日々の雑感 一覧

咲いた咲いた

image富山のおばさんから送られてきて,息子が大切に育ててきた水栽培のチューリップが咲いた.子供部屋は甘い香りで一杯.低温処理で開花調整し,今頃に開花するようになっているものを「クリスマスチューリップ」というらしい.長い冬で締め切りがちになる札幌の家だが,こういうのもいいな,と思った.

20年前のネタで書いた原稿が載った雑誌が送られてきた.原稿料の現物支給の意味もある.興味のある方は書店でどうぞ.


やっぱり一般受けしない

ドラムリン問題の話はどこでも一般受けしない.サイエンスカフェでも,この話題に入ったとたんに聴衆の興味がサッと引いたのを感じた.現在書いている原稿でも,編集者から長すぎるというコメントがついて,一章分書いた中からわざわざドラムリンの項目をねらったかのようにそこだけがすっぽり削除されてしまった.カフェでの聴衆の反応よりも原稿が削られてしまったほうのショック大きいのだけれど,どうしたら,一般受けしてもらえる原稿になるんだろうと悩んでしまう.

火星でも持ち出すしかないかな?


CoSTEP本

CoSTEPが,そのノウハウを伝える「始めよう!科学技術コミュニケーション」という教科書を今月末に出版するらしい.前に著者から,サイエンスカフェ札幌で私が話したときの様子の写真を使っても良いか,という問い合わせが来ていたので,教科書が出来ることは知っていたけれど,もう出るの,と思った.

出版社は京都のナカニシヤ出版.ここからは,私も分担執筆した本を今年に出していて,その原稿料がほんとにささやかながら入ったばかりなので,CoSTEP本を一冊買ってみようかと思う.これで原稿料はナカニシヤに還元されてすっかりチャラ.

今日で札幌の小学校は二学期が終了.昨夜子供とテレビを見ていたら,ソグネフィヨルドやフロム鉄道が出てきた.来夏公開の劇場版ポケモンは,ノルウェーをモチーフにした「氷空(そら)の花束」という作品になるらしい.その予告編を見ながら「パパはここに行ったことあるし,こんな氷河に削られた地形を調べているんだぞ」と言ったら「スゲー」と感心されてしまった.北欧の風景がどんなふうにアニメ化されているか興味がある.夏休みには,息子につきあって見に行ってくるかな.

ところで,ペンギン怪獣「ペギラ」は南極にいるけれど,氷河ポケモンなんてのは,公式には存在しているのかしら?


年金問題もどき

数年前の大学法人化の直前に,研究科の点検・評価が入って,評価機構に提出する業績資料作りにかなりの時間を使わされた.そして今,法人化と学院への改組から数年たって,またまた点検.評価が課せられている.その中で,前回の法人化前の時に作った資料をもう一度出してほしいという依頼がきた.

前回の点検時に苦労した経験から,最近はなるべく同時進行・即時更新をこころがけて院生の業績を記録するようにしてきたが,これも自助努力の結果にすぎない.教員のほうは研究者としての自己評価もかかっているので,自前で自分の業績を管理している人が多いけれども,所詮,自己申告がなければ正確な把握が困難なのが業績記録.定期的な出入りが必然である院生や研究員の業績を過去にさかのぼって追跡することは非常に難しい.そのため,ついつい記録から漏らしがちになるのが苦労の種だ.

そもそも,業績を申告しないと修了させない,という規定でも作らない限り,院生にとっては組織の評価なんてどうでもいいことで,業績を記録してもらおうとするモチベーションは彼らにはまったくない.その一方で,組織としては,提示できる成果の量如何によっては自身の存亡もかかってくる時代になっているだけに,細大漏らさず記録しておく重要性はますます大きくなっている.なんとかこのギャップを埋めて,部局レベルで組織的に責任をもって記録する方法ってできないものだろうか?

この問題,昨今の年金記録管理問題にも似ているところがある.年金とは違って,学会発表や投稿論文の記録を申告しなかった院生が将来的に直接不利益を被るわけではないけれども,少なくとも大学院という最高学府で人生のいくばくかの時間を学術活動に費やしたことの記録がすっぽりなくなってしまうことは,ある意味,悲しいことだとは思わないだろうか?

人によっては,この大学院にいたことすら記録や記憶から抹消したいと思うケースもあるかもしれないけど...ここには,学術活動を個人の活動とみなすか,それとも組織に帰属するものとみなすか,という大きな問題もはらんでいる.極端な話,指導教員になんの連絡もなく,共同発表者に入れることもなく,院生が勝手に学会発表したり論文を投稿したりすることだってあるわけ.それをとがめられるかどうか,逆に院生のほうが,指導教員あっての研究成果だと思って発表できるかどうか,ということ.

教員側は教員側で,勝手に発表されたものであっても,実績として提示できるものならなんでも入れたい,という誘惑にも駆られるのは確か.勝手にやりやがって,と心で思いつつ業績リストに入れてしまうこともあるだろう.まあ,この場合は院生の個人的な研究成果として尊重しているだけマシで,世の中には,院生の成果をそのまま自分のものにしてしまう指導者もいると聞く.

いづれにしても,自己申告に発する業績記録を,自助努力によって日々蓄積していく積み重ねが,将来的に組織の存亡にかかわってくるという構図はまさに年金問題である.これはもう,指導教員と院生との関係レベルの話ではないことは確かだ.

まあ,要するに,本業以外のこんな雑用で時間をとられるばかばかしさと,教育という行為がそういう評価体制に縛られていることの理不尽さと,その世俗的重要性と組織的対応がかみ合っていないことへの不満と...ふと,まるで昨今の世の中の縮図をみているかのような気持ちになった,ということなんである.


先住民かもしれない私

お昼ごはんの時に教授がよく話題にする柳田さんのBlogを初めてみてみた.今日は「先住民的な研究」という話題だった.

しかし、これが聞いたこともない雑誌とか、科学の世界では辺境のような場所とか、そうでなくとも、日本人が日本でやっていて、ほとんどまわりが気にしてないような研究としていたとします。しかもそれが新しい研究で、さんぜんと光り出すような研究になるとします。欧米系の研究者ではこういう時に、この聞いたことのない研究はまあ先住民的なので、「無視」しよう、と決める人達が案外いるのです

ああ,そうだったのかと合点.

「さんぜんと光り出」してはいないとしても,私の場合,かなりこれに当てはまるような気がする.10年前の論文は,ようやく最近ちょっと光り始めた気がしているけど,先住民的に扱われてきたと思えるフシはいくらでも思いつく.その一方で,エドモントンでお世話になったShaw教授には,言葉の問題とか無名の田舎研究者とか,そういうことに関係なくつきあっていただいた.そういえばShaw教授も

世の中には既に発見されているのに、もう一度発見したがる人達が沢山いるのだよ

と同じような言葉で慰め勇気づけてくれたことを思い出した.まあ,学説論争の中で同じ立場にいるという,それだけでも,身内感覚でつきあっていただけた要因を持ち合わせていたというのもあるのだけれど...

ということで,近況報告と最近の論文の別刷りを添えてカナダへクリスマスカードを送った.Shaw先生はお元気かしら?


カード

昭和基地周辺は繁忙期に入ったようで,ネット経由でいろいろ情報が入ってくるようになった.

校費払いと私費払い共用のクレジットカードが届いた.同窓会のゴールドカードと同じデザイン.金ピカでなかなかかっこいい.これで,カードでしか買えなかったものや海外での利用が便利になる.といっても,従来の売掛ができるものには使えないので,かなり限定されるけど...

Tigerのアップデートをかけたら,Safariがformのtarget=”_blank”で死亡するようになった.WebKitのセキュリティ対策のバグか?


よくまあ…

どうも調子が悪いので診てもらったら「大学の先生でしょ,よく仕事できてましたね」と言われた.確かに,12月に入ってから集中して考え事が出来ていなかったような...抗生物質を処方してもらってしばらく通院することに...

恐竜のDVDが来た.南半球のジュラ紀と白亜紀の関係がよく分かっていなかったのだけれど,DVDを見てかなり納得.北半球でジュラ紀に絶滅していた種がオーストラリアでは白亜紀まで生き延びていた,ということ.それも暗夜期と極寒に適応しながら.意外に恐竜の環境適応性に関する研究は進んでいた.

そろそろ第一便が昭和基地に着くらしい.札幌は昭和基地よりも寒い.


講義終了

代打講義の最終回.やや不完全燃焼のまま終わる.


再履

11/29にしゃべったゼミの続き.つまり再履ゼミ.

このゼミ,北大内の有志が集まって開催されているPAGESゼミなんである.参加者は海洋地質・アイスコア・年輪・地形など,専門は幅広く違うけれども,古環境変動復元という大目標で共通する研究者.お昼ご飯を食べながら,話題提供者のプレゼンを聞いたり議論したりするという企画.私はこれに前々回から誘われて参加している.

今日は,私の提供した氷床変動の話題でなんとなく盛り上がった後,それぞれの講座でやっている普段のゼミや専攻・研究院のどのゼミよりも,このPAGESゼミが近場では一番白熱できるという意見まで飛び出す.私のつたない話でも,そう言ってもらえるのは嬉しいことだが,ここは研究所ではなく大学院なのだし,私自身も,このような話題で院生と議論しながら指導していく機会がないことに一抹の寂しさを感じてしまった.

結局「PAGESの王道をいってる日本人研究者はほとんどいないよね」ってことで,バラバラに存在する研究者の意識をまとめて,この業界を引っ張る論客レベルの議論と目標意識をコンセンサスとして構築していく必要性を認識したところで一致.

極地研がらみの最近の展望を鑑みるに,私としては,PAGESレベルで日本の南極観測が表舞台に出るのは相当難しいような気がしている.PAGES的には,南極が今まさに上げ潮の注目度を獲得しつつあるだけに,なんともいたたまれない気持ちになった.


聞いたような話

地質学会のニュースレター.いつもは封筒から出してすぐに茶飲み部屋の書架へ直行なのだが,今月号は先日札幌であった学会関連記事で読みどころが多く,自宅まで持ち帰る.中でも「日本の地質学者はいつから愛を失ってしまったのか」と題した東大磯崎教授の学会賞受賞記念講演録は非常に面白かった.近年の業績主義批判にはじまって,クーンのパラダイムシフト論まで,地質学者だけあって,都城秋穂の「科学革命とは何か」が出てくることまでは読みながら予想は出来たが,なんとなくどこかで誰かがうんちくをたれたことのあるような話にも似て非常に共感できた.

講演録音を元にした記事と言うことだが,ニュースレターにはそぐわないA4版6ページにわたる大作である.


1 107 108 109 110 111 112 113 174