南極 一覧

阿部レポート

夕刻のイチオシで予告にあった阿部さんのセルロンレポートをみた.しばらくすればHTBのホームページでも動画で配信されるらしい.載るとすればMikio Journalかな...週刊新潮のグラビア写真もなかなか(すでにOB会の報告でみせてもらったけれど).


観測と観察・発見・採取

セルロン隊が5億年前の大陸衝突を示す鉱物を発見したというニュース.飛行機で出入りしていた地質隊は採取したサンプルの運搬をしらせに託していたので,船が帰港したのにともなって岩石も日本にやってきた.現物を前に小山内さんがインタビューにこたえている

記事によっては「観測に成功」と書いているものもあるが,鉱物の発見・採取を「観測」と表現されてしまうのには同分野の研究者として違和感を感じる.プレス記事を書く記者の資質が問われるところだろう.

Japanese Antarctic Research Expeditionを日本南極地域「観測」隊と呼んでいる所にも問題があるのかなぁ...

この前のOB会での報告では擬×▲○という岩石を発見したと聞いたのだけれど,しらせが帰港した時点でのプレスリリースで含バナジウム鉱物の発見のほうを挙げているのは何か意図があってのことなのだろうか?


報告

夕刻より南極OB会北海道支部総会.阿部さんからセルロン隊,榎本さんと杉山さんから日ス共同トラバース隊の報告を聞く.昭和基地でこれらの野外パーティを支えた48次通信の戸田さんにも再会できた.

テントとスノモだけで3ヶ月もセルロンで過ごした地質調査隊の活動はなかなかのもの.新開発したフリーズドライによる美味でバリエーションのある食事は隊員の精神安定のためにも大成功だったとか.

スウェーデン隊の雪上車やモジュール(日本風にいえば居住カブース)は興味津々.一般車と同じくらい静かで,居カブ内部は高級クルーザーなみの環境という別次元の作り.逆にスウェーデン人はSM100の強力なパワーと一台で完結できる大型スケールにあこがれていたとか.基地の外れのパーキングエリアに電源コンセントの柱が立っている写真があった.白夜といい極寒といい,普段の生活スタイルをそのまま南極に応用できてしまうあたりは,さすが北欧だと思った.

映像ジャーナリストでもある阿部さんの報告は,週刊新潮やHTBのイチオシで順次発表される模様.


彷徨える湖

日ス共同トラバース隊の相手方のスウェーデンといえば,著名な探検家スヴェン・ヘディンを生んだ国.今日の道新「現代かわら版」は34次で一緒に越冬した榎本さんの寄稿記事だった.トラバース隊の調査項目の一つに南極氷床底に未確認の湖を探り出す仕事があったが,榎本さんはこれをヘディンの業績であるロプノールになぞらえて,南極大陸での彷徨える湖かもしれない,と書いていた.

実は私も前に同じようなことを書いたことがあるのだが,当時は日本とスウェーデンとが共同でトラバース調査をするとはまったく関知していなかった.

実際にスウェーデン人と寝食をともにして探査してきた榎本さんの寄稿には説得力がある.地理学的センスがある雪氷屋さんがまだ残っていてくれたようで,うれしくも思ったり.


シャクルトンに消された男たち

image先日の学会の飲み会で,岩田先生に「シャクルトンに消された男たちー南極横断隊の悲劇」(Kelly Tyler-Lewis著・奥田祐士・訳,文藝春秋)という訳本が出ていることを教えてもらった.注文していたのが届いたので流し読みしているところ.それに触発されて,最近あちこちのBlogで話題の「幕末古写真ジェネレーター」を使って,47次隊を残して昭和基地を去るしらせの見送りシーンを南極探検時代風にしてみた.けっこうそれらしく見えるじゃない?

さて,この本は,南極探検史上まれにみる生還劇をなしとげたシャクルトン隊の陰で,悲劇的な結末をたどった別動支援隊の顛末を,詳細な調査を元に復元した労作.この別動隊については,シャクルトン自身の「South」でもかなりのページを割いて記述されているのだが,本書はさらに克明に経緯を掘り出している.これからじっくり読ませてもらおう.

著者のKellyさんは,私がエドモントン滞在中に見たエンデュアランス号のTVドキュメンタリー番組でエミー賞を受賞しているという.スコットポーラー研にもいたことがあるというし,NSF主催の芸術家と作家のための南極体験プログラムで実際に南極にも行っているすごい人.NSFのこのプログラムは,まさにこのようなプロデューサーにこそふさわしい.日本の観測隊も,新しいしらせになったら同様に芸術家や作家を連れて行くことも考えているようだが,ちゃんとしたテーマを持っている人がどれだけいるか,ちょっと疑問.彼女こそが目指すべきよい手本になるだろうと思う.

スコットポーラー研にはAntarctic Bibliographyという分野もあるみたいだし,英国探検史の蓄積の深さは尋常ではない.

道新「現代かわら版」で今日から,こちらは無事に横断を果たした日ストラバース隊の活動を報告する「白き氷河に抱かれー南極大陸横断記」という連載が始まった.なんといってもこの隊には北海道から二人も参加しているのだから,道新が大きく取り上げる意義もある.Webには数週間遅れて掲載される...のかな?私としては,この前の学会では越冬隊から参加したもう一人のメンバーから直接話を聞けたし,数日後にも北海道のお二人から直接話を聞く機会がある.結構楽しみ.


送別

今年度最後を飾る一年間の研究成果発表会.その後追いコンに突入.

南極からの帰途にあるしらせもシドニーを出て最後の航海に旅立った模様.そういえば,観測隊は28日夜に帰国するんだっけ.丁度学会で上京することだし,成田まで出迎えに行こうか...と思ったけれど,予約した東京便の時間が遅いので無理か...(調べたら,閏年ということで今年の帰国は例年より一日早く明27日だった).

南極半島にある棚氷の一部が崩壊する気配だとか.「暖気と海洋波が崩壊を引き起こしている」という解説があるけれど「海洋波」の効果ってどういうメカニズムなのか知りたくなった.


祝福

image昨日の土砂降りから一転して春うららのスカ天のもと越冬仲間の結婚披露宴.お相手はカムチャツカ関係で私もつながりのあった女性.PD問題といい,女性の職場環境といい,現代のこの業界を象徴するようなカップル.今後のお二人のご多幸を祈らずにはいられない.

久しぶりにJARE47の皆と会ってそれぞれの近況を聞く.観測隊のつながりはそう簡単にうすれるものではない.


違和感

ちょっと時間ができたので,ようやく最新のシステムへアップデートを敢行.上書きインストールなので不具合がでるのを心配したけれど,今のところ特に問題はなく,あっけない感じ.

News23の地球破壊の4回目.昭和基地から牛尾隊長も声で出演.

いつも気になること...「昭和基地でも温暖化の影響を実感されることはありますか?」と聞かれて「昭和基地では顕著な温暖化は観測されていません」と答えるのが常套なのだけれど,注釈として「南極半島では気温が上昇していたり氷床が減少したりしているのがみられます」と付け加えている.

自分でも実際に昭和基地からの発信や国内での講演のなかでそう話してきているのだけれど,昭和基地にいても実際に南極半島に滞在しているわけではないので,現地からの報告としてはあまり現実味はない.南極半島のことは文献でもニュースでも得られる情報なので,わざわざ昭和基地からコメントすることでもない...しかも,南極半島の温暖化のほうが視聴者や番組企画者が欲していそうな結果なので,逆に変化がないと報告せざるをえない昭和基地の観測結果が視聴者をがっかりさせてしまっているように感じてしまうのである.

昭和基地がらみの温暖化の話題で,いつも違和感として残ってしまう部分である.


一足早く帰国

日ス合同トラバース隊に参加していた杉山氏が帰国し,研究室に寄ってくれた.目的は他にあったのだが...セルロン隊も予定を早めて一緒に帰国してきたとかで,どちらもオペレーションは大成功だったらしい.48越冬から参加した二人は,しらせでゆっくりと帰国.まだまだ先だ.

世の中バレンタインデーで盛り上がっているらしいけど,私にはとんと無縁の世界.同じように寂しい境遇の人は地表のハート模様でも見て癒されて下さい.

やっぱり【そういうこと】が起こりましたか...このニュースを考えるための【参考情報

同省環境保全対策課は「南極を守るための法律で、2人には講演活動などを通じ、取り決めの意義を周知してもらえれば」と話しており、罰金などは科さず、厳重注意処分となる見通しだ。

環境省もなかなか粋な計らいをするねぇ.これを機会に大いに報道してもらって衆知できることを期待.

そういえば,七大陸最高峰なんてお金を出せば行けてしまうような場所ばかりになってしまったし,偉業と呼ぶにはどうかなと思う登山や冒険が報道されるのを見ることが最近増えた気がする.単なる冒険野郎じゃことさら騒ぎ立てる価値もないのは事実で,プラスアルファがないと注目する価値も面白みもない.個人レベルでひっそりと楽しみ満足するなら,どうぞ粛々とやってください,って感じでいいんだけど.

この件の場合,ことさら環境問題が叫ばれているこのご時世に,環境省の取り組みを知らなかったってのは,単に意識の低さを露呈しているだけと思われても仕方がないと思う.環境省のアピール不足ばかりが悪いわけではないだろう.人が行けない珍しいところに行く,というのをウリにするような企画というものは,事前のリサーチには相当力を入れるのが普通で,その探索網に環境省への届け出が必要だということがひっかからないハズがないのである.要するに,準備段階で何も調べ物をしなくても,商業ベースにのっかっていけば,冒険まがいのことがそれなりにできてチヤホヤされてしまう世の中なのだ.

そういう人が語る体験談講演が,どこまで真実みを帯びた話として伝わるのかは非常に疑問.人の行けないめずらしい所にいったことがある,というだけの,勉強不足で薄っぺらなエセヒーローが世の中を沸かせているだけのような感じがしてならない.

それに比べたら,植村さんも現在北極で活動中の山ちゃんも,確実にそういうのとは一線を画している人たちだろうと思うよ.


スッキリ

1/14のエントリーに関して氷河・雪氷圏環境研究舎の情報の広場にマツケンさんの解説.報道記事に違和感を感じていたので,彼の指摘にスッキリ.

修論の追い込み.


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