南極
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南極氷床融解の危機感はいろんなところで話してきたけど、これを読んでもらうのが手っ取り早い。棚氷の底面融解についてはJAREも海中ロボットを投入したりトッテン氷河の集中観測をしたりして頑張っているんだけど、上には上がいますなぁ。研究競争の激しい最先端に食い込んでいるとみるか、後塵を拝しているとみるべきか...
極地研創立50周年事業募金の返礼品
極地研創立50周年事業に募金していたその返礼品として、JARE63夏に解体した旧電離棟の壁材が送られてきました。ちょうど手元に旧電離棟で使われていた「南極プラグ」があったので、それを土台にしてみたら、これがピッタリはまって返礼品の額縁をみごとに直立させることができました。
実は、旧電離棟の解体作業は私の隊が到着してすぐに取りかかった仕事の一つでした。夏作業の見回り中に作業場を通りかかって、そのときに廃棄物集積場に打ち捨てられていたプラグを記念にと思って拾ってきていたのでした。返礼品に使われている壁材のほうは廃棄物コンテナに詰めて国内に持ち帰りとなっていましたが、今やフレームの中に収まって募金への特典として有効利用されています。そしてようやく、一緒に使われていたプラグとここで再会したわけです。額縁ごしとは言え相性がピッタリなのも当然なのかもしれません。
さて、解体された旧電離棟をはじめとした昭和基地の建屋の多くは、南極の厳しい自然の中で少人数の素人でも建屋を頑丈に組み立てられるようにと開発された「元祖プレハブ」でできています。この「南極プラグ」は、短期・少人数で組み立てるための工夫の一つなのでした。壁材パネルの接合部に取り付けられているフックどうしを挟むようにして引っかけるだけで隙間なく板を接合できる優れものなのです。
昭和基地の初期に建てられた旧電離棟で使われていた南極プラグは文鎮なみの重さの大ぶりなもの(写真右)でしたが、それ以降のものは簡素・軽量化がはかられて(写真左)、より扱いやすいものになっています。
実は、旧電離棟の解体作業は私の隊が到着してすぐに取りかかった仕事の一つでした。夏作業の見回り中に作業場を通りかかって、そのときに廃棄物集積場に打ち捨てられていたプラグを記念にと思って拾ってきていたのでした。返礼品に使われている壁材のほうは廃棄物コンテナに詰めて国内に持ち帰りとなっていましたが、今やフレームの中に収まって募金への特典として有効利用されています。そしてようやく、一緒に使われていたプラグとここで再会したわけです。額縁ごしとは言え相性がピッタリなのも当然なのかもしれません。
さて、解体された旧電離棟をはじめとした昭和基地の建屋の多くは、南極の厳しい自然の中で少人数の素人でも建屋を頑丈に組み立てられるようにと開発された「元祖プレハブ」でできています。この「南極プラグ」は、短期・少人数で組み立てるための工夫の一つなのでした。壁材パネルの接合部に取り付けられているフックどうしを挟むようにして引っかけるだけで隙間なく板を接合できる優れものなのです。
昭和基地の初期に建てられた旧電離棟で使われていた南極プラグは文鎮なみの重さの大ぶりなもの(写真右)でしたが、それ以降のものは簡素・軽量化がはかられて(写真左)、より扱いやすいものになっています。
南極探見500日
『南極探見500日 岩手日報特別報道記録集』
昭和基地で共に<500日>を過ごした同行記者がまとめた<探見>本が出版されました。
現場の研究者やエンジニアなどの専門家にもしっかり取材(越冬隊長からの入れ知恵もちょっと)。
秀逸な写真と関連する情報がぎっしりコンパクトに詰め込まれています。
ネット配信動画とも連動していて、マルチメディア的に楽しんで学べる「科学読本」です。
昭和基地で共に<500日>を過ごした同行記者がまとめた<探見>本が出版されました。
現場の研究者やエンジニアなどの専門家にもしっかり取材(越冬隊長からの入れ知恵もちょっと)。
秀逸な写真と関連する情報がぎっしりコンパクトに詰め込まれています。
ネット配信動画とも連動していて、マルチメディア的に楽しんで学べる「科学読本」です。
越冬アルバム「開拓者たち」
研究室のほうに郵送してもらっていた越冬アルバムを、GW明けの今日になってようやく開封しました。すごいのができた!と喜んでいます。
アルバムの横にあるのは、越冬中の6月3日を「63記念日」として祝った際に越冬仲間からサプライズプレゼントされた飾り盾です。この盾の絵は63次隊ロゴを選ぶコンテストに応募した私のデザイン(残念ながら落選でしたが)で、その下に私の座右の銘があしらってあります。
当時、サプライズ用の下調べとは知らずに「ミッドウィンターの隊長挨拶で使いたいので教えてください」という隊員からの要請に返答して、『開拓者は矢を受け、入植者は土地を手に入れる...されど開拓者たれ』というこのフレーズを返答しており、それが盾に刻まれて戻ってきていたのでした。
盾をプレゼントされたそのときも涙が出るほど嬉しかったのですが、今回、仕上がってきたアルバムの封を開いて初めて、みんながこの銘を記念アルバムのタイトルにも選んでくれたことが分かって、いま一度泣かされてしまいました。これほど越冬隊長冥利に尽きることはありません。
内容については、歴代越冬隊のご多分に漏れず結構微妙な画像が多いため、世界に向けてご開帳、というわけにはいかないのが残念ですが、お近くの越冬隊員にお問い合わせただければ、のぞき見ぐらいはさせてもらえるのではないかと思います。
アルバムの横にあるのは、越冬中の6月3日を「63記念日」として祝った際に越冬仲間からサプライズプレゼントされた飾り盾です。この盾の絵は63次隊ロゴを選ぶコンテストに応募した私のデザイン(残念ながら落選でしたが)で、その下に私の座右の銘があしらってあります。
当時、サプライズ用の下調べとは知らずに「ミッドウィンターの隊長挨拶で使いたいので教えてください」という隊員からの要請に返答して、『開拓者は矢を受け、入植者は土地を手に入れる...されど開拓者たれ』というこのフレーズを返答しており、それが盾に刻まれて戻ってきていたのでした。
盾をプレゼントされたそのときも涙が出るほど嬉しかったのですが、今回、仕上がってきたアルバムの封を開いて初めて、みんながこの銘を記念アルバムのタイトルにも選んでくれたことが分かって、いま一度泣かされてしまいました。これほど越冬隊長冥利に尽きることはありません。
内容については、歴代越冬隊のご多分に漏れず結構微妙な画像が多いため、世界に向けてご開帳、というわけにはいかないのが残念ですが、お近くの越冬隊員にお問い合わせただければ、のぞき見ぐらいはさせてもらえるのではないかと思います。
功労表彰いただきました
五七の桐の紋がついた彰状が郵送されてきたので、ひっそりといただきました。
帰国して約1週間.まだシャバに順応し切れていないのに,いきなり学会出席やゼミ募集説明会などで,強制的に国内での仕事が始まりました.怒濤のように流れ込んでくる刺激が多すぎて頭が混乱しています.
加えて帰国報告準備や昭和基地に残してきた作業を逆リモートで片付けたり.
情報収集の過程で,留守中に世の中で進んでしまったことで驚愕したことの一つが「ChatGPT」.これは学生を教える側としては戦略を大幅に変更しなければならなくなるな,と完全に頭を揺さぶられています.
ChatGPTの実力がどんなものかすごく気になったので,勝負を挑んでみました.一応勝った気にはなれたので,あとはその特質をつかんでうまく使いこなす方に回るまでです.
以下,南極帰りの私がChatGPTに挑んだ「ある質問」へのChatGPTの回答です.「研究者からのインプットが必要」と言わせてしまったところが勝負のつきどころだと思ってます.私も頑張ります.
ChatGPT>>〝申し訳ありませんが、私が知る限りでは、最近トッテン棚氷からの流出に関する情報はありません。ただし、トッテン棚氷は長期間にわたって縮小しており、その結果、氷棚から流出する氷の量が増加している可能性があります。
トッテン棚氷は、南極大陸の西側海岸に位置し、海水面上昇に影響を与える重要な役割を果たしています。そのため、トッテン棚氷の状態や変化に関する継続的な監視が重要であり、多くの科学者がこの地域での研究を行っています。今後もトッテン棚氷に関する情報が入手でき次第、随時更新していきます。
加えて帰国報告準備や昭和基地に残してきた作業を逆リモートで片付けたり.
情報収集の過程で,留守中に世の中で進んでしまったことで驚愕したことの一つが「ChatGPT」.これは学生を教える側としては戦略を大幅に変更しなければならなくなるな,と完全に頭を揺さぶられています.
ChatGPTの実力がどんなものかすごく気になったので,勝負を挑んでみました.一応勝った気にはなれたので,あとはその特質をつかんでうまく使いこなす方に回るまでです.
以下,南極帰りの私がChatGPTに挑んだ「ある質問」へのChatGPTの回答です.「研究者からのインプットが必要」と言わせてしまったところが勝負のつきどころだと思ってます.私も頑張ります.
ChatGPT>>〝申し訳ありませんが、私が知る限りでは、最近トッテン棚氷からの流出に関する情報はありません。ただし、トッテン棚氷は長期間にわたって縮小しており、その結果、氷棚から流出する氷の量が増加している可能性があります。
トッテン棚氷は、南極大陸の西側海岸に位置し、海水面上昇に影響を与える重要な役割を果たしています。そのため、トッテン棚氷の状態や変化に関する継続的な監視が重要であり、多くの科学者がこの地域での研究を行っています。今後もトッテン棚氷に関する情報が入手でき次第、随時更新していきます。
任務完了
任務完了。
越冬残りあと1日。
越冬残りあと1日。オングル海峡の見晴らし沖の開放水面を、しらせの数倍ほどもある巨大な氷山が行ったり来たりしています。ここ数日曇天続きで、夏オペ時期とは思えぬモノトーンで寒々しい景色になっています。この氷山がこままま見晴らし沖に居座ってしまうのやら...
開放水面
昨日にしらせが昭和基地を離岸したばかりですが、ここ数日吹き続けていた15m/s越の北東風の影響でオングル海峡がすっかり開放水面になってしまいました。しらせが砕氷した跡なぞ、もうどこにもありません。そのしらせは現在、チャンスとばかりにこの開放水面を自在に航行しながら、ラングホブデ氷河のカービングフロントあたりで、マルチビームソナーやリモコン潜水艇を駆使して、海氷があると難しい氷河前面の海底探査にいそしんでいます。その反面、これから越冬を迎える64次越冬隊は、オングル島から大陸へ渡る経路を失って気落ちしています。樋口越冬隊長は前回の57次でも海氷流出を経験していますから、あの時の悪夢の再来で、さぞかし大変でしょう。はやく海峡が再凍結してくれることを祈っています。