Takanobu Sawagaki沢柿教伸

Takanobu Sawagaki

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flag.gif エドモントン滞在記
2002.6.16〜6.30
6月16
(日)


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fathersday02s.gif

sweden-r.gif1-2*senegal.gifスウェーデンvsセネガル
spain-r.gif1-1irland.gifスペインvsアイルランド
PK(3-2)

両試合とも文字どおりの「死闘」.瑞典負けちゃった...

これで,日本が土耳古に勝てば塞内加爾との試合になるわけか.


今日も暑い一日.夕方から風が出てきて肌寒くなる.

明日にでもありそうな鈴木議員逮捕.東京地検は,当初は日本代表がW杯一次リーグで敗退し,マスコミも落ちつくと読んでスケジュールを進めてきたように見える.もしかしたら逆に,W杯のごたごたにまぎれて大きく取り上げられることがないことをねらったのか?いづれにせよ,日本は勝ち残ってしまった.さて,どうする?別日にズラすか?

日本が勝ち進んでも恩赦なんてなしだよ.それにしても「500万円」とは,逮捕の理由が小さすぎる.

6月17
(月)


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mexico-r.gif0-2USA.gifメキシコvsUSA
brazil-r.gif2-0belgium.gifブラジルvsベルギー

合衆国おそるべし...

巴西はやっぱり強い.白耳義には悪いが,日本はグループ1位で通過してよかったとつくづく思う.


日本チームもそうだが,近年のサッカー界の特徴は,プレーヤーの国際化が進み交流が盛んになったことである.その影響で,各国の代表選手は,出稼ぎ先での経験をたずさえて母国のために戻ってくるので,ナショナルチームの実力はその国内のリーグの実力をそのまま反映するわけではなくなった.仏蘭西や亜爾然丁があえなく敗退してしまった今回のW杯は,こうしたナショナルチームの実力の均等化の流れを如実に反映している大会だといえるだろう.

今やサッカーが国際的に流動している中で,合衆国はサッカー不毛の地といわれている.朝日新聞のコラムでは“サッカーに燃えない国 ”呼ばわりされ,米国在住者からは“こんなこと”も言われたりしている.しかし,実際の米国の事情をみると,西班牙語系亜米利加人(Hispanic)のファンが多いということだ.米国サッカーはヒスパニックに代表されるマイノリティ達に支えられているのである.その実情を知るにつけ,“サッカーに燃えない国”という見方は違うんじゃないか,と考えるに至った.
  • 今朝の合衆国vs墨西哥戦は,サポーターやプレーヤーレベルでみれば同類同士の対決だったも同然であことを考えれば,墨西哥の敗退もそれほど驚くには当たらない.これは,開幕戦の仏蘭西vs塞内加亜とよく似た構図でもある.
  • また,マスコミや主流派の目を通してしか世界が見えない人には,米国は“サッカーに燃えない国”なのだろうけど,きっとそれは表面的な米国の姿なのだと思う.その裏には,W杯をTV観戦したくてうずうずしているマイノリティが大勢いるはずなのだ(大勢ならマイノリティじゃない,って突っ込みはなし).
  • そして,彼等にW杯全試合の生中継をサービスしようという全国ネットが存在しない,というのもまた米国の姿なのである.
  • 本当の米国は“サッカーに燃えない国”ではなくて“サッカーに燃えない人もいる国”なのに,燃えない人達の顔のしか“見えない,見せない,見させない”,という風潮が米国親派内に存在している.
  • これらを考えあわせると,サッカーの視点でみれば,“世界のマイノリティ”とも呼べる人々が“世界のメジャー”を押さえて“米国の顔”を形成しているのだといえる.

最近では,米国のヒスパニック・パワーに注目する記事をよく見かける.自国にしか通じない野球を“ワールドシリーズ”といってはばからない米国はそのうち世界から孤立するだろうが(もう孤立している?),W杯で活躍できる米国人としてのヒスパニック・パワーも存在していることが示されたと思う.そいうところが米国の強みなんだな.サッカー一つとってもそうなんだから,米国の国際地位全般の行く末は,まさにマイノリティの動向にかかっている,と言っても過言では無かろう.

W杯からいろいろな世界が見えてきて面白い.


お茶の時間にこのことを話題にしたら,Shaw教授も納得してくれた.幸いサッカー狂の教授がいるおかげで,エドモントンにいてもサッカーの話題にことかかないし,それほどサッカーがマイナーだという気もしない.しかし教授の話では,一般のカナダ人は米国人と同じだという.また,あちこちからの移民が多いので,カナダ人は故郷の国を応援している人が多いとか.日本でベッカムが主婦や若い女性に人気があると伝えたら,日本の社会ってそんなだったの?と驚いていた.

多分,w杯開催中の日本は,マスコミが芸能人やレポーターを総動員して,毎日お祭り騒ぎをやっていることだろうと思う.それに比べたらカナダのマスコミは淡々としたもの.そもそもカナダのマスコミには,日本のような下品なワイドショーもないし,軽薄な芸能人を起用することもほとんどなく,大人の世界として安心して見ていられる.これは是非見習うべき姿勢だと思う.

6月18
(火)


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japan-r.gif0-1turkey.gif日本vsトルコ
korea-r.gif2*-1italy.gifm1003_kusudama.gif韓国vsイタリア

日本惜敗

なんと
韓国が伊太利に勝利


どちらもを征したという結果.


韓国は誤審の助けを得た粘り勝ち.日本の敗因はミスが目立ったことだろう.失点もバックパスのミスが招いたコーナーからだった.なにはともあれ,日本を破った土耳古には大きな拍手をおくりたい.

仏蘭西や亜爾然丁が敗退したときの国民の落胆ぶりは記憶に新しいが,同じように脱力感に似た無念さを感じる.“やっぱり負けたか”じゃなくて“チクショウ負けたか”といえるのは画期的なことだ.実力があったのに勝てなかった,といえる試合だったかもしれない.日本はよくやった.主審は私が好きな伊太利のコリーナさんだった(カナダのTVでは,コミカルなCMに出演している).期待通り,采配にも文句はなかった.

日-土戦直後には上のように書いたが,韓-伊戦を見たら日-土戦への気が変わった.

韓-伊戦は決勝Tにふさわしい死闘だった.この試合は,日-土戦がこれまでの決勝T戦の中で唯一死闘ではなかったこと,私の最初の記述が悔しさを納得させるための慰めにすぎないことに気付づかせてくれたのだ.日本代表はテンションを落としたんじゃないかと思えるほど,すっかりW杯前の姿に戻ってしまっていた.これでは勝てない.せめて,開催順序が逆で,韓国の勝利に誘発されて日本も奮起する状態だっらなあ,と思ってみたりもする.W杯が終わったら,是非,日-韓戦をやって欲しい.それもサポーター込みの死闘モードで.

それにしても,韓ー伊戦のジャッジはダメダメ.死闘の意義も半減するし,あれじゃ伊太利がかわいそうだ.

---以上,徹夜観戦興奮モード---


FIFA国際ランキング上位の大半が下位に破れて姿を消したことになる.
1st落ち:1位.仏蘭西, 2位.亜爾然丁, 5位.葡萄牙
決勝T:6位.伊太利(40位.韓), 7位. 墨西哥(13位.米)


また,8強が出そろってみると,世界に均一に散らばっている.これは非常に興味深い.
独逸(11位)-合衆国(13位) 西班牙(8位)-韓国(40位)
英格蘭(12位)-巴西(3位) 塞内加爾(42位)-土耳古(22位)

私のお気に入りは伊太利だったが,あえなく敗退.あとは独逸を応援するのみ.


---以下,通常モード---

試合前にトルシエ監督は,選手の気の弛みを押さえるために「大志を持て」と言ったとか.試合後の会見では,「同じペース、同じリズムで強化を続ければ、さらに素晴らしい選手が育ち、高度な日本サッカーが生まれると確信している」と述べたと伝えられている.そして彼は役目を終えて日本から去っていく.まるで維新直後の黎明日本を去っていくクラークさんのようだ.

そのことで気付いたのだけど,本命視されていたチームがつぎつぎと敗退する現象の裏に,世界のサッカー界に流動化という変化があることは何度か書いた.その変化に乗って良いほうに向かっているのが日本や韓国やセネガルなわけだ.しかし,ここで,敗退したフランスの監督が“若い世代からチームを作り直す”と言っていたことは注目しておかねばならない.トルシエ氏のいう“同じペース”を保つ要は,何と言っても次の世代の育成にかかっていると思うからだ.

実際,現日本代表は,ユースの時に才能を見い出されて,その後にいろんな経験とステップをこなして実力をつけてきた選手に支えられている.では,今のユースに,現代表が見い出された頃に匹敵する大物注目株がいるか?となると,これがどうもあやしいのだ.4年後のW杯で今回以上の成績を望むのであれば,新たな若手の発掘は急務だと思われる.

唯一の期待は,日韓共催のW杯で,多くの若者の心をうつようなすばらしい試合が展開されて,一時的なお祭り騒ぎに終わらずに,次の世代への大きな刺激として残っていくこと.実際私もそうだったわけだし...(5/31

にわか評論家として書きたいことはすべて書き切ったこととして,本日以降は気楽に死闘を観戦したい.

6月19
(水)


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昨夜は試合がなかったので,ゆっくり寝られた.

それにしても,ゴールデンゴールを決めた安貞桓選手をやめさせようとしているペルージャのオーナーはなんだかなあ.

“ナショナリスト”だって言うんなら全員伊太利人選手にすればいいんだよ.まったく“流動化”に逆行している.中田を高値で売り飛ばしたことからも分かるように,“ナショナリスト”なんて高尚なものじゃなく,“守銭奴”という評判は本当かも. 実際,伝えられているオーナーの発言は金のことしか言ってないもん.

朝日新聞のこの記事はまったくヒドイ話.国立競技場で陸上大会を開催しようとした全国定時制通信制高校が,プロ格闘技の興行を優先させた競技場側から強引に日程を変更させられたうえ,結局は,興行が延期となり,元の日程に戻すことになったという.

国立競技場は国の補助だけではやっていけない,というのも分かるが,本当にビジネスライクにやるなら,無理して変更させた日程への保証やおとしまえをつける契約も結ぶべきで,定時制高校側が訴えれば,金銭的には損害を取り戻す権利はあるはずだ.逆に,純粋に公共事業としてやるのなら,収入の多少は日程の優先度とは無関係の話なのであって,むしろ,働きながら学ぶ生徒達を優先させるぐらいの気概があってしかるべきだ.それがスタンダードというもの.行政法人だか自己採算制だかしらないけれども,理念もへったくれもない中途半端さが一番良くない.

独法化した後の国立大学も,こんな醜態をさらす組織になるんじゃないだろうか,と心配になる.

問題のプロ格闘技がどの団体か明らかになっていないが,その手の人たちって,仁侠でおとこぎのある人達だという印象が私にはある(女子プロだったりして).この件に関して,彼等の方から何か一言,定時制高校側に仁義を切ることはないのだろうか?そんなこころ配りすら無くなってしまうようじゃ,もう日本も終わりだ.


低温の紺屋さんから質問が来て,それに応えるメールを書いていたら,結局深夜2時になってしまった.明日からまた準々決勝が始まるし...ということで,上記二題のムカツキついでにもう一題(決して紺屋さんにムカついているわけではない)

朝日新聞で紹介されていたNY Timesの「サッカーはまだ、米国でのパッション(情熱)にはなっていない」と題した IRA BERKOW氏コラム記事は,まったくもって不愉快.氏の言う“アメリカ人の血”って何のこと?私が17日に書いた視点をまったく持ち合わせていない.米国を支配する巨大マスコミの正体ここにありって感じだな.それを,これみよがしに紹介する朝日新聞も同じ穴のムジナだ.

6月20
(木)


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<わたしの決勝進出予想:本命>

ブラジルbrazil-r.gifvsgermany.gifドイツ

<わたしの決勝進出予想:大穴>

 合衆国USA-r.gifvsturkey.gifトルコ

いよいよ明日未明,事実上の決勝と言われる“英格蘭vs巴西” 戦.Shaw教授も夜更かし準備万端らしい.

予想の“大穴”パターンが現実になれば,今回のW杯はなかったことにしよう,と言い出す連中も出てくるかも.

教授は手堅く“英格蘭vs西班牙”の決勝を予想.


ペルージャのガウチ会長の一件の続き.老舗組が勝っているうちはいいけど,ボスマン判決以降の流動化で新興組が台頭してくると,いろんな影響も出てくるんだねえ.そんな時に老舗側がやる常套手段はもう分かっている.それは,自分たちに有利になるようにレギュレーションを変更しちゃうこと.しかも,みかけ上“紳士的”に.次回は独逸開催だから大いにあり得る.

一方,韓国戦ではつきものとなった対戦相手の退場シーン.その不自然さに疑念の目を向ける動きがある.その推測がホントなら,ガウチ氏以上の汚い話.ジャッジ買収の真偽のほどは闇の中だけど,スタジアムの垂れ幕やサポーターの素行は,見ていて下品だと感じたし,ホスト国としての歓迎意識に至ってはみじんも感じられなかった.無実だといくら言おうが,悪い印象を残したことだけは確かだ(横断幕のイタリア語をTVで見てWebで翻訳してみた.その意味が分かったとたん開いた口がふさがらなかったよ)

国際社会はそんなに甘いところじゃない.屈辱を与えたらそのしっぺ返しは必ずある.悪意を感じ取った人たちによって“紳士的”な報復を画策する動きがすでに水面下で始められている,と見て良いのではなかろうか.無念のうちに遠路を帰国して行ったのは一国や二国じゃないからね.ガウチ会長の発言なんてかわいいものだよ.だから“彼の発言は幼稚だ”と非難するのは正しい.そして幼稚な彼のことはそれきりにして,もっと大きな紳士世界からの反撃に畏れを抱く謙虚さを持つことが肝要かと.

それらに比べたら,日本はなんと脳天気なことか.国際社会での日本の未熟さを露呈しているようでもあって,なんとも皮肉な話だが,スポーツに限っては,その純朴さが大切だと思う.柔道が国際的なスポーツに成長して一人歩きしている現在でもなお,本家日本が世界から一目置かれているのは,柔の精神の維持を訴え続けているからだと思う(その割には山下や斉藤が外国のコーチに招かれたという話は聞かないが...).サッカーもそう.英国がイングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドの4つの地域から代表を出す権利が認められれているのも,同じように本家として世界から敬意を得ているからだろう.下品な横断幕を垂れて平然としている韓国のサポーターは,サッカー史に大きな貢献をしてきた欧州諸国に微塵の敬意も払っていない.それが共催国だと思うとただただ悲しい.

味方を応援し,敵を讃え,たとえ負けても気持ち良く帰国させること.ホスト国として紳士的に振る舞うことは,世界的な敬意と賞賛を得るために重要な要素だということを再認識した.そして,よい意味でも悪い意味でも,サッカーは“紳士のスポーツ”であり続けてほしい,と願わざるを得ない.

6月21
(金)
夏至


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準々決勝

england-r.gif1-2brazil.gifイングランドvsブラジル
germany-r.gif1-0USA.gifドイツvsUSA

母国vs王国の死闘は王国の勝利.
なかなか雰囲気の良い好試合だった.高温多湿が味方したかな?

2試合とも予想も当たったし満足.明朝のShaw教授は肩を落としているに違いない.


“南極観測隊が,これまでの越冬隊中心から夏隊中心に研究の比重を移し,隊員数を最大100人に増強することになった”という記事を読む.

夏隊重視・人員増強の方針によって推進される研究テーマとは,(1)気候など環境変動(2)天文やいん石(3)極限環境に適応する遺伝子資源としての生物群,ということらしい.“なーんだ,ほとんど全分野じゃないか”と思ってしまうけど,強いて言えば,私は(1)に相当するのかな.

隊員を100人にする増強案自体は歓迎したい.そして“100人計画”をぶちあげる以上は,それ相応の環境整備も同時に行われるものだとも期待しよう.しかし,ひねくれた私は,ちょっとまてよ,ホントに期待していいのか?と,どうしても素直にはなれないのである.なぜなら,記事からは,越冬しなくてもよくなったとか,定員を増やしたから,ということだけで,研究者がこぞって南極に行きたがる状況が生まれるだろうと目論んでいるようにしか読めないからだ.

確かに,越冬隊は長期間職場を離脱しなければならないので負担が大きい.しかし,一旦,長期不在にすることに納得してしまえば,丸一年の十分な観測期間が保証される.一方,夏隊は,5か月の拘束のうちの大半が移動に費やされて,実際に南極で観測できる期間は良くて2か月間しかないというのが実情だ.それに加えて,出発前後の身体検査・荷造り・訓練などに費やされる時間も数カ月は取られることを覚悟せねばならない.氷状・天候・人為的な事故等で船の運行や観測器材に支障が出れば,南極の2か月ですらフルに使えるかどうかも怪しくなる.この状況は,船の輸送に頼っている限り基本的には何も変わらない.だが,しらせに次ぐ新しい船の計画とも絡んでいるという記事の内容から察するに,どうやら日本はまだ船でやるつもりのようだ.

さて,時間的な歩留まりで考えた場合,あなたなら,研究者として,夏隊と越冬隊(あるいは行かない)のどちらを選ぶ?本気な研究者であればあるほど,単純に,夏だから行きやすい,という訳にはいかないことがよく分かるでしょう?

時間的な歩留まりの問題は別にしても,現実問題として“定員が少なくて枠に入れてもらえなかった”とか“行けたとしても越冬隊になってしまうんじゃあねえ...”ということを理由に,南極行きをあきらめていた研究者は今までどれだけいただろうか?少なくともそういう潜在的な需要が毎年50人はあった計算にならないと,計画にある100人の定員を埋めることにはならないのではないか?という心配が残る.私には50人もの潜在的な需要があったとは思えない.

研究者が南極に行けないホントの理由はそんなことじゃないでしょう?それは極地研が一番良く知っているはず.


“100人計画”にとって,私が期待する一番肝心な環境整備とは,国家公務員でなければ観測隊員になれない,という現在の規定をはずして,学生でも私立大の先生でも民間企業のサラリーマンでも,研究計画をアプライしてきた人たちに南極観測の機会が与えられるようになることだ.さらには,旧日本軍みたいな巨大戦艦主義はもうやめて,航空輸送が可能になったり,比較的小回りのきく観測船を複数投入したりして,機動的かつ多方面への展開が実現されれば,もう言うことは無い.いやむしろ,これらの条件が整わないことには,夏隊中心の100人体制の観測隊はおろか,新しい世紀の南極観測はいつまでたっても始まらないいのではないかと思う.

たとえば,夏隊の研究者が現在の倍になったとして,彼等の欲求を全て満たすには,個々人のリクエストに応えられるよう,支援体制の強化も必要だ.特に,移動用のヘリや雪上車も今以上に増やさなければ要求についていけないだろう.人数が増えると言うことは,それだけ危険も増えるということでもあり,健康管理や危機管理も重要になってくる.

航空機が数日おきに飛んでいて,定期的に文明圏と行き来できている環境ならばそれもなんとかなるだろうが,年に一往復しかしていない船一隻にたよっている現状で,孤立した空間に大勢の人間を抱えることは非常に危険である.そもそも,観測隊の人数は,そのようなロジスティクスの条件を考慮して,支えきれる上限として決まったという要素もあるのではないのか?そのことを忘れて,ただ人数を増やせばよい,という考えがあるのであれば,それは安直すぎる.

また,参加資格の規制を緩めて,研究者を参加しやすくする環境整備がまったく想定されていないとすれば,もう極地研は実地の研究者と乖離してしまって,どこかお高いところに昇ってしまっていると言わざるを得ない.“資格”の部分に手をつけないまま定員だけを増やすことは,むしろ,なんとか頼みこんで隊員を確保してきた従来の苦労を,今まで以上に増やすだけだろう.

あっ!それとも,部外から希望者を募ることは最初から想定していないのかな?しもかしたら,夏隊の100人を集める目星は,行政法人や省庁内ですでについているのかもしれない...南極観測事業と予算をこれまで通り公務員の範囲でおさめてしまう,そのために派遣元の行政法人や省庁を説得しやすくする環境整備をやっているんだ,という目論見なのか極地研と他の国立研究所との統合の話もあるようだし,なんだかこの筋書きが記事の解釈に一番しっくりくるような気がするなあ.そんなことが画策されているとしたら最悪の事態だけど,真相はいったいどうなんだろう?

詳細な計画が分からないので,何とも言えず疑心暗鬼になりがちなところが多すぎる.いつもいつもそうなのだが,極地研から外部の研究者への情報の流れが悪すぎるのだ.この一件にしたって,越冬経験者や将来的に100人の夏隊に入りそうな研究者に事前になんらかの情報が流されたという例を聞かない.私のところに流れてきていないことを単にひがんでいるだけように聞こえるかもしれないが,研究者は無尽蔵にいるわけでは無いし,本気で南極のことを考えている研究者に至っては100人の日本人の中に入れる自負はあるつもりだ.

ほんとに100人集まるんですかあ?〜〜〜と善人モード
100人の食いぶちをつくるのもたいへんですな〜〜〜と商人モード
一人占めしないで少しは分けてね〜〜〜と小悪魔モード

6月22
(土)


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準々決勝

spain-r.gif0-0Korea.gifスペインvs韓国
PK(3-5)
senegal-r.gif0-1*turkey.gifセネガルvsトルコ

1-0で西班牙の勝ちのはずが,延長に.
延長で1点追加したはずなのに,PKになって
最後は,なんと韓国の判定?勝ち.

塞内加爾-土耳古戦は,これぞW杯というみごとな死闘.去り際もすがすがしい.ほんとにいい試合だった.西班牙-韓国戦の後にみるとその思いも倍増.


西班牙-韓国戦の延長はもうヘロヘロで,出されたボールに辿り着けないのがよく分かる.韓国サポーター一色のスタジアムで,オフサイド取り過ぎのへんなラインズマン付き,という状況の中で,スペインはよく戦った.なんだか映画「勝利への脱出」を思い出してしまったよ.取り消された2点は本物だ.私が保証する.

1st Stage以来いろいろ問題視され,決勝Tのイタリア戦では疑惑が決定的になったので,今回は真剣にTVの画面を見つめることにした.やっぱりこのゲームは違和感ありまくりだ.一観戦者にすぎない私があれこれ言うより,百戦錬磨のスペイン選手の怒りとあきらめとしらけた表情をみれば,その異常さはだれもが納得出来ると思う.それでもキレずにプレーを続けたところにスペインの意地を見た.

TV中継は選手の表情も克明に伝える.こんな試合が世界中に配信されていると思うと,目の肥えたサッカー熱狂国からの反応を考えただけでもゾッとする.サッカー途上国の日本人がどこまでこの感覚を世界と共有できるか.

共催国だしアジアの隣国だから応援していたけど,正直いって,韓国戦をみるのはもういやだなあ.ドイツ勝てよ!たとえレッドデビルがハーケンクロイツを掲げて侮辱するようなことがあっても決してめげるな.そして日本の土を踏ませるな.(なんだか,過激になってきたなあ...でもそれほど腹が立っているということ)


今日も暑い一日.洗濯と掃除をすませたら,もう汗だく.

footefield-s.jpgその後,通学路の途中にある陸上競技場で開催されている“カナダ陸上競技チャンピョンシップ”を見物に行く.昨年の世界陸上のために新造された競技場で,大学の農場の端にあり,あまりあか抜けた競技場とはいえないんだけど,展開される競技はなかなか.競技場に日陰らしいものが無いので,炎天を避けるのに一苦労.結局遠くの木陰に待避したけど,汗だくになった.

陸上観戦から帰ると,宿舎前の芝生でサッカーの練習をしている少女たちがいた.女の子のサッカーユニフォームもなかなか決まっていてかっこいい.彼女たちを見ていて“I am sam”という最近の映画を思い出した.知的障害者の父は確かスタバの店員だから,米国の話なんでしょう.でもその娘もたしかサッカーをやっているんだよね.クレイマークレイマーのダスティンホフマンを凌ぐ演技といわれるSean Pennは昨日のTVでやっていた“Dead man walking”で観たばかり.日本では今頃ロードショー中のはずだが,こちらではもうDVDが出る頃.買ってきて観ようかな.

2/7にヤフーオークションで盗品売買が行われていることについて書いた.その時に紹介したページの内容が「ザ・スクープ」で取り上げられたので,番組のネット配信版を観る.

6月23
(日)


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独逸が負けてしまうと,韓国で行われる3位決定戦には韓国は出ない.それでは,自国の試合以外に興味のない韓国人の入場者が激減してしまうので,多分負けるのは韓国だろう,という予想がある.しかも,韓国vs巴西という3位決定戦になるともっと嬉しいらしい.

この予想が書いてあるページ.読者からの情報で今日になって知ったのだけど,詳細な分析によってW杯の問題を,ずっと前から予言していて,なかなか読みごたえのあるページだ. ちょっとトンデモっぽいところが好きだったりして.

いみじくも,先日紹介したNY Timesのコラムには「なかなか得点が入らないが、入れば、独裁者を倒したような喜び方をする。それが試合の前半の途中であってもだ」とサッカーを皮肉る記述があるが,まさにその点ではコラム筆者の視点は正しい.サッカーはなかなか得点が入らないからこそ,実力差があっても微妙なバランスで勢力が崩れるハプニングがあるのだし,サッカーの観客は勝ち負け以上に,その不安定要素の中で競技する一流プレヤーの妙技を見られることに期待しているのだ.

誤審は,チャンスをつぶし,選手の精神的なバランスを崩すことで,この不安定要素のありかたをゆがませてしまう.サッカーは流れとリズムの競技であり,メンタルな部分も重要な要素だ,誤審の真偽にかかわらず,選手が不正を感じてしまったらそれまで.

ホスト国のサポーターより“サッカー不毛”の米国のほうがよほどよくサッカーを理解していると感じた.野球やバスケで磨いたスポーツ観が生きているのであろう.マイノリティ無視の意見には不愉快になったが,今回の件に限っては,このコラムを評価しなおした.


W杯のうっぷんばらしに,今日もカナダ陸上を観戦しに行こうかと思っていたけど,昨日以上の熱風が吹いているので外出はとりやめ.さすがに,いつも聞こえているはずの子供達の遊び声もなく外はひっそりしている.みんな涼しくなってから出てくるのかな.なんせ夜10時まで明るいんだから.

夜,“Ruby Bridges”という実在の黒人女性の少女時代を描いたテレビ映画を観る.1960年代の米国の教育界をめぐる人種差別をテーマにしたなかなかの秀作.

6月24
(月)


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NY Timesのこの記事(原文はこちら)を読むと,昨日の“韓国は3位に”という予想ははずれ?とも思う.こういう生々しい記事を載せるのもなんだかなあ,という気もするし,サッカー音痴なNY市民がこれを読むのか,と思うとゾッとする.記事の最後の一言は逆じゃないの?と思ってしまうのは私だけ?

上記のNY Timesの記事は,サッカーの話を国家レベルの問題にまで一気に飛躍させている.この記事に嫌悪感を覚えるのはそのためだ.W杯の話はFIFAレベルで納めたい,というのが私の本音であるが,ソウル発の記事がそういう見解をNY Timesを通じて世に問うているのだから,読者の感想ぐらい述べても文句は言われまい.NY Timesの記者のアジテーションにのせられていると取られると悔しいが,ひとまず一読後の感想をまとめておく意味はあると思う.ということで,私は一日本人として,上記の記事を以下のように解釈した.

予想はどうあれ,ここまできたら国家としては勝ったも同然.四強に進んでしまえば,最後まで試合ができることに気付く必要がある.準決勝以降の試合がどのような結果で進行していこうとも,全てのパターンで,それなりに“国威高揚”という“野望”を達成できるからだ.すでにこの領域まで入り込むことに成功しているのだから,明日以降の試合でクリーンな審判を起用したところで,すでに手後れ.

また,今大会の成功しか考えていないやりかたからみれば,取ったもの勝ちの論理で逃げ切ったともいえる.国際社会が,この取り逃げを阻止する方法は,以降の試合を棄権させて残る3チームを帰国させてしてしまうことだが,まずそれはあり得ない.準決勝に進んだ時点で,自己中国家としての勝利をまんまと手中にされてしまった.

普通なら,“世界を相手に共催国が国家として勝利を納めたことはめでたい,どうぞ手柄を自分のものにしてください”と言いたいところだが,共催国としての日本への迷惑を無視した“取り逃げ”は看過できない.次回以降のW杯のことも考えている日本が,共催国ということで,取り逃げ批判のとばっちりを受ける可能性があるからだ.日本の国際的な魅力が健全な時期ならば,“これくらいで気が晴れてくれれば,日本としても儲けもの”といえるかもしれないが,現在は,国内経済の不振からの脱却が遅れていて,諸外国からみた日本の魅力が衰えてる時期だけに,事態は以前にも増して深刻である.そんな悠長な姿勢では,イケイケモードになりきっている共催国のさらなる増長を招く恐れもあり,両国の関係にとってふさわしい状況は生まれない.なによりも,国際社会からの批判のとばっちりが日本にも及ぶ事態が現実になれば,これこそNY Timesが書いていた“植民地支配への報復”の成功を意味する.

スポーツの祭典を自国の利益のみに利用しようと画策していた自己中共催者の陰謀を事前に暴けず,その実行を防ぎきれなかった日本が甘いといえば甘いが,今となっては仕方がない.せめて,W杯後に具現化してくる“報復”の被害を被ることだけは何としてでも避けなければならない.

日本は国際社会の指導的一員としての立場を第一に考えて,慎重かつ効果的に騒動の収拾を図り,他の主要国から敬意を得るように振る舞う必要がある.それによって共催相手との差を際立たせ,自分たちのスピリットが正常であることを世界にアピールしなければならない.できれば,共催国の陰謀を国際舞台に暴露して徹底的に糾弾し,彼等に罪を自認させ,その一方でパートナーとしての立場で共催国を弁護し,彼等に恩を着せてやるのだ.これが考えうる最善の策だろうが,それをより効果的にするためには,まずはじめに国内経済の立て直しにメドをつけて,国際的な期待感を得ておく必要があるだろう.

たかがサッカーだろうけど,これがW杯のW杯たる所以.問題をないがしろにせず,高度な外交判断を迫られている局面であると考えて事にあたった方がよい.日本社会の真価が試されていると思う.


上記ではNY Timesの記事にのせられた勢いで「陰謀への対抗」という視点を強調した.冷静になってみれば,「陰謀」は単なる「過失」であるかもしれず,そう置き換えて読んでもらっても構わない.ただ「過失」にしても,その責任を追求する上で日本は断固とした姿勢をとるべき,という主張はかわらない.まあ,一つの考え方として批判的に読んでいただければ幸いである.

一方で,実際の生活において,私は,サッカー狂のホストを相手に,個人レベルのサッカー外交をせまられているのも確か(ラテン国家在住の邦人はもっと大変だと思う).ノンポリにその場しのぎの受け答えをすることは,かえって日本にとってマイナスだと思うので,そのつもりで日常生活を送る覚悟が必要...大げさだなあ...でも,以下のような場面も私のカナダ生活の中で実際に起きていることは確か.


週が明けて2日ぶりにShaw教授と会い,週末から騒がれはじめたW杯のスキャンダルについてまじめに議論をする.教授からは“真偽はどうあれ,開催国の印象を悪くしたのは確かだ,どちらも良いチームなのに残念だよ”と忌憚のない意見をいただく.同時に“負けたベッカムが,喜んで日本を後にした”というニュースを聞いたことを引き合いにだして,日本のホストぶりを褒めてくれたのは何よりも嬉しい.

私はその嬉しさの余り,Shaw教授に対しては“共催国にもそれなりの事情があるから”とかばう姿勢をとってしまったが,無邪気に“共催国ガンバレ”と応援することは,外からみれば白々しいだけ.かえって不誠実・共犯,と取られかねない.本来なら思案のしどころであったはずだが,迂闊だった.“ベッカムを応援しに来るフーリガンを取り締まるよりも,韓国サポーターの無節操な応援ぶりを非難しなければ.”と返事すべきだったんだろうなあ.

ちなみにカナダは米国同様に“サッカー不毛の地”である.当然,W杯のゴシップもマスコミに取り上げられることは決して多く無い.少ない情報にも係わらず教授は的確な判断をしていると思う.たまたまサッカー狂の教授であったせいもあるが,このカナダでサッカーにまつわる外交的な窮地に陥るとは思わなかった.とばっちり回避の外交も,こうして個人レベルからはじまるのだ.これは,いい体験をさせてもらっている.

Shaw教授は非常に紳士なことは分かっているし,これまでの8か月の滞在で,十分にゆるぎない友好関係ができていると思う.でも,なんとなく,教授とのサッカー談義には気を使わなければならないと思ってしまう.特に,教授は少年サッカーを指導している立場にもあるから,彼等の健全な成長を願う私としては,今日のような迂闊なことは言えないと思う.教授の息子は生意気盛りだし,今度顔を合わせるのが,正直いって気が重い.さてどうしたものか...

カナダの中高生は,自宅でパソコンに向かう時間が長い.ケーブルTVが普及し,常時接続率も高いので,学校の宿題もネットで調べて,ということが多いようだ.従って,彼等がネットから相当の情報を得ていることは容易に想像できる.韓国もまた世界有数のネット社会であることは有名な話だが,W杯関連の人気投票ページは,某国ネチズンによる組織票によって,結果がいびつにゆがめられているという話も聞く(たとえばここ).今度,教授の息子に会ってW杯のスキャンダルの話になったら,このネット社会の実体だけは忠告することにしよう.それが,私にできるささやかな外交的・教育的配慮だろうと思う.


Air Doが民事再生法の適用を申請した”という記事.まことに残念.負債総額が58億円ということだが,近年の破綻処理や脱税事件などで騒がれている金額と比べると,なんと少ないことか.破綻金額への感覚が麻痺しているのかもしれないけど,これくらいの金額で航空運賃の考え方に一石を投じられたのなら安いものだと思う.なんとかならないのかなあ.

26日からロッキー山中のカナナスキスでG8が開催される.山奥のリゾートは戦場さながらの警備体制だとニュースが伝えている.林に潜んで警戒する兵士は簡易トイレ持参で環境にも配慮,ということ.テロに加えて熊の襲撃にも警戒しなければならないらしく,なんとなく微笑ましい気もする.当事者達は真剣だろうから,茶化すのは失礼というもの.

今日は,ネット経由で人間を遠隔操作してLANの不具合を修復.最初はハッカー攻撃かと緊張したけど,ケーブルの断線というとこで一安心.どうもお疲れ様でした.

6月25
(火)


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準決勝

korea-r.gif0-1germany.gif韓国vsドイツ

独逸,ようこそ日本へ.
予想通り決勝に進出してくれたのはうれしいけど,誤審の罠を警戒していたのか,今一つパッとしない印象.この一戦が実力だったのなら,王国打倒は難しいかも.

得点は,中でクロスを待っていたピアホフじゃなくて,後ろから走り込んできたバラックが決めた,という美しいパターン.一旦キーパーに弾かれていなければ,ベストゴールの一つになったかも.お互いに“やってるやってる”という影の戦いが楽しめた.サッカーはこうぢゃなくちゃ.やっぱり審判の采配は重要だね.

ところでなんで独逸を応援しちゃいけないの?


今日も暑い一日.論文読みと原稿書きにあまり身が入らない.日中はあきらめて,涼しい夜に活動の中心を移そうかな...

サミットのために続々と各国首脳がカナダ入りしているが,彼等もW杯が気になってしようがないようだ,とニュースが伝えていた.こちらのニュース番組は日本と違って,普段は硬派な内容しか流さないし,地元ではデモが相次いで緊張した情勢にあるというのに,こんな話題を流すとは,驚きと同時に笑みすら覚えてしまった.次期開催国でもある独逸首相は,予定を変更して,帰路に日本に寄るらしい.カルガリーからなら,そのまま西へ向かうほうが近いものね.眞紀子前外相が,訪米の折に母校を私的に訪問したことが問題になったように,こういう場合,日本の公務員出張規程では(お偉い本人はいいけど随行者が),一旦帰国して出直さなきゃいけないんだよねえ...:P

昨日はいろいろ小難しいことを書いたけど,今日のShaw教授とのお茶話で実感したのは,真のサッカーファンとして純粋にゲームを楽しむ気持ちが共通していれば,それでうまく行くものだと言うこと.成熟した国際関係にあれば,個人レベルのつきあいに下手にイデオロギーは持ち出さない方が良いし,マスコミが煽ったとしても,それこそ“一蹴”すればよい.純粋にゲームを楽しむサッカーファンを増やすことが一番の早道.これは今回のことで一番先に学ぶべきことだったかもしれない.

そのことを教えてくれた教授に感謝.サッカーをやっていて良かったなあ.

6月26
(水)


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準決勝

brazil-r.gif1-0turkey.gifブラジルvsトルコ

すばらしい死闘.

結局決勝の組み合わせは私の予想通り.賭けていたとしても配当の低い組み合わせだけど.

決勝は“最小失点チーム”vs“最高得点チーム” という面白い組み合わせ.私は独逸を応援.

読者から“日本のマスコミはどれも「韓国ガンバレ」と横並びなので,この滞在記は刺激になる”という意見をいただいた.スキャンダル好きの日本のことだから,ワイドショーはFIFAバッシング一色かと思っていたのに,協調的応援一色のほうに傾いていると知り,正直いって驚いた.でもすぐに納得.どうせ一色なら,応援一色のほうがましかな,とも思ったり.意外に日本のマスコミは自分たちの悪癖を自戒しているあらわれかもしれない,と皮肉をこめて贔屓めにみたりもする.今後はむしろ,そういうマスコミの姿勢が週刊誌ネタになるんだろうな.共存共栄か.

私の主な情報源は,TVの試合中継とネット閲覧の二つ.試合中継は文句無しにW杯の戦いを伝えてくれる.これは厳然たる事実だから,研究で言えば露頭に相当する.一方,ネット情報は,研究でいえば論文や学会発表に相当するかな.ところがネットには査読というものが存在しないから,いかがわしいネチズンからメジャーなマスコミまで,情報はどれも対等にならんでいる.“大本営発表”だけが絶対ではないと思える反面,様々な見解の中から本物を見極める作業も必要になる.実はそれが論理思考や分析技術の良い訓練になっている.訓練してこの程度かい,と突っ込まれればそれまでだが,そうなんだから仕方がない.

ネットには,バッシングと応援の両者の見解がある.特に個人サイトは決まって偏向しているが,ネットサイトとはそもそもそういうものであるから,その偏向性をとりあげてネット情報全体を否定するのは間違い.むしろネット全体では,どちらが優勢というわけでもなく,対立と同時に議論も生み出していて,比較的正常な状態にあると見るべきだろう.

私は,TV観戦とネット情報に基づいて意見を述べてきたが,日本の報道の実態を掴むことには失敗したようだ.ネットでは,偏向報道を浴びせられる“時間”や“頻度”というファクターを把握しづらい,ということが原因の一つではないかと思っている.インターネットの普及は様々な見解を知る機会を増やすので期待できるかと思っていたが,実生活では,つけっぱなしのTVから何気なく流れてくる情報のほうが圧倒的に人々の思考を支配してしまうようだ.

惰性的受け身な日本に対して,単一情報を積極的に受け入れているのが現在の韓国の姿だろう.偏向報道や単一情報がろくな結果を生んだ試しがない.いろんな選択肢を与えてやりさえすればそれですむ話なのに...

カナダでは,W杯の情報が少ないにしても,単一色の情報をじゃぶじゃぶと浴びせられることはない.選択肢が多いからだ.不快な情報を問答無用に浴びせられる苦痛が日本には存在するが,こちらではそれとは無縁でいられるのが,なによりの幸い.

フィールドノートをめくるつもりで,W杯が始まってからの滞在記を読み直してみた.気持ちの変化がよくあらわれていて,ついこの前のことなのになんだか懐かしい.さすがに決勝Tに入ってから記述が長くなって,その分ボロも目立つが,修正せずに残しておこう.ということで,この滞在記の記述が中立的である保証は全くない.あくまでも“One of them”ということで,読者自身で内容を判断していただきたい.

昨日紹介した独首相の来日の話.朝日新聞にも出ました.これを読んで思わず吹き出してしまった.なんと,シュレーダー首相は日本の政府専用機で小泉首相と一緒に来るらしい.笑ったのはその後の記載.首相が乗ってきた独の専用機はスタッフを乗せて帰国後,今度は首相夫人を乗せて日本に向かうという.やっぱり,スタッフは一旦帰国して出直すんだねえ.

6月27
(木)


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札幌にいたドイツチームがホテルのパンが口に合わず新札幌駅のパン屋のドイツパンを食べていたそうだ.そういえばうちの講座にいる独逸人がお勧めのパン屋の話をしていたけど,その店のことかな?

うちのカミさんのお気に入りは北24条のノア.安くて無添加でもちろん美味.カナダ人がおいしいパンにこだわるという話はあまり聞かないなあ.


Shaw教授には,小学生のころから大切に育ててきたサッカーチームがあり,今期から16歳以上の地区リーグで戦っている.16歳だけの若いチームであるにもかかわらず,地区リーグで好成績を納め,この度,市の決勝トーナメントに進むことになった.トーナメント第一戦に勝てばベスト8になる.市のベスト8には州のリーグ戦に出る資格が与えられるので,初戦を突破さえすれば,市トーナメントと州リーグをあわせて,今年の夏は最低でもあと8戦は戦える.逆にこれに負ければ,今年の夏はもうおしまい,というわけ.

その肝心の一戦を前に,教授は今たいへんお悩みである.これまで,教授チームにはレギュラーと補欠の区別がなく,どの子も均等に出場の機会が与えられてきた.それが教授のポリシーでもあった.しかし,今回に限ってはベストメンバーで臨むべきという意見もでてきて,議論になっているらしい.民主的に事を解決したいと考えた教授は,ベストメンバーを起用することの是非を子供達の親に諮問したところ,先発メンバーからはずされた子供の気持ちを考えると選抜することには反対,という意見が何人かの親から寄せられたと言う.

“何か東洋の良い知恵は無いか”と助言を求められて,まず思い付いたのが“そういう事情は日本も同じだよなあ”ということ.しかし,教授の真剣な表情に,私個人としても精いっぱい考えて助言することにした.以下は,私からの助言のあらましである...これが東洋的かどうかは東洋人の私には分からない...

もう高校生なんだし,いつまでもぬるま湯に浸らせておくよりは,はやく世の中の厳しい競争の現実を体験させたほうがよいと思う.親にもそろそろ子離れを促す時期だろう.チームとともに育ってきた人生なら,その成長にあわせて判断するのもまた人生というもの.それに,リーグとトーナメントでは戦い方が違って当然.特に今回は重要な意味を持つ一戦だ.勝つための采配を優先させて,ベストメンバーで臨むきだ.

問題の試合は今夜キックオフ.教授の采配やいかに.


『神のもと』に星条旗に忠誠誓うのは憲法違反 ”というニュース.これは国旗への忠誠の示し方の問題だから,日本の「日の丸」問題に相当するんだろうけど,論点としては「天皇=君が世」問題のほうに近い.

映画「34丁目の奇跡(94年版)」に,1ドル紙幣に書かれた「我々は神を信じる[IN GOD WE TRUST]」という文言が判事の英断を促すシーンがあったのを思い出した.このサンタ裁判の結末にはアメリカの寛大さを見た気がしたけど,今回の現実の判決には映画のような甘っちょろさがなく,きっちりけじめを付けていて,さすが米国と感心した.

これを「ばかげた判決」とみる意見は,まさに憲法が恐れている思想そのものだと思う.実際に被害者がいることに気付いて,彼等を救済する必要があるんじゃないかなあ.『神のもと』をなくして,ただ単に星条旗への忠誠の誓いの形に戻せばすむ話だもの.損をする人はだれもいない.

“損をする人”といえば,1ドル札の文言は削除の対象になるかも.今は金本位制じゃないから,GodをGoldに書き換えるわけにもいかないし...と思って調べたら,おもしろいページを発見.ドル紙幣はアメリカ政府の借金が担保なんだそうな.

夜になってニュースをみたら,上の判決は保留になったらしい.なーんだ.「既に定着しているもの」っていう台詞は米国には鬼門だよね.いろんな人が集まってできた比較的新しい国にとって,統一民族という概念や歴史の重みだけはどんなに頑張っても手に入れられないから.でも,それとは無縁でいられることが米国の良いところなんじゃないのかなあ. (何のもとにもない純粋な)星条旗への忠誠,これでいいじゃない.

6月28
(金)


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FIFA U-19 Women's World Championship
Canada 2002
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8月17日〜9月2日

W杯も終わらぬうちに気の早い話だが,実は今夏,記念すべき第1回FIFA U-19女子世界選手権がカナダで開催される.来年中国で開催される女子W杯の前哨戦でもある.

日本はAグループ.エドモントンで1st Stageを戦う.決勝トーナメントもエドモントンで行われるので,勝ちあがってほしい.応援に行こう.

Group A
(Edmonton-Commonwealth Stadium)
Canada, Denmark, Nigeria, Japan

Group B
(Vancouver-Swangard Stadium)
Germany, France, Mexico, Brazil

Group C
(Victoria-Centennial Stadium)
USA, England, Taipei, Australia

FIFAのページを見てもらえば分かると思うが,実に様々な世界選手権があちこちで開催されている.底辺には,Shaw教授のような少年チームが草の根的にサッカーを楽しんでおり,サッカー界全ての頂点としてW杯があることが実感してもらえると思う.そのようなW杯に込められた世界中のサッカーファンの期待と,W杯を夢見て費やされてきた選手達の苦労や犠牲を考えると,W杯の試合を侮辱する軽率な行為が許されるものではないことも理解できるはずだ.そういうW杯だからこそ,ホストできることを名誉と感じることができるんじゃないの?分かってんのかい,共催国と日本のマスコミ.


昨夜の試合は0-1で惜敗.ほぼ互角の試合運び.ハンドの反則へのフリーキックで失点.これが決勝点となり,教授チームの夏は終わった(高校野球みたいだなあ).

こちらの少年サッカーのルールでは,交代の回数に制限はない.普段は単純に時間で選手をまわしていたのだが,今回は監督の采配で戦略的に交代させられるようにチームの同意を取り付けたらしい.それによって,ベストメンバーの出場頻度をキープしつつ,全員が参加できるように交代させたという.

昨夜の敗退は残念だが,若いチームでよくやったと思う.来年以降が楽しみな成長株である.


今日,愛用しているメールソフトのARENAの開発元から“今後ARENAのアクティブな開発を終了し,ソフト販売も撤退する”という知らせが届いた.このソフト,痒いところに手が届くユーザー本位の設計の細かさと使いやすさは一品である.一方では,ウィルスをまき散らす温床となったり自己中な初期設定で押し通す最低なメールソフトがぬくぬくと生き残っているというのに,ARENAのような良いソフトが表舞台から去っていくのはなんとも残念でならない.

先月のことになるが,Apple社は世界開発者会議の基調講演の席でOS9の葬儀を執り行った.この演出は,積極的にMacOS Xへの対応に努力してくれたソフト開発業者への謝意ととるべきだろうが,ユーザーの私にとっては,本気でMacOS Xへ切り替えを検討すべき時期に来たことを悟らせるものだった.

今月に入ってから,徐々にOS Xの利用時間を増やしてきた.現在では90%ぐらいはOS Xで仕事をしており,最初にMacに出会ったときほどの感動や発見の連続はないとはいえ,そこそこに変化を楽しんでいる.一番の問題はMacDrawの代役として満足できるものがないこと.MacDrawの正当な後継ソフトが開発されないのは,Plus以来の私のMac歴の中でも七不思議の一つに入る.

OS Xへの移行に際して最も心強かったのが,ARENAの存在だった.OS Xへの対応が早く,設定やデータを失うこと無く,OS9とOS Xのどちらでも使うことができたのがなによりも嬉しかった.使い慣れた環境がどちらにも存在する,ということは,新環境を一時的に試している身にとっては何よりも大切なことだと思う.普段は当たり前すぎて意識しなかったけど,私の一番お気に入りのソフトは何かと聞かれれば,MacDrawと並んでARENAをあげるに違いない.MacDrawは手に馴染んだ万年筆,ARENAのほうは,違う環境でも安眠させてくれる枕のような存在とでもいえるかな.

メンテナンスモードに入ってしまったARENAだけど,今のところ不都合はないし,代替案もないので,当分の間は愛用していくつもり.誰かMacDrawをOS X に移植してくれないかなあ...

6月29
(土)


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3位決定戦

Korea-r.gif2-3turkey.gif韓国vs トルコ

開始早々の得点に驚く.
楽しむ土耳古と必死の韓国.プレーする選手の表情にずいぶん差があったような気がする.イルハンのヒールリフトかっこいい! これで土耳古は両開催国に勝利したことになる.日本で行われた試合の雰囲気を共催国に届けてくれたようで嬉しい.

サポーターズ・プロジェクト2002”というのがあるのを知った.はるばる日本へやってきたサポーターの生の姿,生の声を伝えようという企画.土耳古選手が気落ちした韓国選手を促して両チームの選手達が肩を組む.その様子がTVの画面に流れている中,Webサイトに掲載されているサポーターの記事を一人一人じっくりと眺めた.どのサポーターも楽しんでいる.なによりも表情が明るい.今までのゴタゴタを忘れて,すっかり感動してしまった.TVの画面の韓国選手の表情だけは...最後ぐらい,いい顔しなよ.

日本の地上波TVでトルコの表彰シーンがカットされたとか.3位決定戦で3位の表彰を放送しないとは,何考えてんだか.こちらじゃ全部放送されたよ.

帰国後に家族や友達に日本のことを聞かれたら「日本に行ってみるべき」と答える,と大半のサポーターが返答していた.洋行帰りの日本人がこう言うのを聞いたことがない私には新鮮な言葉.きっと,日本は行ってみないと分からない国なんだろうね.例える対象がないのだろうとも思う.

個人的には,1人だけいた加奈陀人サポーターに注目.彼が「世の中で最も憎んでいるもの」という質問に「米国の利益」と答えているのが興味深い(サッカーとはあまり関係ないけど).


今日は朝から雲行きがあやしく,夕方,激しい雷雨が通過.

IHY.gif2007年は,1882年と1932年の国際極年(IPY)から数えて125年と75年,また1957年の国際地球観測年(IGY)から50年目を迎える(年表).それを記念して,2007年をInternational Heliosperic Year (IHY)として,世界が協力して観測を行なおう,という呼びかけが行われている.日本の南極観測もIGYの時にはじまった.今回もなにか大きなことが起こるのかな?誰も動かなければ何も起きないよなあ...

6月30
(日)


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決勝戦

brazil-r.gif2-0germany.gifブラジルvs ドイツ

trof.gifブラジル優勝
感動の一か月をありがとう!!
失意のカーンが印象的.応援していた独逸は負けたけど,次回のホストはしっかりよろしく.

朝4時に起きてShaw教授宅まで行き,教授チームの少年達と一緒にTV観戦.私がW杯に出会った頃もこうだったかなあ,と思いながら,彼等の無邪気な反応を楽しむ.表彰シーンでW杯のテーマが流れると,“あの曲いいね,だれの曲?”と聞くので“バンゲリス”と教えてあげると“へぇー”だって.彼等もそれなりに感動していた様子で,日本のホストぶりを褒めてくれた.ホスト国代表の客人としてホッとしていると同時に嬉しさもひとしお.

炎のランナー,ブレードランナー,南極物語...今日は,持って来たバンゲリスのCDを聴こうかな.


“透きとおった”というのがぴったりの青空.気温も低めで,高原のさわやかさ.

一方で,空気が乾燥していて,森林火災もなかなかおざまらず深刻化.明日はカナダ建国記念日.各地で花火が恒例になっている.その名物の花火がエドモントンでは中止に.花火ファンの私としてはひじょーーーに残念.

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