南極 一覧

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冷える.今年初の真冬日.研究室のスチームがきまぐれ.学会支部の新設チームのIT業務で集中して仕事していたら,すっかり冷え切っていて,気づいたらキーボードを打つ指が凍えてしびれていた.学生時代に暖房費をけちって,こたつで凍える手を温めながら論文を書いていたことを思い出した.

SALEのページが新しくなっていた.日本は生物の神田さんか...なんとかこの組織の動きに関わりたいものだが,どうすればいいのかなぁ.


やっぱり「しらせ」

今回の航海を最後に引退するしらせの後継船の名前が決まったというニュース.やっぱり「しらせ」.

この夏ごろから船名を一般公募していたのだけれど,いくらなんでもこれじゃ公募条件違反だろう.

Yomiuri Onlineの記事を読む限りでは,白瀬中尉の出身地である旧金浦町民の組織票がこの結果を生んだ原因らしい.不遇の探検家白瀬中尉の怨念おそるべし,と言ったところか.今のしらせは廃船となり,二つのしらせは存在しなくなるので不都合はないし,名前だけでも残したい,というのが実情らしいけど.

観測隊の雪上車が「SMシリーズ」になって久しいが,いまだに雪上車のことを「KD」なんて呼んでしまう往年の隊員世代もいることを考えると,いつまでも言い慣れた船名が使えるのはよいことかもしれない.

「しらせ」という船名が,I世の25年に加えてII世によってさらに25年先まで生き続けることになったということを考えると,「しらせ」という言葉が,日本語の中で砕氷艦の代名詞にすらなってしまいそうな勢いも感じてしまう.そこまで定着してしまうと,25年後になって5代目の砕氷艦に別の名前を付けるほうがかえって難しくなるのではないかという気もする.でもその頃には,全く別の輸送革命が起きているはずだから,たとえそれが「しらせIII世」となったとしても,静かに誰にも気づかれないうちにそうなっているほうがふさわしいのだ.そうでなきゃ,「しらせ」という名前が,南極観測に何の進歩もなかったことを具現してきたまぬけな名前に成り下がってしまうことにもなりかねないのだから.

【11/16月追記】
久々に更新されたThe Sense of Wonderの(わ)さんのこの意見にはまったく同感.


ラジオ

image10/20にサイエンスカフェ札幌で話したトークが「かがく探検隊コーステップ」というラジオ番組で先週土曜日に放送されたのだが,その録音がネットで配信されている.なんとITMSのPodCastでも聴くことができる.

実際には写真や図も使いながら90分間にわたって話した内容を,音声だけで伝えられる20分足らずの内容にまとめた編集はなかなかの出来.話の要所もしっかり押さえられているし.ただ,私の研究成果に関わるディープな部分はこの放送分にはない.その話は大学院の講義でのお楽しみ,とするか...

自分の話を自分で聞くのはへんな感じ.あらためて聞き直してみると,とちったり,気づかずに単語を取り違えていたり,早口になりすぎたりしているところがかなり気になる.これが世界中に配信されているかと思うと,ぞっとしてしまうところもないではない.

特に録音を意識して話していたわけでもなく,時間的にも押していたりもしていたライブトークであったのは確かだけれど,なんとも出来が悪いしゃべりだ.これからは気をつけよう.


セルロン・フリーズドライ

image南極OB会札幌支部で,49次隊の壮行会.北海道からの越冬はないが,目玉のトラバース隊に二人,セルロン隊に一人参加.杉山・榎本隊員からトラバース隊,阿部隊員からセルロン隊の概要の説明を受ける.トラバース隊は火曜日に出国し,一週間後の土曜日にはもうS17にいる予定だという.南極もずいぶん近くなった.

阿部さんからはさらに,10/18に極地研での準備作業中にみかけたフリーズドライの現物が披露された.写真はハンバーグのフリーズドライ.手にとってみると,フワッと感じるほどの軽さ.紙でできているのではないかと疑ってしまうくらい.調理隊員経験者にも同行してもらって,長野の会社で特別に開発したのだとか.2ヶ月以上のテント生活の要となる食事だけに,品目もたくさん用意されたようで,全部で1万食分だとか.

沿岸で野外調査をしていても,生肉のブロックや業務用調味料の大型パッケージなどをそのまま渡されるような状況に,食料の軽量化・簡易化はもう少しどうにかならないものかと,しらせや極地研の方針にはいつも疑問を抱いてきたが,一向に改善される気配はない.

今回のセルロン隊は,雪上車も小屋もない極限の野外調査形態という特別な形式だから,必要に迫られて実現したことだろうと思うが,食料だけにとどまらず装備やロジスティックス全般についてもこれぐらいのショック療法をとらないと,やりかたを変えるのはなかなか難しいのかも.また,こういう工夫や技術の進歩を積極的に取り入れていく姿勢がなければ,本質そのものの進歩もないし,観測事業から生み出されるあたらしい要素もなにも生まれないのではないかと思った.初期の観測隊は多分に探検的要素が強かった.だから,そういう創意工夫や新しい要素を積極的に試して取り入れていく姿勢があったはずなのに,いつの間にか,30年以上も前に確立されたやりかたの繰り返しという,官僚的なやりかたに陥ってしまっている.

トラバース隊も,今回はスエーデンとの共同調査だ.文化もやり方もちがう日スの両隊員が3000kmもの距離を雪上車で一緒に旅をする.その交流の中で,お互いのやり方を見聞し実体験する機会にもなるはず.さて,日本のやりかたを体験するスエーデン人は,どのような感想をいだくのだろうか.

トラバース隊とセルロン隊の帰国報告を聞ける日が待ち遠しい.


ちょっと欠けた?

秋の夜長,北大の木々もすっかり色づいて見頃.久しぶりに,ため込んだ文献をじっくり読む一日.満月が明るい.月が地球に最も近づいているのだとか.どうりで大きいわけだ.

昭和基地で越冬中の48次隊にお願いしていた仕事の結果が送られてきた.なかなか興味深い.

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新聞記事

サイエンスカフェ札幌で話したことが10/23道新夕刊のコラム欄で紹介されていた.

若干の補足をすると,氷床下湖が移動しているらしいことが分かったのは私の仕事ではなく,昨年のNatureにのった論文からの引用.ただ,過去に氷床縁辺部まで達した水流があったらしいことを指摘してきたのは私の仕事である.最近,関連する論文をHUSCAPに登録したので,こちらとかこちらをご覧いただきたい.

やっぱり人は現在のことの方に惹かれてしまうのかなぁ...せっかく書いてもらったけれど,氷河地質学の認知にはほど遠いような気がするのがちょっと残念.


A Southern Perspective

小波を乗り切るための第一弾原稿送付を完了.

教授からPAGESのニュースレター9月版で,「Past Climate Dynamics: A Southern Perspective」と題して南半球が特集されていることを教えてもらう.さっそく取り寄せて読んでみた.

当然,南極研究に関する解説もいくつかあって,氷底湖研究で有名なSiegert氏が南極の気候変動復元研究をレビューしている.ベリングスハウゼン海底地形の例を引いてアイスストリームのダイナミクスについて言及している項では,ドラムリンやメルトウォーターチャンネルも出ている.この内容自体はすでに私もフォローしてきたものばかりで,そんなに目新しいものはないが,院生に論文紹介させるのに丁度よい内容と分量だと思った.でも悲しいかな,これを読んで紹介してくれそうな院生は私の周りにはいない.

海底のドラムリンは三浦プロジェクトでも探知している.はやいとこ,ちゃんと論文にしなきゃいかんね.


サイエンスカフェ

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(ポスターはCoSTEPの
楢木佑佳さん作成)

CoSTEP主催のサイエンスカフェ札幌でトーク.思いの外お客さんが多く,休憩時間や終了後に話しかけてくれる人もいて,関心の深さが伺われる.

7月末に依頼を受けてから,これまで何度も打ち合わせを重ねる中で,自分なりにも一般向けに話をすることの意味やスキルなどについて考えさせられることが多く,勉強になった.CoSTEPの実習の一環なので,基本的にはサイエンスコミュニケーターをめざす受講生が企画・運営に携わっているのだけれど,研究者側の意図をくみ取り,企画を運営し,さらには研究者側にさえもいろいろと示唆を与えてくれるという面があることは,受講生だけではなくて,その企画に巻き込まれる研究者にとってもトレーニングの機会を与えてくれるのではないかと思う.

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これまで,名前だけは良く知れているけれども,教育の中身がよく見えていなかったCoSTEPの活動の一端を知ることもできて,引き受けて良かったと思うし,このコースを修了した受講生たちの今後の活動にCoSTEPの評価がかかっているのではないかとも思った.

カフェの会場は紀伊国屋の玄関にあるホール.せっかく本屋の前でやるのだし,トークだけでは伝えきれなかったことに関して,関心を持っていただいた方々に,関連する一般書の紹介もしたかったのだけれど,当日はすっかり失念していた.とりあえず,ここに掲載しておく.

  • 「氷に刻まれた地球11万年の記憶—温暖化は氷河期を招く 」(Alley, R.B. 原著, 山崎 淳 翻訳, ソニーマガジンズ)
  • 「氷河期の「発見」—地球の歴史を解明した詩人・教師・政治家」(Bolles, E. B. 原著, 中村 正明 翻訳, 扶桑社)
  • 「温暖化の“発見”とは何か」 (Spencer R. W. 原著、増田 耕一・ 熊井 ひろ美翻訳, みすず書房)
  • 「南極大図鑑」(国立極地研究所, 小学館)
  • 「地球史が語る近未来の環境」(日本第四紀学会, 東京大学出版会)



  • シンポ二日目

    極域地学シンポの二日目.

    いよいよ第四紀のセッション.昨夜,暗い話題で飲み過ぎて,二日酔いの頭で朝一番の発表に臨む.

    「ROVにすべてをだかせて探査すればいいじゃん」...ご指摘はまことにごもっとも.それは我々が一番承知していること.でもそれをやるには,水深1000m級の耐圧仕様のROVが必要だし,それを用意できるだけの予算は我々には与えられなかった.まずはワイヤーでやれ,とも言われたんだから,やらせてもらえるだけまし,ということで素直に従ったまで.でもそこまでズバリと本音を答えるだけの度胸はなかったなぁ...

    「水でできるわけないでしょ」...あなた,氷河地形の教科書にも出ていることをそう決めつけないでちょ.Nyeチャンネル,Rチャンネル,P-Form,S-Form...いろいろ頭をよぎったけど,すぐに理解してもらえそうになかったので,当たり障りのない現在の事象をコメントしたら,バサルトとナイスは違う,と応酬されてしまった...氷河地形研究が日本で認知される日は遠い...


    シンポ一日目

    image極域地学シンポの一日目.

    オーラルは変成岩やゴンドワナの話が中心.とりあえずポスターの紹介とその説明.越冬中に調査した氷洞の話.

    多くのJARE経験者に聞いたけれども,やっぱりJARE五十年で初めてのことらしい.一応,科研費に応募したので,当たったら本格的にモニタリング体制を作るつもり.

    49次セルロン隊のパッキング作業も大詰め.地学シンポと重なってみなさん忙しそう.航空機で南極入りするので,重量が限られるため,食料の大半はドライフーズ.ちょっと試食してみなくなった.Webを徘徊していたら,asahi.comにこんな記事が.

    寒い南極での野外調査にはカロリーが必要.なによりも,テント生活では食事が一番の楽しみ.みなさんご無事で.良い成果があがることを期待してます.


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