というブラックな夢.一時的に昭和基地にたどり着いた私は,海峡を隔ててそびえる近代都市に渡って電車で日本に帰国するのである.

まあ,そんなこんなの夢が意味することは,いくら時代が進んでも,南極は一度行ったらそれっきり,泣いても笑っても,持ち込んだ荷物がすべて,ということなんである.最近は,インターネットも通じて,情報のやりとりは非常に便利になったようだが,夢を見てうさばらしするハメになる前に万全を期しておくことはかわらず重要なことだと思う.

「夢」をみているつもりで,段ボール箱に持参品を詰め込んでいく日常を,あとしばらくの間,積み重ねていこうと思う.


全員集合

第一回目の全員打ち合わせ.

平均年齢35歳.


訓練四日目

地震観測訓練の最終日.

台風の接近により大雨.


訓練三日目

引き続き訓練.神沼教授の講義の後,最初の壮行会をしていただく.

三十代最後の誕生日.


訓練二日目

引き続き地震観測の訓練.

優勝取り消しや自主返還ということになれば,それはそれで,偉業を達成した選手たちへの「暴力」と等しい大人側の決定になるのではないかと思う.これ以上,精神的にも物理的にも生徒側に被害者をださないことが肝要かと.


訓練一日目

地震観測のための訓練一日目.

非常時の地震計交換手順など.やらなくてすませられるならそうしたい内容をいざというときにとっさに思い出せるかが鍵.

夜,ゲストハウスに戻ってテレビのチャンネルをなんとなく回してみたら,夕日に輝く昭和基地が写った.画面の上には日付と時間が表示されていて,秒を刻んでいる.なんと,昭和基地のライブ画像なんである.これも,インターネット常時接続の威力ですな.ゲストハウスのテレビで見られるようにしているとは,極地研もいきなことをする.

発電棟からたなびく蒸気がゆっくりと流れて,非常に穏やかな厳冬期を迎えている昭和基地であった.一年後の自分はこの画面の中にいるハズ.


野生生物映像祭

富山の科学文化センターへ子供たちを連れて行く.

ちょうど,第7回世界自然・野生生物映像祭のサテライト会場にもなっていて,ノミネートされている作品をただで見ることができた.それも,あの話題の映画「皇帝ペンギン」の制作スタッフによる,映画撮影のドキュメンタリー.

じつはあの映画は,ほとんどが南極で越冬した二人のスタッフによって撮影されたことを知る.また,その二人がブリの中出かけていって遭難していたことなど,撮影の裏話満載で,映画よりもこちらのほうがおもしろかった.これは,現代版の「世界最悪の旅」ですな.

メイン会場では,スタッフが来日していてトークも聞けたらしい.そちらには行けなかったけど,もうけものをした気分.


1 57 58 59 60 61 62