学祭

学祭で休講が多い中,教授会や専攻の会議だけはしっかり開催.大学院は学祭とは関係ないのである.

院生たちは恒例のソフトボール大会.次の講義の準備をしているうちに一日が終わり,夕刻にジンパに合流.禁酒法などどこ吹く風.大学院は関係ない:P


科学コミュニケーター

M1のたどたどしい論文紹介のゼミ.彼らが修了する頃にはいっぱしの院生に成長していてもらいたものだ.

夜,留学生の家に招かれて,ネパール料理をたらふくごちそうになる.ネパール料理は,カナダでも日本でも,いつも食べ過ぎてしまうから不思議.

学技術への理解を促進する目的で,科学の“通訳”を養成するコースが,東大・早稲田・北大で始まる.

対象は学卒・社会人・博士取得者などのすでにできあがった人たちで,コースの参加費は無料とのこと.

北大ではどうなのかというと「北大・ 科学技術コミュニケーター養成ユニット」という名前で,博物館に事務局があって,いろんな部局から教員が動員されている模様.

報道発表があるまで,こんな動きがあるとは全然知らなかった.うちでやっていたコースの理念にも通じるところがあるが,残念なことに環境系の指導陣はいない模様.残念というよりは,うちと競合しないのでほっとしている面もある.

肝心なのは,受講生が「社会に向けて発信したい」と思う確固としたテーマや動機を持っているということだろう.その内容については「環境科学院」は正当な素材と基礎知識を提供できると思う.この学院を出たあとで,学んだことや考えたことを発信する技術を身につければ,もう鬼に金棒である.この構想の将来性は,コースを出た人々の活躍状況にかかっているだろうと思う.

うちのコースでの反省でいえば,バイアスのかかった思想の伝え方は科学者として御法度であることだけはしっかり教育してもらいたいと思う.それから「無料」ってことなので,受講生の希望に添えなかった場合を考えても,授業料をとっていたうちよりは良心的なのかもしれない,とも思ってみたりする.とはいっても,授業料をとることは,教えられる側にも教える側にもあるていどの緊張感を維持させるには必要な要素でもあるので,「無料」ということに甘えず,しっかりと緊張感をもって実施されるように望みたい.

自分も,学位を取った直後に就職がなかったら,ここに入門していたかもしれない...と思うほど,私個人にとっては結構魅力的なコースではある.


北海道学

図化機の最終調整ののち,講義の準備.

全学教育の分担で「北海道学」の7-9回目を担当しているうちの初回.

久しぶりに旧教養にいったら,学生がうじゃうじゃいて面食らう.でも,これが普通の大学なんだろうな,と自分のいる大学院のみという環境の異常さを再認識する.

ちょっと早口でしゃべりすぎたかな,とは思うけど,受講生の反応はまあまあ.次回以降,このテンションとネタの息切れをしないようにしないと...


非生産的

「北海道学」の準備があるのに,図化機のHDがクラッシュ.

修復に丸一日を要する.

非生産的な一日.


温暖化ゼミ

起学の温暖化課題ゼミの第一回目.

IPCC第三次報告の気温変動曲線では,小氷期の低温化はそんなにはっきりと出ないので,実際の印象とギャップがある,ということが話題になる.

wikipediaの日本語版にもそのことは指摘されていて,この項目の投稿者はよくわかっているな,と思う.

しかし,IPCCの報告書ってのは,グローバルなことを言おうとするばかりに,全球のデータを丸めてしまう傾向がある.温暖化で知りたいのは,それが確実なことかどうかということに加えて,その影響がどこにどう現れてくるか,ということも重要な要素なはずである.

その点では,全球規模で丸められたデータはおそらく役に立たないだろう.実際の現象はローカルに発現するものであり,そこに人の営みがあるからである.また,近年の観測データや過去の環境が高精度・高解像度で取得・復元されているにもかかわらず,まるめてしまうことでその利点を殺してしまっているような気もする.

平均化や統合化はよく用いられる手段であり,院生などはむやみに使いたがる傾向があるけど,細かなデータを詳細に読み解くこと,バリエーションを尊重することは,欠くことのできない研究要素であることも意識しておくべきことであろう.


論争

ようやく「北海道学」の一回目の準備を終える.

QSRをみたら,G.Clarke他論文への氷底水流派からのコメントとその反論が掲載されていた.コメントしたのはカナダでもお世話になったD.Sharpe博士.読んでみると水流派はどうも旗色が悪い.

Clark他からの再反論には,私がD論で解析したのと同じ手法(Polar Geoscience, 15, 123-147)で氷床底水の帯水条件が示されていた.違いは,”Cold ring”と呼ばれる過冷却条件からの解放によるsupercoolingのプロセスが組み込まれていること.私もこの重要性には気づいていて,氷河・氷床Gのゼミでも話したことがある.

当時はこの路線で進むはずだったんだけど,南極に行く機会もなかなか巡ってこなかったし,投稿論文もなかなかアクセプトされなくて,とうとう今まできてしまった,という感じ.でも,路線としては間違ってはいないことを確認できた.

ClarkさんもSharpeさんも,私の論文を引用してくれればいいのに...


説明会

陣取り合戦で正直者がソンをしないように,部門長に直訴.

学院の説明会札幌編.講義室がいっぱいになるほどの盛況ぶり.うちのコース志望者は,教授が集中講義で引っかけてきた(という言い方はまずいが)学生一人.

北大だからって周りに引け目を感じることはない.やる気があることが最も重要.


リラ冷え

週末の晴天もつかの間.相変わらず雨で寒い.

ゼミに引き続きPDによる論文紹介の模範演技.数回続ければ,いくらなんだって院生も要領をつかむだろう...と淡い期待.

今日もメールの遅配が続く.学内ネットのタコ.


大失態

図書貸し出し管理用のサーバーが暴走して,大量のメールを振りまいていたことが発覚.それを止めて,原因を追及し,お詫びのメールを出すまでに3時間.大変な失態を演じてしまった.こういう風に個人情報の漏洩事件というのが起こるのか,と妙に納得する.ご迷惑をおかけした方々,申し訳ありません.

原因は,メール送信の該当者が0になった時の処理であった.本来なら0を検出した時点で処理を止めるようにしておかなければいけなかったのである.これまでたまたま0にならなかっただけで発覚しなかた不備なのだが,今日になってその状況が発生したんだな.例外処理の難しさを痛感.

ということで,思わぬ負の処理で中断してしまった作業を深夜になって再開する.

論文紹介もまともにできない院生集団に健全なDNAを注入すべく,PD殿にお出ましいただいて模範を示してもらうことにした.彼らだけに負担を強いるのも気が引けるので,週末から今日にかけて,自分でも論文紹介ができるように準備を進めてきた.再開した作業はその続き.

レジュメの書き方,発表資料の作り方,説明の仕方など,徹夜で発表準備をしていた院生時代を思い出した.そのころと今とで大きく違うのは,現在では,紹介する論文にまつわって話したい内容が次々と出てきて,一定時間内におさめることのほうに苦労していることである.

講義でも担当できれば,一から系統立てて自分の世界を伝えられるのだろうけど,講義をもっているわけでもないのでそれもかなわず,万年助手の悲哀を感じてしまうのである.その一方で,「北海道学」のほうは,目前に迫っているにもかかわらず,いまだに話すことを組み立てるのに四苦八苦している.やっぱり自分の研究・専門分野を存分に語ることができる「自分の講義」ってのを持つことに憧れてしまうんだなぁ...


科学的指針

魚類学会が魚類の放流ガイドラインを策定したらしい.

「放流による保全は容易でない」
「放流が最も効果的な方法かどうか検討すべきだ」

と指摘していることはもっともである.逆のパターンが駆除なわけであるが,疑惑だけで悪者視されている可能性のあるオオバコの問題も,学会レベルでなんらかの指針を出すべきだろうと思う.

一方的な思いこみや正義感だけでは,自然は保全できないのである.


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